偶然に何かを見つけたり、道端でばったり出くわしたりさまざまな「偶然」が存在していますが、これを英語で表現すると日本語よりも選択肢が多いのではないかと感じます。
by accident / by chanceを使った代表的な言い回しや表現をご紹介するので言葉を置き換えて、お探しの表現とマッチングさせてください。
このページでは「偶然に〇〇する」「人と偶然に出会った」と「モノをたまたま見つけた」の3パターンぐらいに分類しています。
この記事の目次!
by accident / by chanceの使い方
文章の最後などにby accidentやby chanceをつけることで「偶然に~する」「たまたま~する」といった意味を作ることができます。
カタカナの「アクシデント」は事故のようなものを連想させますが英語の「by accident」は特に悪い意味での偶然が含まれているわけではありません。悪い意味での偶然(不運)に対しても使われますが、必ずしもそうではありません。
細かいニュアンスの差を無視すれば「たまたま知人と会った」「偶然に面白い映画を見つけた」「たまたま、そこにいた」などあらゆる文章、動作と組み合わせることができるので便利だといえます。
I met her by accident(= by chance).
偶然、彼女と会った。
I met your aunt by chance(by accident) yesterday.
昨日、たまたま君の叔母さんに会ったよ。
She became a superstar by chance.
=She became a superstar by accident.
彼女は偶然にもスーパースターになった。
本当に偶然であることを強調するにはpurelyも使えます。
I met her purely by accident(=by chance).
本当に偶然、彼女と会った。<
突き詰めるとby accident / by chanceには微妙な差があるので置き換えすると意味が変になるケースも存在しています。これについては『by accident / by chance / accidentally / happen toの意味の違い』の記事で詳しく説明しています。
あまり関係ありませんが以下のようにaccidentにtheが付く「by the accident」だとまったく違う意味になります。
I met her by the accident.
事故のそばで彼女に会った。
accident(アクシデント)は名詞で単独で使えば自動車事故のようなものを表すことができます。この場合のアクシデントは自動車などの事故であり、byが「~のそばで」の意味になるので「事故の近くで彼女に会った」となってしまいます。
事故としてのアクシデントについては以下の記事をご覧ください。
happen to
happen toも「たまたま~をする、偶然に~をする」の意味になります。toの後ろに動詞を置くことで様々な行為を偶然にしたことを意味できます。
I happened to find a good restaurant.
偶然に良いレストランを見つけた。
If you happen to find my wallet, can you call me?
もし偶然にも私の財布を見つけたら、電話してくれないか。
just happen to beで「たまたまそこにいただけ」といった意味になります。
以下は人気歌手ジャスティン・ビーバーがコンサートで会場に投げたシューズ(アディダス・イージー)を手にした女の子が、ヤフオクのようなものに売りに出してファンから批判をかったニュースからです。
彼女自身はジャスティン・ビーバーの熱心なファンではなくたまたま一緒に行った彼氏がキャッチしたのをもらっただけだそうです。
Her tall boyfriend just happened to be in the path of Bieber’s Yeezy brand shoe.
彼女の背の高い彼氏が(ビーバーが観衆に向かって投げ捨てたイージーの)ただ靴の進路に居合わせただけだった。
ただしhappen toには「~に対して起こる、~に発生する」の意味もあるので注意が必要です。
Earthquakes happen to Japan all the time.
地震は日本に対してしょっちゅう起こっている。
chance to
chance to で「偶然に~する」「たまたま~する」と習い、辞書にもそう掲載されているのですが、この使い方は古臭くてネイティブスピーカーは使わないそうです。
普通に使うものだと思っていたのと、日本人には理解しやすい表現だったので、使わないと知ってちょっとショックです。
I chanced to find a good restaurant.
(このような表現はしないそうです)
モノを偶然・たまたま見つける
「モノをたまたま見つける」と少し状況が限定されますが、このような会話は日常でも多いと思います。
「stumble across」や「come across」を使うのが代表的です。stumbleは「よろめく、つまずく」といった意味です。
「よろめく」の意味で日常会話で登場する可能性もありますが、stumble acrossで「偶然に出くわす、偶然に見つける」といった意味で使われます。
acrossをonやuponに変えても同じ意味になります。
I stumbled across(on / upon) a good restaurant.
偶然に良いレストランを見つけた。
以下はニュースで配信された『デスノート』の映画の紹介記事からです。デスノートのストーリーの根幹である「たまたま不思議なノートを見つける」という部分を説明しています。
Death Note follows a young man who stumbles on a supernatural notebook which kills anyone whose name is written in it.
『デスノート』は名前を書くと誰でも殺すことができる超自然的なノートを偶然に見つけた若い男(夜神月)を追いかける映画だ。
come acrossでも同じような意味になるので、これはacrossの使い方としてまとめています。
人にはあまり使わない
stumble across(on / upon)やcome acrossは基本的にはdiscover(発見する)の意味に近いので、顔見知りに街で偶然にあっても使いません。
絶対に人間に対して使わないのではなく、状況や文脈を作れば人に対して使えます。
I came across your brother.
(行方不明の弟などをたまたま発見した状況など)
I stumbled across a guy who could do the same magic trick as you.
お前と同じマジックのトリックをやる男を偶然に発見したよ。
上のようにdiscover(発見する・新しく発見する)の意味でとれるならば、人に対しても使うことは可能です。
もし普段から知っている人に街でたまたまあった場合は以下の表現を使ってください。
人に偶然に出会う、ばったり会う
run into / bump intoは「ばったり出会う、鉢合わせする」を表します。基本的には偶然、人に出会うことにしか使えません。したがって後ろに「人」が来ます。
I bumped into your mother yesterday.
昨日、あなたのお母さんに偶然会ったよ。
She ran into some old friends at the concert.
彼女はコンサートで昔からの友達数人に偶然出会った。
これらの表現は人に対して使うと「ばったり出くわす、偶然に会う」の意味になりますが、モノに対して使うと「衝突する」の意味になってしまいます。
I bumped into a tree yesterday.
昨日、木にぶつかった。
She ran into a window that was so clean it was invisible.
彼女はあまりにきれいで見えない窓に衝突した。
coincidence
名詞で「coincidence(偶然の一致)」を意味する言葉です。偶然の一致という事象を表す際には必要になるかもしれません。
It’s just a coincidence that we are wearing the same color tie.
私達が同じ色のネクタイをしているのは単なる偶然だ。
何かが同時に起こることを意味する単語です。派生語も多いので以下の記事にまとめています。