ソウルフード

ソウルフード(Soul food)の意味を考える

最近、大阪ならばたこ焼きやお好み焼きに対して「大阪人のソウルフード」といった表現を見かけるようになりました。

しかし、英語でSoul foodといった場合にはそれは黒人文化に根ざした黒人の料理を指します。

なぜこのようなカタカナの使われ方になったのかは不明ですが、言葉としての「ソウルフード(Soul food)」を取り上げてみます。

ソウルフードとは?

中東のカタールで「おにぎりフェア」が開催されるニュースをアプリで配信しました。おにぎりフェアの公式ホームページには以下のように書かれていました。

現地の外国人シェフたちに日本のソウルフード・ファストフード・スローフードである「おにぎり」の握り方を伝授します

この引用でアプリ内で配信した英語のニュース文にも「ソウルフード」を入れたのですが、英文を書いたスティーブに止められました。

英語で書いてしまうと黒人の伝統的な家庭料理として受け止められてしまう可能性が高いからです。

歴史をたどればアメリカ南部の奴隷制度の中で生まれた料理で、あまりよい部分とされないホルモンや内臓系などを中心に構成されたような料理です。大阪の「ホルモン」の文化に通じる文化があります。

いくつか代表的なソウルフードの写真があります。チキン、豚肉、黒目豆などがあり、わりと高カロリーです。

ソウルフードの写真2

チキンの写真

今では健康的な料理とは言いがたいけど、特に悪いニュアンスではなく差別的な意味はない「伝統の黒人料理」といった感じだそうですが、日本人がカタカナで使う意味とは少し違います。

基本的には家庭料理ですが、それを提供するレストランも南部の州やニューヨークなどの都会にも存在しています。

There are some great soul food restaurants in the Southern states.
南部の州にはいくつかの素晴らしいソウルフードのレストランがある。

ウィキペディアにかなり細かく料理などが紹介されています。

ソウルフード(Wikipedia)

ソウルフード(カタカナ)をどういうか?

カタカナのソウルフードはそのまま英語にすると意味を誤解される可能性が高いので書き換える必要があります。

そもそもカタカナの「ソウルフードが何か?」という定義の問題があります。

例えば下関は「ふぐ」が有名で郷土料理とはいえますが高価です。こういうのはあんまりソウルフードとはいわないはずです。安価で庶民が普段から食べられるようなものがソウルフードだとは思いますが、ぴったり合う英語がありません。

候補としては以下のような言葉が浮かびます。

Okonomiyaki is an iconic food of Osaka.
お好み焼きは大阪の象徴的な食べ物だ。

Okonomiyaki is a signature food of Osaka.
お好み焼きは大阪の特徴的な食べ物だ。

Okonomiyaki is deeply entrenched in the culture of Osaka.
お好み焼きは大阪の文化に深く根差した食べ物だ。

代表的な料理を指すならば以下の記事で「アメリカ各州の代表的な料理」を紹介しています。ここでも「Signature Food」が使われています。

特徴的、代表的で他にないものであれば必然的に地元でも愛されていく性質のものなのでカタカナの意味する「ソウルフード」にも近いかもしれません。

Signatureは「署名」などの意味もありますが「他と区別される特徴、特徴的な性質」といった意味もあります。


comfort food

趣旨とは少しずれますがcomfort foodという言葉があり、食べるとほっとするような料理で故郷を思い出すような料理に対してよく使われます。

Cup Noodle is a comfort food for many Japanese people abroad.
カップヌードルは海外に住む多くの日本人にとってコンフォートフードだ。

食べると安心してしまうような変わらない味でなつかしいものです。

寿司などは世界中で食べられますが、カリフォルニアロールみたいなものなどに変化しているので、あまりコンフォートフードではありません。

日本人にとってのカップヌードルや、アメリカ人にとってのマクドナルドなどがコンフォートフードにあたる存在です。

カーネル・サンダースが話題になる

アメリカの掲示板サイトRedditで何年か前に日本のカーネル・サンダースが話題になっていました。

該当のスレッド:For fucks sake Japan(Reddit)

この投稿者も書いていますが、アメリカではステレオタイプなイメージとして「スイカ」と「チキン」が黒人が好む食べ物として、場合によっては揶揄するように使われるケースもあります。

日本のカーネルサンダースが着替えることや、スイカが日本の夏の風物詩であることも説明されており、どこまで本気なのかはよくわかりません。

スイカとチキンを組み合わせると、カーネル・サンダースが南部の農場で黒人を労働させていた農場主に見えなくもないといった意見もありました。

文化の違いで見方が変わるのだという事例としては面白いです。

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