ニュースでは何度か「太っている」ことをテーマに扱った話題を配信しました。統計的な肥満率の話から、太ったアイドルグループ、意識の高いデブの話まで文章のトーンとしてはさまざまです。
その中で太っていることに関する英語表現も多く登場しているのでまとめています。日本語と同じ感覚で、相手に伝える場合、特に女性に伝えるには非常にデリケートな話題なので、そのあたりの空気を読んだ感じの英語もまとめておきます。
この記事の目次!
一般的な「fat」
一般的に太っているといえば「fat」が真っ先に思い浮かぶかもしれません。相手に直接いえば失礼な特に配慮されていない言い回しになりますがさまざまな場面で使うことができます。
He is fat.
He got fat.
He became fat.
「太った」のように変化を表すならば「get / become」なども使うことができます。
fatには栄養学などで用いられる「脂肪」の意味もあるので「low fat(低脂肪)」と書かれていたら少し意味合いが異なります。
ニュースではfattyも使われました。これは日本語でいう「デブ・でぶ(の人)」に近いニュアンスです。文脈、人間関係にもよりますが、怒る相手もいれば笑ってすます相手もいるでしょう。
I’m a fatty.
俺ってデブなんだよ。
有名人などの太った写真をネットでさらしあげる「fat-shaming」といった行為もたまに見られます。
blob / fat-ass
スラングとしてblobやfat-assなどもありますが、これらは完全に相手を罵っているような言葉になります。言えば確実に怒るでしょう。
上に紹介したように自らがfatやfattyと名乗ることはあっても、自らをfat-assやblobと自称することはまずありません。
罵倒しながら「このデブ野郎!」というのと似たような感覚になってしまう言葉なので気をつけてください。
obesity(名詞)とobese(形容詞)
これらは肥満であることを表すフォーマルな表現です。統計の資料などではobesity rate(肥満率)といった用語が登場します。
Obesity is a growing problem in developed countries.
肥満が発展途上国で高まる問題になっている。
Obesity often leads to other health problems like diabetes.
肥満はしばしば糖尿病のような他の健康問題につながっている。
There is an obesity epidemic in the USA.
アメリカでは肥満がまん延している。
形容詞のobese(肥満の、肥満な)はfatよりフォーマルな表現です。「デブ、太っている」と「肥満」の差と似ていますが、表している意味としては同じですね。
Your dog is obese.
Your dog is fat.
He is obese.
He is fat.
失礼のないように太っていることを伝える表現
カナダ人のスティーブに言わせるとそんなオールマイティな表現はないので、どう伝えても多少なりとも失礼になる可能性はあります…。
比較的、失礼の度合いが薄まるという意味で、わりと堅めの表現では以下のような表現があります。
◯ He is overweight.
◎ He isn’t very thin.
◎ He has weight issues.
日本語の感覚に近いですが「彼は重量超過だ」「彼はあまり痩せていない」「体重の問題がある」などが失礼かどうかは、かなり微妙な問題です。
いろいろ無理があるような感じが英語であっても伝わってきます。
男性相手:カジュアル
He is chunky.
He is portly.
He is husky.
There is a lot of him to love.
もう少しカジュアルな表現もありますが、それでも失礼になる可能性があります。fatよりはマシな程度ぐらいで考えてもいいと思います。
最後の表現はサイズが大きいことは「たくさんの愛すべきところがある」みたいな婉曲表現で女性にも使えます。
日本語の「恰幅(かっぷく)が良い」も物は言いようだなってときもありますね。
女性相手:カジュアル
chubbyは良く赤ちゃんや子供に対して使い、可愛気があるというニュアンスを含むのでoverweightよりまだましですが、人によっては不愉快になる人もいます。
面と向かって男性から女性にいえば、やっぱり人間関係にもよりますが不快感を伴う可能性はあります。
“ふくよか”と丁寧に言うのであれば、セクシーさを含んだ「curvier(curvyの比較級) 」や女性的な魅力を表す「full-figured」という言葉が良いかもしれません。
グーグル画像検索へのリンクを貼っておきますので、おおよそのイメージとして参考にしてください。full-figuredなど肉付きがいい感じのまだわりとポジティブな写真が多いです。
男性体型をあらわす表現
「ビール腹、太鼓腹」みたいな表現は日本語にもありますが、特定の体型をあらわす英語表現もあるのでご紹介します。悪いことばかりではなく、良い表現もあります。
ダイエットがんばりましょう!
pot belly
いわゆる太鼓腹のことで、お腹だけ出てしまった状態です。
spare tire
お腹まわりが横に太っているような状態ですね。あたかもスペアのタイヤをお腹に抱えているかのようにグルっと一周太い状態です。
beer gut
日本語でいうまさに「ビール腹」の状態です。
dad bod
直訳すると「お父さんの身体」です。太っているよりも、全体的に筋肉がなくだらしない、たるんだ身体を表しています。
six-pack
これは有名だと思いますが腹部が6つに割れている状態です。
washboard abs
直訳すると「洗濯板の腹筋」です。最近はあまり見かけませんがギザギザの洗濯板のような屈強な腹部を指します。
ハリウッドのセレブ、特に女優がよくパパラッチなどに太った写真を撮影され公の場に公開されるような嫌がらせとして「fat-shaming」といった行為があります。
肥満といえばアメリカのファーストフードなどの問題がたびたび話題になります。アメリカの肥満問題については現地からの感想も含めてこちらの記事にまとめているのであわせて御覧ください。
a lot to look at
熟語というほどではありませんが、これは太っている人を言い表すときに使われる表現です。fatのような直接の表現ではありませんが、相手に直接言うのは失礼にあたる可能性が高いです。
She is a lot to look at.
= She is fat.
彼女は太っている。
直接の訳をとると「見るところが多い、見るところが大きい」みたいな意味で、いっぱい見るべき部分がある、つまり太っているという意味です。
a lot(of)はmanyと同じ意味だと習いますが、それはあっています。
There is a lot to look at in Disney World.
= There are many things to look at.
ディズニーワールドには見るところが多い。
しかし、数の多さよりも量の多さに対しても使えます。
There is a lot of space in this room.
この部屋には大きなスペースがある。
A lot of the wall is covered in posters.
壁の大部分はポスターで覆われている。