「起こる」のhappenとoccurの使い方の違い

「起こる」のhappenとoccurの使い方の違い
 

公開日: 最終更新日:2021.07.7

happenとoccurの違いについては基本的には何かが「起こる」の意味で使うならば置き換え可能な同じ意味の単語だと考えることができます。

2人のネイティブスピーカーに確認してみると2つの言葉にはニュアンスの差がみられるのは事実です。しかし、ニュアンスの差は感覚的な部分でなかなかロジックとして説明しにくいようです。

カナダ人のスティーブとオーストラリア人のカールを含めて2時間ぐらい話し合った結果を順番にまとめてみました。後半には類似表現、関連表現の「come about」「befall」「incur」などをまとめています。

occurとhappenの基本的な使い方

occurとhappenの基本的な使い方

occurは「起こる、発生する」を意味し、happenは「起こる、生じる」の意味なので、基本的には同じ意味で置き換え可能な言葉です。

ニュアンスの差としてoccurのほうがよりフォーマルで堅い響きを持った言葉であるため、日常会話ではhappenがよく使われます。

発音は【əkə́ːr】なのでアカー、オカーあたりの読み方になります。

occur【əkə́ːr】

細かく考える必要がない人はほぼ同じだと思って問題ないと思います。以下はネイティブスピーカーに作成してもらった英文ですが、どちらを使っても文章としては成立しています。

例文

Accidents like that don’t occur(=happen) very often.

あのような事故はめったに起こらない。

例文

Tornadoes frequently occur(=happen) in North America.

竜巻は北米ではよく起こる。

このように両方ともに成立する英文であるという前提ですが、細かなニュアンスやネイティブスピーカーの受け止め方には差が見られるのも事実です。

occurとhappenの違い

前提として2時間ぐらいネイティブスピーカー二人と突き詰めて話してもはっきり答えがでなかった差である点をご了承ください。

以下のような日常会話の場合には普通はhappenを使います。occurでも可能ですが不自然な文章だといえます。ではなぜ不自然か? についてははっきり説明できないぐらいに感覚的です。

例文

What’s happening tonight?

今夜は何があるかな?

例文

We don’t know what will happen.

何が起こるかわからない。

例文

What’s occurring tonight?

We don’t know what will occur.

(こういう言い方はしない)

1つの定義を当てはめて成立しても、主語を入れ替えるとまた違ったニュアンスになるといったケースが多いです。

以下は薬などの注意書きによく見られる「(この薬を飲むと)吐き気、嘔吐が起こるかもしれない」といった文章です。この場合はoccurを使います。

例文

Vomiting may occur.

嘔吐が起こるかもしれません。

例文

Vomiting may happen.

(この書き方は普通はない)

薬によって引き起こされて起こるといったニュアンスを伝えていますが、これを「Vomiting may happen.」を書くと薬とまったく関係なく「嘔吐が起こるかもしれない」というニュアンスで伝わる可能性があります。

しかし「Vomiting may happen.」と書くことも普通は使いませんが間違いだとは言い切れません。

オリンピックが開催される場合には多くはbe heldが使われますがhappenやoccurでも表現可能です。その場合には少しニュアンスが変わります。

例文

The Summer Olympics occur every four years.

(誰かによって予定されていたように感じる)

例文

The Summer Olympics happen every four years.

(自然発生的に起こるように感じる)

このように「occur」には「何かによって引き起こされた」といったニュアンスが含まれるケースがありますが、必ずしもそうとは限りません。

先に紹介した竜巻の例文をもう一度、取り上げてみます。

例文

Tornadoes frequently occur(=happen) in North America.

竜巻は北米ではよく起こる。

occurを使うと竜巻が誰かによって発生させられたかのような印象を与えるかといえばそうではありません。どちらも自然な文章だといえます。

特定の条件、状況、前提があるのかと思い「現象が偶然に起こるか、起こることが衆知の事実だったか?」「本人が起こると思っていたか、いなかったか」「起こった後に何があるか予想できるかどうか」「起こったこととの因果関係」などの観点から調べていましたが、どれも法則のような一定のルールが見当たりませんでした。

予想では「happen」「occur」ともに特定の単語や特定の文脈により、熟語とまではいかないまでも慣用的、習慣的に使われてきた組み合わせがあるのだと思います。そうなるとなかなか理屈で説明するのが難しいです。

自然な「happen」「occur」の使い方については多くの英文に触れることで様々なパターンを学習していくしかないのかなとも思います。どなたか明確に全部に当てはまるような法則があれば情報をください。

happen toの使い方

「happen」と「occur」に明確な違いが出るのは「happen to」「occur to」としてtoをともなって使うケースです。

happen toは「偶然~する、たまたま~する」で偶然に何かが起こる場合に使うことができます。

例文

I happened to meet your aunt yesterday.

