英単語としてのhack(ハック)の正しい使い方

ハック

様々な意味を持つ単語ですが、いくつか最近の使われ方も含めて例文を交えながら意味を整理してみます。

最近はカタカナでもハックがよく聞かれるようになりましたが、古くからある言葉で特にコンピュター用語でもありません。

hack(名詞)

ハック

技術関係、コンピュター用語として使われることが多いですが、意味としては「完璧ではないけど、アイデアなどを駆使してかろうじてうまく行っていること。それでいて、それなりに効果的な解決方法」といったことを指します。

The FBI found a hack to open the iPhone but it may not work on all models.
(FBIはiPhoneを開けるハックを見つけたが、しかし、すべての機種でうまくはいかないだろう)

最近はコンピューター・技術関連以外でも、例えば「lifehack(ライフハック)」のような形でも使われます。

これもプロの技術や商品になるような完璧なものではないけど、生活の知恵として有効なアイデアや手法を指します。

Using a plastic bottle to pick up an egg yolk is a great lifehack.
(ペットボトルを使ってたまごの黄身を拾うのはすばらしいライフハックだ)

hack(動詞)

動詞で使われる場合は、だいたいコンピューター関連で「パソコンのセキュリティーを突破して侵入する」といった意味で使われます。

これも正規の手段ではなく、常に有効であるとは限らない不安定な方法です。

Some people think North Korea hacked into the Sony computer system.
(何人かの人々は北朝鮮がソニーのシステムに侵入したと考えている)

hack(本来の意味)

ハック(切る)

元々は「乱暴にぶった切る、~をたたき切る、刈り込む、切り開く、切り刻む」といった意味の言葉です。この場合は特にアイデアを駆使しているわけではなく、荒っぽく叩き割っています。

He hacked at the tree with his ax wildly.
(彼は斧で荒々しく木をぶった切った)

I tried hacking at the coconuts with my machete.
(私はナタでココナッツを叩き切ろうと試みた)

その他のhack

他にもいくつか別の意味で使われることもあるのでご紹介します。

Hack-and-slash video games

90年代に流行ったゲームの種類で、横スクロールで相手を剣などでぶった切るゲームを指します。代表的なものはSEGAの名作『ゴールデン・アックス』などです。

そこから派生して『真・三國無双』など、敵を剣でぶった切るようなゲームも指すようになっています。素手で殴るようなゲームはhack(ぶった切る)していないので少しニュアンスが違います。

hack(プロらしくない芸人)

態度などを含めてプロらしくないコメディアンを指すケースがあります。

Everyone calls Jimmy a hack who steals his jokes from the internet.
(ネットからジョークをパクるジミーをみんながハックと呼ぶ)

hack it

hack itの形で「やり通す、貫く、うまくやっていく」の意味があります。しかし、ネガティブな文脈で使われることが多いので注意が必要です。

If you can’t hack it at this company, you should quit.
(もしこの会社でうまくやっていけないなら、やめるべきだ)

I’m afraid I won’t be able to hack it in the major leagues.
(メジャーリーグでうまくやっていけなさそうで不安なんだ)

You can do it(お前ならできるよ!)といった前向きな意味ではなく、このように否定的な意味で使われることが多い言葉です。

crack(クラック)

よく「ハック」と「クラック」は混同されることがあるのであわせて記載しておきます。

Crackは何かを開けたり、解決すること全般に使われます。特にコンピューター限定の用語ではありません。悪い意味で使われる場合には「~を破る」といった訳があてられます。

I can’t crack this code.
(この暗号を解読できない)

The thieves tried to crack the safe.
(泥棒達は金庫を破ろうと試みた)

He tried to crack her defensive personality.
(彼は彼女の受け身の性格を開こうと試みた)

パソコン関係の用語で「ハッカー」と「クラッカー」は一緒にされますが、一般的には「クラッカー」は相手のパソコンのセキュリティを突破して、破壊行為を行い楽しむ愉快犯を指します。相手の困っている様子を見て楽しむようなタイプです。

一方でハッカーは定義はさまざまですが、元々はコンピューター関連の高い知識を持つ技術の高い人の総称です。メディアなどで悪意のあるクラッカーと混同されたりした結果、あまり良いイメージの言葉ともいえなくなってしまった感じはあります。

   


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