cap(キャップ)といえば「帽子」や「蓋」の意味もありますが、ビジネス用語としては「上限」や「上限を設ける」といった使い方のほうが目にする機会が多いかもしれません。
他にも「最後を締めくくる、何かを終える」といった動詞での使い方や、仕事が終わった後や寝る前の一杯といった変わった使い方も存在しています。
ここではcap(キャップ)の使い方を一通り例文にまとめてみました。
この記事の目次!
帽子・蓋(名詞)
カタカナでも「キャップ」と言われますが、名詞で何かの頂上を覆う蓋のようなものを指します。ペンのキャップだったり何かのボトルのキャップだったりと日本語と同じ意味です。
I lost my pen cap.
ペンのキャップをなくした。
He was wearing a red baseball cap.
彼は赤い野球帽をかぶっていた。
帽子はhatとcapがあります。ハットはシルクハットのようなゆったりしたもの、キャップはベースボールキャップに代表されるタイトなものを指して一般的に使われます。
knit cap(ニット帽)やswim cap(水泳帽)を思い浮かべてみるとわかりますが、つばのあるなしは定義にはあまり関係ありません。
ネイティブスピーカーに確認してみると「hat」のほうが大カテゴリーで、その中に「cap」があると感じるそうです。baseball cap以外にもmilitary capなどさまざまなキャップがあります。
feather in the cap(羽のついた帽子)という表現があり、これは立派な帽子が羽がついてさらに立派に見えるといった意味で、功績のある人がさらに「(追加の)手柄、立派な業績」などの功績を得る場合などに使われます。
蓋をかぶせる、帽子をかぶせる(動詞)
何かの上にキャップを置くことで、動詞でもそのまま「蓋をかぶせる、帽子をかぶせる、頂上を覆う」を意味します。
I capped my pen and put it in my pocket.
ペンにキャップをかぶせ、ポケットに入れた。
上限(名詞)
capには蓋をかぶせることから「上限」の意味もあります。ビジネス用語としては、こちらの意味で登場することが多いかもしれません。
Many professional sports leagues have salary caps.
多くのプロスポーツリーグには給料の上限がある。
The governments agreed to put a cap on carbon emissions.
政府は炭素排出量の上限を定めることに合意した。
上限を定める(動詞)
「上限を定める」ことも同じように動詞で使えます。
The governments agreed to cap carbon emissions.
政府は炭素排出量の上限を定めることに合意した。
The number of items you can buy is capped at ten.
あなたが購入できる商品の数は10個に上限が設定されています。
limitとcapの違い
言葉の意味がほぼ同じであるため、文章の全体としては置き換えられるはずですが、置き換えると変に感じるケースがあります。
例えば道路などのスピードに関してはlimit(リミット)を使うのが一般的であり、capを使うケースはほぼありません。
The speed limit here is 55 km/h.
ここでのスピードは時速55キロに制限されている。
The speed cap here is 55 km/h.
This road is capped at 55 km/h.
This road is limited to 55 km/h.
何を主語にするのかといった問題はありますが、capを使うのは意味としては通っており問題ありませんが、かなりレアな表現になります。
スピードではlimitが一般的ですが、二酸化炭素の排出だとcap / limitの両方が考えられるので、何を制限するのかとのcollocation(コロケーション)・言葉の相性の問題だといえます。
~を仕上げる、最後を締めくくる
capもしくはcap offでふさわしい何かとともに何かを終えることを表し、「〜を仕上げる、最後を締めくくる」のような意味にもなります。
He capped his best season ever by winning an MVP award.
彼はMVPを勝ち取ったことで今まででもっとも良いシーズンの最後を締めくくった。
She capped off her presentation with a witty joke about real-estate.
彼女はプレゼンを不動産業についての軽妙な冗談で締めくくった。
handicap(ハンディキャップ)の語源について
スポーツなどの競技で強さのバランスをとるために制限をかけるようなことを指して使われます。
これの語源については諸説あるようですが、古いイギリスの「hand in cap」と呼ばれる交換ゲームに由来するそうです。
このゲームの詳細については英語で説明されていますが、ネイティブスピーカーのスティーブが読んでもいまいちどんなゲームかはっきりしない複雑なものです。
2人のプレイヤーと審判がいて、帽子の中にお金(あるいは品物)を入れる。それに対してバランスがとれている、とれていないといった駆け引きを行うゲームらしいです。
このゲーム由来でバランスをとるような行為に対してhandicapといった言葉が使われるようになりました。ゲームの詳細については不明です。
某ブログに「handicap(ハンディキャップ)はゴルフに由来する」と書かれていましたが、その記述が英語圏の資料になかったので何を元にそう書いたのかはわかりません。
nightcap(ナイトキャップ)
nightcapは寝ている間に着用するもの、名詞で「ナイトキャップ」を意味します。ナイトキャップはずっと昔には使っていた人も多かったと思いますが今では使っている人はいなさそうです。
He awoke so quickly his nightcap fell off.
彼はとても急いで起きたのでナイトキャップが落ちた。
帰る前や寝る前の飲み物
辞書では「寝酒、寝る前に飲む酒」といった意味が掲載されていますが、必ずしも寝る直前に飲むというわけではありません。
例えば仕事などが終わって家に帰る前や家で就寝する前に最後に飲む飲み物を指します。これはアルコールである場合が多いです。
Would you like to get a nightcap before going home?
家に帰る前に飲みにいくかい?
キャプテン
他にもcapが何かの言葉の省略として登場することもあるかもしれません。航空もののドラマなどでキャプテン・機長を「キャップ」と呼んだりするのは英語でも可能です。
Hey cap!
= Hey captain!
書き言葉になると省略のピリオドを打って「Capt.」とするケースが多いです。