オートグラフ

sign / signature / autographの違い

和製英語としてもたびたび取り上げられる「サイン」ですが、日本語の「サインください」は、有名人から記念にもらうサインも、宅急便の伝票に書く署名も「サイン」になってしまっているので少し英語と使い方が違います。

よく和製英語だと指摘を受けますが、ネイティブに確認してみると意外とそのまま使えることもわかりました。

signatureとautographは共に自筆での署名などを表しますが少し使い方や意味が異なります。

動詞と名詞のsignも含めて使い方などを一通りまとめてみました。

autographの意味と使い方

autograph(オートグラフ)

有名人、芸能人に記念にもらうサインは英語では「autograph(オートグラフ)」と呼ぶのが一般的です。発音は【ɔ́ːtəgræ̀f】です。

名詞で「(有名人の)サイン・直筆の署名」と動詞で「(有名人が)自筆で署名する」の意味があります。

基本的にautographは歌手や俳優、セレブなど有名人・芸能人に対してのみ使う言葉であって、普通の一般人には使いません。

例文

May I have your autograph?

Can I have your autograph?

サインをもらえますか?

例文

Johnny Depp gave me his autograph on my movie ticket.

ジョニー・デップは映画のチケットに名前を書いてくれた。

例文

I have President Obama’s autograph.

私はオバマ大統領のサインを持っている。

以下は動詞での使い方です。

例文

Can you autograph my baseball?

私の野球のボールにサインをしてもらえますか?

例文

President Obama autographed my copy of his book.

オバマ大統領は私の持っている彼の本にサインをした。

例文

I got Johnny Depp to autograph my movie ticket.

ジョニー・デップに映画のチケットに名前を書いてもらった。

基本的には有名人にしか使いません。時々、宅配業者などが「I just need your autograph here.」とジョークで言ってくることはあるかもしれません。

また有名人であっても記念品としてする自筆のことであって、契約書などにサインをする場合には使いません。

例文

✕ Tom Cruise autographed the contract.

(ビジネスシーンでは使わない表現)

signatureの意味と使い方

signature

一般的な理解としてsignature(シグニチャー)は名詞で「署名」のことです。伝票やクレジットカードを使った時に書く、あの署名、直筆の意味です。発音は【sígnətʃər】です。

記念にもらう有名人などの署名にもsignatureは使えます。ただ先に紹介したautographのほうが「有名人のサイン」を強調した単語です。

例文

Can I have your signature?

サインをもらえますか?

(有名人・一般人ともに)

例文

I have President Obama’s signature.

私はオバマ大統領の署名・サインを持っている。

例文

The deliveryman asked for my signature on a slip of paper.

宅配業者が伝票に私の署名を求めた。

例文

Johnny Depp gave me his signature on my movie ticket.

ジョニー・デップは映画のチケットに名前を書いてくれた。

ただし、signatureは動詞では使うことができません。

例文

Can you signature my baseball?

(動詞では使えない)

特徴的な

signatureには他にも「特徴、特徴的な性質、特徴的な」といった意味があります。

スポーツ用品やギターなどでも有名人の名前を冠した、普通の製品と違った特徴的なデザインや機能を備えたsignature modelといった商品があります。

以前にアメリカの各州の代表的な料理を紹介した記事がありました。この記事の見出しなどは『The United States’ signature food of each state(アメリカ各州の特徴的な食べ物)』となっていました。

sign(サイン)の使い方

英単語としてのsignは動詞で「署名をする」と、名詞で「看板、標識、表示、兆し、記号」などの意味があります。

特に使い方を間違えると和製英語っぽくなってしまう点には注意が必要です。名詞では「署名」の意味がありません。

signの名詞での使い方

sign

名詞でのsignは「看板・標識」「兆し」「記号」であって、「ジョニー・デップのサインを持っている」の「直筆の署名」の意味がありません。

例文

There are many signs in Times Square.

