shitはいわゆる「クソ、うんこ」を意味する有名な言葉です。カジュアルな言葉で映画などでもよく聞かれるものの、上品な言葉ではなく使う場面は選んだほうが無難です。時に攻撃的な言葉にもなります。
これは日本語の「クソ」が使う場面を選ぶのと同じ感覚です。そのうえで動詞、名詞、形容詞と非常に使い方が豊富かつ複雑で使い方によっては真逆の意味にもなります。
今回はshitの一般的な使い方をネイティブスピーカーにヒアリングをしてまとめてみました。
スラングは地域性などが出たり、場所によって使い方が異なるケースがありますが、shitの使い方全般に英語圏でわりと共通している感覚があります。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアで年代を越えて同じような使い方をするのでユニバーサルな単語だといえます。
クソ・うんことしての名詞のshit
まず基本的な使い方として「クソ、うんこ、排便」の意味があります。これは人間のモノ以外にも動物などにも使えます。
Watch out! There’s some dog shit on the sidewalk.
気をつけろ!犬のクソが歩道にあるぞ!
I stepped in dog shit!
犬のフンに足を突っ込んだ!
take a shitの形で「クソをする」といった意味になります。
I have to take a shit.
クソしなきゃ。
動詞:shit(過去形はなにか?)
shitにはそのまま動詞で「クソをする、うんこをする」の使い方があります。しかし、この言葉は学校では教えられない言葉なのでshitの過去形がなにかについては不明確で人によって表現が変わります。
一般的には過去形・過去分詞は「shitted」が広く使われている言葉です。
His dog shitted on my rug.
彼の犬が私のラグの上にうんこした。
I haven’t shitted on an old-style Japanese toilet before.
今まで古い日本式のトイレでうんこしたことねえよ。
他にも過去形に「shat」の形をとるケースや「shit – shit – shit」でfitやhitのように変化しないパターンもあります。
His dog shat on my rug.
His dog shit on my rug.
His dog shitted on my rug.
どれも使う人はいるでしょうし、学校で「shitの過去形は~」と教えたりしないこともあって決まった形が生まれにくい点もあると思います。
shatはちょっとだけコメディっぽい雰囲気があり、ひどい言葉なのにちゃんと活用してて奇妙にも華やかに響く感じが少しだけするそうです。
感嘆の言葉
何か嫌なこと、まずいことがあった場合に「クソ!」と口に出してしまう日本語と同じような感覚の使い方があります。映画のシーンでもよく見かけます。
Shit!
クソっ!
Shit! I lost my wallet.
クソ!財布をなくした。
Shit, sorry, I thought you were finished eating.
クソ、すまん。もう食べ終わったのかと思ったわ。
他にもバリエーションはあるのでいろんな表現を聞くかもしれません。基本的にはどれも一緒ですが、単なるshitよりも強調表現だと考えることができます。
Holy shit!
Oh shit!
Shit on a shingle!
形容詞:shitty(=bad)
shittyは品詞としては形容詞にあたり「ひどい」といった意味になります。単純に「bad」の意味だと思っても間違いありません。以下の例文を参考にしてください。
It is shitty.
そりゃひどいな。
I feel shitty about breaking your iPad.
お前のiPadを壊してしまって悪いな。
That movie was really shitty.
あの映画は本当にクソだった。
嘘をつく
動詞では「クソをする」以外にもよく「lie to(嘘をつく)」としても用いられます。
Are you shitting me?
おまえ、嘘ついてる?
I shit you not.
嘘はついてないよ。
しかし、この意味では過去形はあまり使わないそうです。過去形の場合は普通にlie(嘘をつく)を使って表現します。
◯ She lied to me about where she was last night.
彼女は昨夜いた場所について私に嘘をついた。
▲ She shit me about where she was last night.
(あまり過去形では使わない)
stuff(もの・こと)
shitはいろんな意味がありますが、日常会話において「もの(stuff)」として使われるケースが多いです。この場合は特にそのモノに対してひどいもの、悪いものといった意味がありません。単なる物を指して使います。
またこの意味で使う場合には不可算名詞にあたるので複数形にならない点もstuffと同じです。
I keep my shit in a bag.
カバンにモノを入れている。
What is that shit on the side of the road?
あの道の横のモノはなんだ?
すでに紹介したように本当に犬などの「フン、うんこ」の意味でのshitもありますが文脈で明らかなケースが多いです。
特にWhat is that shitと「what」を使っていますが、犬のフンなら見た目で明らかなのでwhatを使いません。この場合はstuffの意味になります。
しかし、以下の例文などは犬などのフン、何かの物体(モノ・コト)の両方の解釈が成立します。
Look out for that shit on the road.
あの道の上のもの/クソをみろ?
the shitとshit
少しややこしいですがtheがついた「the shit」の形になると「great」といった逆の意味になります。
It is the shit.
= It is great.
それはすげえよ。
That movie was the shit!
あの映画はすごかったよ!
Man, Titanic was the shit back in the day.
なあ、ずっと昔にタイタニックは本当にすごかったんだよ。
If you want a good place to hang out, I know somewhere that’s the shit.
もし、どこかぶらつく場所がほしいなら、すげえところを知ってるよ。
しかし、theが抜けた形になると「terrible」「annoy」「not important」などネガティブな意味になります。
It is shit.
そりゃひどいな。
He is a shit.
= He is annoying.
あいつはうっとおしい。
It isn’t shit.
It ain’t shit.
たいしたもんじゃない。
shiznit
shiznitは90年代頃のヒップホップカルチャーで用いられたshitの言い換えで「stuff(もの・こと)」として使われていました。ラジオなどで放送できないので言い換えの表現が生まれた背景があります。
しかし、これは一時的な流行り言葉みたいなもので、あまり使われなくなってしまいました。
We have to clean all this shiznit out of the garage.
私たちはガレージからこのモノを全部片づけないといけない。
My teacher was talking about some shiznit 100 years ago.
うちの先生が100年前のなんかについて話していた。
以前、このページに掲載していた「don’t give a shit」については以下のページに移動しています。