component(コンポーネント)とpart、parts(パーツ)はともに「部品」を意味する言葉ですが、component(コンポーネント)はそれ単独で成立するような構成要素を指しています。
パーツは広くあらゆるものを指せるのでパーツのほうが意味が広くなります。日常会話レベルではパーツが主に使われ、それで十分ではないかと思います。
componentはソフトウェア、プログラムの専門用語でもありますが、ここでは英単語としての意味をメインに解説しています。
componentの意味は?
componentはカタカナではコンポーネントと書かれますが、英語での発音は【kəmpóunənt】です。読み方は以下の音声を参考にしてください。
component【kəmpóunənt】
まず大前提として「パーツ」と「コンポーネント」の境界線は曖昧で人によって同じものでも解釈が変わる可能性があります。
大きな考え方として「パーツ」はすべての部品を指すことができます。その中に「コンポーネント」というカテゴリーがあると考えていいと思います。
componentの概念に用いられる言葉が「self-contained(自己充足型の、自己完結型の)」で、部品の中でもそれ単体で成立するものを指して使われます。
どちらを使っても問題ないケースもあります。
A monitor is a part of a computer that displays the images.
モニターは画像を表示するコンピュータのパーツです。
A monitor is a component of a computer that displays the images.
モニターは画像を表示するコンピュータのコンポーネントです。
モニター・ディスプレイは、それ単体で機能するものなのでコンポーネントと呼んでも問題ありません。パソコンパーツでいえば、マウスや外付けのスピーカーなどもコンポーネントでありパーツです。
それを切り離しても十分に機能、存在として「マウス」「外付けスピーカー」は成立しています。
The mouse is one of the most important parts of a computer.
= The mouse is one of the most important components of a computer.
マウスは最も重要なコンピューターのパーツ/コンポーネントの1つだ。
これは日本語で大雑把に考えるならばparts(部品)とcomponent(構成要素)と考えても近いかもしれません。いってることはほぼ同じです。
置き換えられないケース
逆に置き換えられないケースは、それ単体で成立しにくいものです。
The handle is the part of the cup that you hold.
ハンドル(取っ手)とは、コップにある手に持つパーツです。
The handle is the component of the cup that you hold.
(あまり言わない)
マグカップの取っ手部分などをイメージしてもらえるとわかりますが、あれは取っ手の部分を仮に切り離したとして、その取っ手が単独で製品、物として機能するかといえば、しないと考えるのが妥当です。
マグカップの取っ手部分を切断して他のマグカップにくっつけてみよう!とかはありえないし、お店に「マグカップの取っ手部分のみ」を買いに行くことはありません。
こういったものはマグカップのパーツであるといえるけれども、普通はコンポーネントとはいいません。
しかし、同じhandleでもドアノブ、ドアの取っ手部分ならばコンポーネントだと考えることができます。ドアの取っ手部分を取り外して他のドアにつけたり、ホームセンターにドアノブだけ買いに行くこともあると思います。
ドアノブはドア全体を構成するコンポーネントでありパーツであると考えることができます。
これらの境界線は非常に主観的で人によってはコンポーネントと呼ぶ呼ばないの判断がわかれます。
パソコンのモニターの足、土台の部分などは、パーツのようでコンポーネントのようで判断がつきません。このモニターの足を他のモニターにつけてみよう!は可能だとは思いますが、型番やメーカーによって合わなかったりするので独立して存在しているとも言い難いです。
このあたり非常に曖昧なものだといえます。
コンピューター用語のコンポーネント
コンポーネントはコンピューター用語としても登場してまれに画面に「コンポーネントを修復してください」「コンポーネントをロードしています」といったメッセージを見かけるかもしれません。
IT用語としての明確な定義はわかりませんが考え方としては同じで「それ自身が特定の機能をもっているプログラム、ソフトウェア」に近いものです。
あるソフトに「コンポーネントA」が使われており、この「コンポーネントA」は別のソフトでも使っていますという考えです。
似た意味では「モジュール」「ライブラリ」などがありますが、このあたりは当サイトの専門外なので正確な定義は他のサイトをご覧ください。
ハードウェアのコンポーネントはまだわかりやすく一般人も身近に触れる機会がありますが、ソフトウェアのコンポーネントは専門領域だといえます。
どこに視点を置くか?
以下はネイティブスピーカーにとってのニュアンスの差レベルなので参考程度に考えてください。
考え方としてパーツは全体の一部分であり、主役は全体でそれを支えているのがパーツだと考えることができます。
一方のコンポーネントはそれ単独でも主役になることができ、それが全体の一部を構成していると考えることができます。
The first session is an important component of the study program.
最初のセッションはその研究プログラムの重要な構成要素です。
The first session is an important part of the study program.
最初のセッションはその研究プログラムの重要な部分です。
上の場合はどちらも似たような意味ですが少しだけニュアンスが変わります。
partは全体の一部であるため主役はあくまで全体であり、ここでは「研究プログラム全体」がまずあってその中で重要な部分だといっています。
componentはそれ単独で成立するためまず「component(構成要素)」があり、それが全体の中で重要な部分であるといっています。
ほぼ同じ内容ですが焦点があたっている箇所が少し違います。
We need to upgrade some components in the computer.
私たちはコンピュータのいくつかの部品/コンポーネントをアップグレードする必要がある。
We need to upgrade some parts in the computer.
私たちはコンピュータのいくつかの部品をアップグレードする必要がある。
この場合は日常会話では「パーツ」を使うことが圧倒的に多いと思います。
ネイティブスピーカーの感覚としてpartsを使うとコンピューター全体に焦点があたっており「速くするにはパーツ変えたほうがいいね」といった漠然とした感じで受け止められます。まずはコンピューター全体ありきの話です。
componentを使うとより具体的にまずはある部分の構成要素を変えたほうがいい、そうしたら速くなるよといった感じでコンピューター全体は二の次、結果としてそうなるだろうねといった感じになります。