crowdが「群衆・人込み」の意味で、クラウドファンディングやクラウドソーシングのような言葉に使われています。一方のcloudは空に浮かぶ「雲」の意味であり、こちらもiCouldなどの名称や「DropBox」のようなサービスの説明に使われています。
カタカナにするとどちらも「クラウド」になり、両方とも最近になってカタカナでよく聞かれるようになったので非常に混同しやすい言葉です。
このページは「crowd」と「cloud」を分けて違いを整理しています。使い方は例文を参考にしてください。
この記事の目次!
crowdとcloudの意味と発音の違い
crowdが群衆、人々の集まりのことであり発音は【kráud】です。こちらはクラウドファンディング、クラウドソーシングのクラウドです。
もう1つが空に浮かぶ「雲」の意味でのcloudで発音は【kláud】です。こちらはicloud(アイクラウド)などのサービス名に使われています。
どちらもカタカナにしてしまうと同じ発音になってしまいますが、英語ではLとRの発音の違いになります。
crowd【kráud】群衆・人々
cloud【kláud】雲
crowd(群衆・人混み)の意味と使い方
「crowd」は名詞と動詞の両方で使うことができます。名詞では「群衆、人混み」といった意味になります。
加算名詞であり、1つの群衆といった数え方をするので「集団(group)」を大きくしたような概念です。
There was a crowd in front of the door.
ドアの前に群衆がいた。
She walked through the crowd.
彼女は人混みを抜けて歩いた。
A crowd waited outside Justin Beiber’s hotel.
ジャスティン・ビーバーのホテルの外で人々が待っていた。
The amusement park draws many crowds.
その遊園地は多くの群衆をひきつける。
Crowds were scattered around the marathon course.
マラソンコースに群衆が点在していた。
動詞ではたくさんの物事が一つの場所に入っていくことで「群がる、押し寄せる」です。
People crowded in front of the door.
人々がドアの前に群がっていた。
The pigs crowded into a corner.
豚が隅に押し寄せた。
crowded(混み合った)
形容詞はcrowdedで「混み合った、ぎっしり詰まった」となります。一つの場所にたくさんの物事がある状態です。
The train station was very crowded yesterday.
その電車の駅は昨日、とても混み合っていた。
The warehouse was crowded with boxes.
倉庫は箱でぎっしり詰まっていた。
crowdfunding(クラウドファンディング)
群衆(crowd)と資金調達(funding)の組み合わせでcrowdfundingです。具体的なサービス名をあげれば日本では『CAMPFIRE』『Makuake』など、アメリカでは『Kickstarter』『Indiegogo』などが有名です。
世界での市場規模は、世界銀行のレポートによると2025年までに960億ドル(約11兆円)に及ぶとのことです。
The $100 pledge put them over the edge of their crowdfunding goal.
100ドルの支援約束金のおかげで、彼らのクラウドファンディングの目標を超えられた。
The company put the idea on a crowdfunding website and waited to see if it gained traction with the users.
会社はクラウドファンディングのウェブサイトにアイデアを掲載し、ユーザーをひきつけるかどうかを見るために待った。
カタカナでは「crowdfunding(クラウドファンディング)」は名詞で使われていますが、英語では動詞「fund(資金を出す、資金を賄う)」にingがついた動名詞としての感覚がまずあります。
以下、ネイティブスピーカーの感覚としての話なので、参考程度にご紹介します。以下のようなcrowdfundingを目的語に直接とると違和感があるという意見でした。
▲ The company launched crowdfunding.
(間違いではないものの違和感がある表現)
「クラウドファンディングを立ち上げる」ではなく、英語では「クラウドファンディングの〇〇を立ち上げる」とするほうが自然です。
The company launched a crowdfunding campaign.
The company launched a crowdfunding project.
The company launched a crowdfunding effort.
(クラウドファンディングの〇〇を立ち上げる)
〇〇はキャンペーン、計画、努力・試みといった言葉などが候補です。
これは以下のような「cooking」と同じような感覚になるそうです。
▲ They launched cooking.
(この言い方は変です)
They launched a cooking contest.
彼らはクッキングコンテストを立ち上げた。
しかし、主語にある場合は問題はありません。
The crowdfunding failed.
The cooking failed.
(この言い方はOK)
crowdsourcing(クラウドソーシング)
crowdsourcing(クラウドソーシング)は不特定多数の群衆(crowd)から、仕入れる(source)といった意味合いの言葉です。
日本で具体的な名前をあげれば『ランサーズ』『クラウドワークス』などです。さまざまな仕事をサイトに掲載して、入札やコンペ形式で仕事を発注・受注できる仕組みです。
I used a crowdsourcing website to get a logo for our company.
会社のロゴを手に入れるためにクラウドソーシングのサイトを使った。
Crowdsourcing is one way to cut costs.
クラウドソーシングは経費削減の方法の1つだ。
crowdsurfing(クラウドサーフィン)
crowdsurfing(クラウドサーフィン)はロック、パンク系のバンドが客席にやるダイブのことです、群衆・人々を波に見立てた行為です。
The lead singer is famous for crowdsurfing during shows.
そのメインボーカルはショーの間のクラウドサーフィンで知られている。
They usually crowdsurfed at alternative rock concerts.
彼らはたいてい、オルタナロックのコンサートでクラウドサーフィンをしていた。
cloud(雲)の意味と使い方
cloudは名詞では空に浮かんでいる「雲」のことです。
There were many clouds in the sky.
空にいっぱい雲があった。
Goku rode on a magic cloud.
ゴクウは筋斗雲にのった。
北斗の拳の「雲のジュウザ」は「Juza of the Clouds」と訳されていました。
動詞では「曇らせる、濁らせる」といった意味になります。これはものごとをはっきりと見えなくさせるような意味です。
The alcohol clouded his judgment.
アルコールが彼の判断を曇らせた。
The oil from the boat clouded the water.
ボートからのオイルが水を濁らせた。
クラウドサービス
最近では「iCloud」「DropBox」、広い意味では「Gmail」のようなクラウドサービスを指して使われています。クラウドコンピューティングといった表現もされます。
I keep my photos in the cloud.
私は写真をクラウドに保存している。
昔は個々のPCや端末に写真などを保存するのが主流で、それだとパソコンが壊れると写真も消えてしまいます。また自分のパソコンからしか写真を見れません。
そこでネットワーク上に存在する、雲のような浮いた場所(クラウド)に保存するようになっていきます。地上に何かあってもデータは守られます。
諸説ありますが、ネットワーク上にあることが雲のように浮いているから、あるいはエンジニアが仕組みを説明する時に雲の絵を描いたからといった説がありました。
クラウド〇〇
そこからさらに派生して、ちょっとした流行の言い方として「クラウド〇〇(Cloud 〇〇)」といった言い方がいろいろと増えています。
意味合いとしては自分で固定して所有せずに、どこにでもあって自由に使えるもの、みたいな感じです。そのかわり、複数の人で使うような性質のものです。
Cloud office(クラウドオフィス)、Cloud kitchen(クラウドキッチン)などがありました。
ひと昔前は「シェア〇〇」と呼ばれていて性質としては同じだと思いますが、クラウド〇〇にするとちょっとおしゃれなスタートアップ感が出ます。