pan(パン)/ bread(ブレッド)/ bun(バン)の違い

bread

みなさんが毎日食べているパン(食パンやカレーパン)は、もともとはポルトガル語として日本に入ってきた言葉だそうです。したがって英語圏で「このあたりに美味しいパン売っていますか?」と聞いても質問の意味が通らない可能性が高いです。

ポルトガル語経由の言葉ですが同時にフランス語でも「pain(パン)」なので、フランスパンはある程度、フランスでは通用しそうな感じもあります。スペイン語でも「pan」であり、このあたりのラテン語系の言葉と、英語との差も混乱させる原因です。

英語のbread(ブレッド)もパンを意味する言葉として知られていますが、このあたりのカタカナの「パン」との関係を整理してみました。

英語でパンといえばフライパン

pan

英語圏のネイティブスピーカーに英語で「pan」といえば、おそらくフライパン(frying pan)や手鍋みたいなものを連想させてしまいます。

発音は【pǽn】なので「ア」「エ」の間ぐらいの音が出ます。以下の音声ファイルを参考にしてください。

pan【pǽn】

これは日本ではホットケーキとして知られる「pancake(パンケーキ)」も同様で、フライパンで作る製法に由来する名称です。これを「(食パンなどの)パンみたいなケーキ」と勘違いしている人はわりといそうですね。

例文

I cook eggs in a pan.

玉子をフライパンで調理する。

例文

She hit me with a pan.

彼女はフライパンで私を殴った。

このようにフライパンのような、蓋がないタイプの、底の浅い金属製の片手鍋を指して「pan」ということができます。

グーグルイメージの検索結果では以下のような画像が登場します。

パン

『pan』での検索結果

bread(ブレッド)の意味

bread(ブレッド)

英語で「bread(ブレッド)」といえばかなり大きなカテゴリーでパンに類するもの全般を指せる言葉ですが、特に文脈なしで日常会話で用いた場合には一般的に「食パン」を指す、もしくは「食パン」を強くイメージさせるそうです。

発音は【bréd】です。

bread【bréd】

例文

I bought some bread at the supermarket.

私はスーパーで食パンを買った。

例文

I ate bread for breakfast.

朝食に食パンを食べた。

細かく表現するならば「1枚、一切れ食べた」は以下の形です。

例文

I ate a slice of bread.

1枚のスライスの食パンを食べた。

他にも「sliced bread」「a bread slice」でもOKです。

同じく検索結果をはります。下にも書きましたがbreadは大きなカテゴリー名なのでいろんな種類のパンを含むことができます。

bread

『bread』での検索結果

loaf(ローフ)の意味

loaf

名詞では、上面が丸みを帯びている長方形のような形の食べ物のかたまりを意味します。焼いてから切っていない状態の山型のパンをイメージしてください。

例文

I bought one loaf of white bread and two loaves of whole wheat bread.

私は精白パン1斤と全粒小麦粉のパン2斤を買った。

これはパンだけではなく日本でもよく知られている「ミートローフ」などのローフでもあります。

例文

We made a meat loaf for dinner.

私たちは夕食にミートローフを作った。

朝食に食パンは少し変

少し問題があるのは日本人はよく「今朝はなにを食べた?」と質問されると「食パン食べたよ」のように上に紹介した例文のような回答をすることです。

意味としてはおかしくありませんがスティーブは日本に来たころ「え? 食パン1枚ってダイエットでもしてるの? なんでそれだけなの?」と、不思議に思ったそうです。

原因としては日本とアメリカ、カナダをはじめとする西洋諸国との「朝食」が前提とするイメージの違いや、そもそもの食べる量の差が原因だろうという意見です。

日本に長くいる外国人は普通に思うかもしれませんが「食パン1枚食べた」の朝食は、ダイエットや貧乏など何か事情がないと不思議に思われる要素が少なからずあるそうです。

例文

I had bread with butter and a coffee for breakfast.

食パンにバターをぬってコーヒーを飲んで朝食にした。

このように言えば少しはイメージがわき、まだましかもしれませんが、わざわざこんな村上春樹みたいな言い回しが日常会話で必要なのか? という疑問があります。

breadは基本的には食パンですが、レストランなどで提供されるシーンでは、おそらくフランスパンを指す印象が強くなるそうです。このあたりは状況によります。

例文

The restaurant gives free bread with the pasta.

