headは「ヘッド・頭」のことですが、動詞で使うとプロジェクトや組織などを「率いる」といった意味になったり、場所などに対して「向かっている」といった使い方もできます。
名詞では頭以外にも、組織や団体のリーダー・長を指して使うことができます。人間の身体のパーツの中でも重要な部分なので、さまざまな表現に比喩としても使われます。
ここでは動詞、名詞、熟語などでのheadの使い方を可能な限りまとめてみました。さすがに全部ではありませんが少しずつ増やしていきます。
この記事の目次!
動詞のheadの使い方
動詞で使った場合にはまず、何かを経営・運営したり、組織・活動などを率いたりすることを意味します。
The boss chose me to head the next project.
ボスは次のプロジェクトを率いるために私を選んだ。
She heads several international charities.
彼女はいくつかの国際的なチャリティーを運営している。
spearhead
これは「spearhead」としてもプロジェクトや計画などを率いる「head」と同じような意味になります。より積極的な感じのする言葉で「先頭に付く、陣頭指揮をとる」です。もとは槍の先端の意味です。
The company asked me to spearhead the expansion into India.
その会社はインドへの事業拡大の陣頭指揮をとるように私に頼んだ。
She is credited with spearheading the women’s rights movement.
彼女は女性の権利運動の陣頭指揮の功績があると認められている。
Angela Merkel spearheaded the movement for immigration reform in the EU.
アンゲラ・メルケルはEUの移民改革のための運動を陣頭指揮した。
向かう、進む、行く
headは動詞ではある方向へ行くことで「向かう、進む」といった意味にもなります。個人的な体験ですがネイティブスピーカーはよくこの表現するなって感じはあります。
The hurricane is heading north.
ハリケーンは北へ向かっている。
I headed to another restaurant because my favorite one was closed.
私は大好きな店が閉まっていたので別のレストランに向かった。
よく比喩的にも使われます。
The economy was heading for collapse.
経済は崩壊に向かっていた。
アメリカ英語では「headed」を「heading」の代わりに使うことがあります。
I’m heading to the beach. (それ以外)
I’m headed to the beach. (アメリカ)
私はビーチに向かっている。
もちろん個人差はありますが北米のカナダでさえ「heading」を使うそうなのでアメリカっぽい表現だといえます。
ヘディングする
「ヘディングする」の意味もあります。頭をボールにぶつける行為で、たいていサッカーで使われます。
He headed the ball into the goal.
彼はゴールに向かってボールをヘディングした。
名詞でのheadの使い方
もちろん「頭」の意味もありますが集団などの「長、代表、ヘッド」の意味があります。
カタカナだと暴走族のようなものをイメージしてしまいがちですが、英語では企業によって「president」や「director」など役職名がバラバラなので、headを使えばすべてに共通して使えるので便利な言葉です。
I’m the head of R&D at a pharmaceutical company.
私は製薬会社の研究開発部門のトップです。
R&DはResearch and Developmentとしてよく登場する単語です。
She’s the head of sales at a leading electronics manufacturer.
彼女は業界最大手の電子機器製造会社の販売部門のトップです。
愛好家・熱心なファン
愛好家や熱心なファンを指して使うこともできます。ニュアンスとして「オタク」だと社会性が欠けるネガティブな感じも含まれてきますが、ファンとオタクの間ぐらいで社会性を保ちながらも人生の大半を注ぎ込むような情熱を持った感じの人です。
He is a big golf-head.
彼は熱心なゴルフ愛好家だ。
My brother is a metal-head.
うちの弟はメタルヘッドだ。
metal-head(ヘビメタ愛好家)だとはわりと知られる言葉です。
head of beer(ビールの泡)
head of beerとはビールの泡のことです。
Many Americans complain that Japanese beer has too much head.
多くのアメリカ人は日本のビールは泡が多すぎると不満をいっている。
アメリカ、カナダ、オーストラリアなどでは(経験的にイギリスもでしたが)ビールの泡ってそんなに必要とされていなくて、むしろ一般的には少ない方が良いとされています。
したがって日本式のビール8割、泡2割ぐらいで提供するスタイルが嫌がられる傾向があります。しかしヨーロッパでは泡付きが普通でドイツのビールの写真などを見ても泡付きで日本と変わりません。
フランスはどうなんだろうかと疑問に思いますが、どこかでビールの文化が分断されているんでしょうか。
butt headsとheadbutt
headbutt(ヘッドバット)はサッカーのヘディングとは違い「頭突き」のことで頭で相手を殴るような行為です。格闘技では反則になっていることが多いですがプロレスなどでは見られます。
これとは別に「butt heads」という熟語もあり、こちらは「衝突する、議論して対立する」といった意味です。
buttは頭で突くといった意味なので、headbutt(ヘッドバット)は文字通りの物理的な頭突きです。butt headsは頭突き、頭を突き合わせるように対立することなので比喩的な表現です。
したがって以下の例文は指している内容が違います。
He headbutted the bartender.
彼はバーテンダーにヘッドバットをした。
He butted heads with the bartender.
彼はバーテンダーと衝突/口論をした。
上段の例文は頭突きですが、下段は口論・衝突です。
Japan and China are butting heads over the Senkaku Islands.
日本と中国は尖閣諸島を巡って言い争っている。
国と国との場合などは明確に頭突き(headbutt)には置き換えることができません。
head-onの意味と使い方
「真っ正面の、正面からの、正面から」という意味です。品詞は形容詞と副詞です。
His car was badly damaged in a head-on collision with another car.
彼の車は他の車との正面衝突でひどいダメージを受けた。
She rode her bike head-on into a tree.
彼女は正面から木に自転車で突っ込んだ。
また物事に対して「対決する、面と向かう」といった逃げない姿勢を表すこともできます。
She is a determined worker who faces her problems head-on.
彼女は問題と正面から向き合う覚悟がある労働者だ。
We need to tackle this problem head-on to end it quickly.
私たちははやく終わらせるために、この問題に真正面から取り組む必要がある。
似た意味では「head-to-head」があり「直接対決、1対1の」といった意味で競争に使われます。
heads or tails
「heads or tails」は直訳すると「頭か尻尾か」ですが、これはコインの裏表を指して使われます。アメリカやイギリスの硬貨には人物が描かれているからだとされています。
If it lands on heads, I win.
コインで表がでたら、私の勝ち。
turn heads
これは文字通り人々の頭が振り向くことで、転じて「(人が振り向くような)注目を集める」となります。
Her gorgeous dress turned heads during the party.
彼女のゴージャスなドレスがパーティーで注目を集めた。
He turns heads by singing in Spanish on the train.
彼は電車の中でスペイン語で歌って注目を集めた。
頭をターンさせるのは主語の人ではなく、それを見ている人々の頭なので「heads」と複数形になっている点には注意が必要です。