タイムズスクエアには多くの看板がある。

例文

Look at that strange sign(= signboard).

あの変な看板を見ろ。

この場合のsignboardもsignと同じ意味と思っても間違いありません。どちらかといえばsignboardという単語そのものが、同じ意味の繰り返し(サイン看板)にも感じられるそうです。

例文

She showed a sign of loving me.

彼女は私を愛しているというサインを見せた。

この場合のサインは「ヒント、兆し、表示」に近い意味なので、カタカナの「愛しているのサイン」などとほぼ同じです。うがった見方をすれば、彼女が「愛してる!」と書かれた看板を見せた可能性もあります。

ツイッターなどで使われる「#」の記号も、英語ではhash(ハッシュ), pound sign(ポンドサイン), number sign(ナンバーサイン)などとも呼ばれます。音楽の「♯(シャープ)」は形が似ていますが微妙に違います。

例文

I’m in room #301.

= I’m in room number 301.

私は301号室にいます。

このように何かの目印になるようなものを指して英語ではsignなので、有名人と会った記念にもらう自筆をサインとはいいません。

したがって以下のように名詞でサイン(sign)を署名の意味で使うと変になります。

例文

I have President Obama sign.

私はオバマ大統領の看板を持っている。

上の例文は間違いではありませんが「オ・バ・マ」と書かれた看板などを持っていることになります。その意味で伝えたいならば間違いではありません。

オバマのサイン

オバマの”サイン”

例文

Can I have your sign?

星座を教えてもらえますか?

また上の例文のように質問すると、獅子座や乙女座などの星座を教えてくださいの意味で解釈される可能性が高いです。「Can I have your name?(お名前なんでしょうか?)」と同じ理屈です。

この意味で名詞でsignをカタカナの「署名・サイン」の意味で使ってしまうと和製英語になってしまいます。

signの動詞での使い方

名詞で使うと和製英語っぽくなりますが、動詞で使う分には問題ありません。動詞では「署名をする」の意味で、これは有名人にサインを求めるときや、伝票のサインのどちらにも使えます。

例文

Can you sign my baseball?

野球のボールにサインをもらえますか?

例文

Could you sign this please?

ここにサインをもらえますか?

(有名人・一般人ともに)

例文

The deliveryman asked me to sign a slip of paper.

宅配業者が私に伝票に署名するように頼んだ。

例文

Sign here.

ここにサインして。

有名人、芸能人に対しても「名前を書く」という動作には動詞のsignを使えます。

例文

I got Johnny Depp to sign my movie ticket.

ジョニー・デップに映画のチケットに名前を書いてもらった。

例文

President Obama signed my copy of his book.

オバマ大統領は私が持っている彼の本にサインをした。

出版イベントで著者がサインをしてくれるものがありますが、それはbook signing(本のサイン会)という言葉が存在しています。

sign with / sign toの意味

「~と契約する」の意味で、組織に加わることを指しています。スポーツ選手やミュージシャンによく使われる表現です。

例文

Masahiro Tanaka signed with the Yankees in 2014.

田中将大は2014年にニューヨーク・ヤンキースと契約した。

例文

With the internet, bands can be successful without signing to a major label like Sony.

インターネットのおかげで、バンドがSONYのようなメジャーレーベルとの契約なしで成功できるようになっている。

ビジネスの「契約」にサインする場合はsign a contractが使われます。「契約書にサインをする」のようにカタカナに近いものです。

例文

Tom Cruise signed the contract.

トム・クルーズは契約にサインをした(契約した)

よく考えるとわかる話ですが基本的には動詞のsignは主語が「人」でないと使えません。署名するのは人間だからで、会社同士の契約や主語が組織の場合は以下の表現になります。

例文

Sharp made a contract with YMobile to sell their phones.

シャープは電話を販売するためにワイモバイルとの契約に署名した/契約を結んだ。

他に関連記事としてサインがほしくなるような有名人を表す表現をまとめた記事があります。

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