そのレストランはパスタに無料でパンをつけてくれる。

ちょっといいお店ではパンがついてきますが、その場合は日本と同じように食パンではなくフランスパンが一般的だという話です。

海外でも日本のパンは人気

外国人にも日本のパンは好評なようで、YouTubeなどで日本のベーカリーやパンをレポートしている方も多いです。

カナダ人で日本に在住のユーチューバーSharlaさんの動画では、食パンをそのまま食べています。さすがにこれはないと思ったんですが、美味しいみたいです…。

break bread

「break bread」は聖書にあるパンをちぎって配ったことに由来する表現で、食事を楽しく共にすることを意味します。

ただし、これを日常会話で使うには古臭い時代遅れな表現であって、使ったとしてもジョーク交じりのニュアンスになるそうです。

例文

The new neighbors invited us to break bread with them.

新しい近所の人が私達を食事に誘ってくれた。

例文

During celebrations enemies have an opportunity to break bread and work out their differences.

お祝いの間、敵対者と食事をする機会があり、意見の食い違いを失くした。

bun(バン)の意味

bun

食パン以外の日本でいうパンは英語では「bun」にあたるだろうという見解です。丸い小さなパンで、ロールパンのようなものからハンバーガー用のものなどがあります。

スティーブはもし日本の「メロンパン」を英語にする必要があるならばおそらくは「Melon bun」にすると思うといっています。

発音は【bʌ́n】です。これは「禁止する」を意味する「ban」と少し似ているので比較用に両方の発音を貼ります。

bun【bʌ́n】丸いパン
ban【bǽn】禁止する

例文

We didn’t have any buns so we used bread for the hamburgers.

バンズがなかったので、食パンをハンバーガーに使った。

上の例文ではハンバーガーを作りたかったけど、食パンを代用にしたのでサンドイッチみたいになったことを意味します。

ハンバーガーなどわかりやすいですが上下で挟むので「buns」と複数形で使われることが多いです。

言葉的にはbread(ブレッド)の方が大カテゴリーで、その中にbunがあると考えます。したがってすべてのパンをbreadといっても間違いではありません。そこから細分化するならば、もうホットドッグやチョココロネみたいな商品名になっていきます。

bun

『bun』での検索結果

ビッグマックのレシピ

マクドナルドのヒット商品「ビッグマック」はずっとレシピが変わっていませんが、CMの中で早口言葉風にレシピが歌われ若い世代は知りませんが30代以上なら広く知られています。

ビッグマックのレシピ

“Two all-beef patties, special sauce, lettuce, cheese, pickles, onions on a sesame seed bun”

2枚のビーフ100%のパティ、スペシャルソース、レタス、チーズ、ピクルス、オニオンがごま種のパンに♪

文法上は onions on a sesame seed bunの前に「and」を入れるのが正しいですが、CMのフレーズにはandが入っていないのでそのまま掲載しています。

全世界で9億個、アメリカだけで5億5000万個のビッグマックが販売されたと伝えられています。

フランチャイズ店舗のオーナーだったマイケル・ジム・デリガッティさんが1965年に開発に着手しソースの製作に2年ほどかかり1967年に発売されています。翌年には全米のマクドナルドで正式な商品として発売されました。

発売当時の値段は45セント、物価は違いますが日本円では約50円です。マイケル・ジム・デリガッティさんは2016年に98歳で亡くなっています。


dough(パン生地)の意味

dough

パンを作るのに使われる小麦粉と水のことで、「生地、練り粉」を表します。発音は【dóu】です。

dough【dóu】

例文

The bread is fluffier because they mixed mayonnaise in the dough.

そのパンは彼らが生地にマヨネーズを混ぜたので、よりフワッとしている。

例文

I love ice cream with cookie dough in it.

私は中にクッキー生地が入っているアイスクリームが大好きだ。

金、現金(スラング)

スラングで「金、現金」の意味にもなります。

例文

I wanted to buy a new drum set, but I didn’t have enough dough.

新しいドラムセットを買いたかったけど、十分な金がなかった。

例文

He told me to cough up the dough.

彼は私に金を渡せと言った。

pun(ダジャレ)

もしくはまったく話が変わってしまいますが「pun」で「ダジャレ、語呂合わせ」の意味があるので、カタカナで「パン」といえば発音が似ているダジャレに受け止められる可能性もあります。

pan【pǽn】フライパン
pun【pʌ́n】シャレ

ダジャレでもあり、もう少し広く言葉を使ったジョーク、遊びを「パン」と呼ぶことができます。

わかりやすいシャレの例としては以下のようなものをあげてくれました。

例文

She criticized my apartment, so I knocked her flat.

彼女は私のアパートを批判した。だから私は◯◯◯した

knock someone flat で相手をパンチで殴って地面にダウンさせることです。knockにはcriticize(批判する)の意味があります。

flatは同じくapartment(アパート)の意味があります。

◯◯◯は2つの解釈があり1つは「彼女を殴ってダウンさせた」、もう1つが「彼女のアパートを批判した」です。こういうのがパンです。

   


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