昨日、たまたま君の叔母さんに会ったよ。

例文

If you happen to find my wallet, can you call me?

もし偶然にも私の財布を見つけたら、電話してくれないか。

これはby chanceでも似たような意味が表現できます。偶然に何かが起こる表現は以下の記事にまとまっています。

例文

I met your aunt by chance yesterday.

If you find my wallet by chance, can you call me?

~に対して起こる

ただしhappen toには「(人・地域など)に対して起こる」「~に起こる」の意味もあるのでご注意ください。

例文

Earthquakes happen to Japan all the time.

地震は日本に対してしょっちゅう起こっている。

例文

Robberies happen to my store often.

強盗事件がしばしばうちのお店に起こる。

例文

A robbery happened to me.

私は強盗にあった。

occur toの意味と使い方

一方のoccur toは「~の心に浮かぶ」の意味になり、アイデア、計画、答えなどが頭に思い浮かんだ際に使うことができます。

例文

It occurred to me that she was cold, so I gave her a sweater.

彼女が寒いと思ったので、彼女にセーターをあげた。

例文

The teacher asked the class a question but the answer occurred to no one.

先生はクラスに質問をしたが、答えはだれにも浮かばなかった。

以下はお金などに困っていた場合には強盗が思い浮かぶケースもあるかもしれません。

例文

A robbery occurred to me.

強盗が頭に思い浮かんだ。

このような使い分けが存在するので、この意味で使われている場合にはoccur toとhappen toを入れ替えてしまうと異なる文章になってしまいます。

incurの意味と使い方

incurは多くの場合、誰かの起こした行動によって発生する悪い物事に対して使います。日本語訳としては「招く、受ける、被る」などになります。

incur【inkə́ːr】

被害・損失・罰などを「受ける、被る」ことや、負債・借金などの被害を受けることなど、わりとネガティブなことに使われます。

例文

The losses incurred in the accident totaled 1 million dollars.

その事故で被った損失は総額100万ドルだった。

その事故のために会社が負った損失は100万ドルだったという意味ですが、事故の責任が会社にあるのか他の人にあるのかははっきりしていません。

例文

By coming home late, he incurred the anger of his wife.

遅くに帰ったことで妻の怒りを買った。

recurの意味と使い方

何度も起こること、再来・再発することです。酒を意味するリカーショップなどのliquorとは発音が似ていますがアクセントの位置が異なります。

recur【rikə́ːr】
liquor【líkər】

例文

If he doesn’t stop eating fast foods, his high blood pressure may recur.

もし彼がファーストフードを食べるのを止めないなら、また高血圧になるかもしれないよ。

recurringの形で形容詞として使われることの方が多いです。「繰り返し起きる、再発・頻発する」を意味します。たいていアイデアや夢、質問などとともに使われます。

例文

I have a recurring dream where I’m flying.

私は飛んでいる夢を繰り返し見る。

例文

There is the recurring question of how to stop climate change.

気候変動の止め方についての繰り返し起こる質問がある。

直訳しましたが、気候変動をいかに止めるかについては何度も何度も問われているという意味です。

例文

This chair isn’t good for my recurring backaches.

この椅子は私の頻発する背中の痛みには良くない。

befallの使い方

befallは意図したわけではなく偶然に起こることを表し「happen to」と同じ意味です。

ただしhappen toが良い出来事、悪い出来事のどちらにでも使えるのに対して、befallは悪い出来事にのみ使われる言葉で「降りかかる、襲いかかる」といった意味になります。

例文

A tragedy befell the entire family.

= A tragedy happened to the entire family.

悲劇が家族全員に襲いかかった。

例文

A slump befell the team’s star player.

= A slump happened to the team’s star player.

スランプがそのチームのスター選手に起こった。

直訳しましたが、チームのスター選手がスランプになったということです。

befallはとても古臭くフォーマルに聞こえる言葉ですが、時には便利に使える単語でもあります。

fallの持つイメージが「Darkness fell on the town.(暗闇が町に落ちた/町に夜の帳がおりた)」といった文で使われるようなネガティブなものなので、この単語を見るだけで起こっている出来事が悪いことだと伝えることができます。

そうした理由から良い出来事・悪い出来事の両方に使える「happen to」よりも便利な場合があるということです。また単純に「happen to」よりもスペルが短いという利点もあります。

come about

come aboutは「起こる、生じる」の意味です。happenと同じ意味です。

例文

How did this problem come about?

どうやってこの問題は起きた?

例文

The idea for the movie came about when the writer traveled to Europe.

その映画のアイデアは、作家がヨーロッパを旅行したときにできた。



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