openの使い方は簡単なように見えて難しいので、少し整理してみます。
品詞が形容詞として使われるケースと、動詞で使われるケースがあります。
いくつかニュースで登場したものをピックアップしながら整理してみます。
この記事の目次!
open(動詞)
動詞で使った場合は「start business」を意味しますが、これは日々の開店時間を意味するケースと、新規の開店(開業)を意味するケースが考えられます。
This store opens at 10 o’clock.
この店は10時に開店する。
A new 7-Eleven opened across the street.
新しいセブンイレブンが道の向こうに開業した。
過去形と過去分詞はともに「opened」です。
begin
感覚的にわかるかもしれませんがopenは特定の物事にたいしてbeginの意味で使われます。
Let’s open the meeting with a review of the sales for this year.
今年の売り上げの総括と共に会議をはじめよう。
They opened the concert with their most famous song.
彼らは最も有名な曲でコンサートの幕を開けた。
He opened fire on the soldiers.
彼は兵士たちに発砲した。
open fireは「発砲する」という熟語になっています。しかし、openが明らかに合わない物事もあります。
▲ The doctor opened the surgery.
医者は手術を開始した。
▲We opened the video game.
私たちはビデオゲームを開始した。
この場合はbeginなどを使います。
open(形容詞)
形容詞で使った場合は状態としての「開いている」であり普通は「be operating(営業している)」と考えることができます。
This store is open from 10 o’clock to midnight.
この店は10時から夜0時まで営業している。
Because convenience stores are open 24-7,
(ニュース文より:なぜならコンビニは24時間あいている。)
品詞による違い
形容詞のbe openは普通は営業時間に対して、動詞のopenは開業すること(新規開業・普段の営業)に使われる傾向があります。
◎ A new 7-Eleven opened across the street.
▲ A new 7-Eleven is open across the street.
新規開業などであまり下の言い方はしないだろうという話です。
openとopenedの違い
ネイティブスピーカーの意見を聞きながらもう少し整理してみます。以下のような文章は明確に意味が異なります。
①The door opens.
①の文章の意味は「ドアは開く」であり、ドアには開く能力があるといった意味になります。特に自動ドアを意味しているわけでもありません。押したり引いたりすればドアは開くといった意味です。
②The door was open.
扉は開いていた。
②は扉は開いていたという状態を表しています。閉まってはいなかったという意味です。
③The door was opened.
扉は開かれた。
③は受動態の形で(誰かによって)扉は開かれたという意味になります。
openは過去形/過去分詞になったときに-edがつくので文章の意味の差が明確です。
④The door opened.
ドアは開いた。
④は①の文章の過去形です。これだけだと「ドアは開いた」としかいっておらず、文章としては曖昧です。
The door opened when I pushed it.
私が押したとき、ドアは開いた。
このように文脈を作るとより意味が明確になります。
opened doorとopen doorの違い
形容詞として使う場合にはどちらが正しいのかは、結論としてはどちらでもOKですが、感じ方に多少の違いが生じるという話です。
⑤There is an open door at the end of the hall.
⑥There is an opened door at the end of the hall.
⑤は「ホールの端に開かれたドアがある」といった基本的な意味ですが、⑥になると誰かによって開けられたドアがあるといった意味に感じられるそうです。
これはカナダ人のスティーブ、オーストラリア人のカールともに似たような見解でした。
これはもう少し文脈を作るとはっきりします。
⑦The men could escape the prison because there was an opened door in the kitchen.
⑦の文章だと「開けられたドアがキッチンにあったので、男たちは刑務所から脱走することができた」となります。
この場合、誰かが脱走を助けたような意味に感じられ、openedを使うことで「人によって意図的に開けられた」のニュアンスが出てきます。
⑧The men could escape the prison because there was an open door in the kitchen.
⑧は「開いたドアがキッチンにあったので、男たちは刑務所から脱走することができた」となり、単純に開いたドアがあったことになります。
その開いていた原因は明確ではありませんが、単に誰かのうっかりミスなのか、偶然によるものだといった風に感じます。
leave the door open / opened
「ドアを開けたままにしておいて」を伝える場合に、どちらを使うのか? という問題がありますが、結論としてはどちらでもOKになりました。
この問題について30分ぐらい話し合っていましたが、表現の自然さという意味では、どちらも同じ程度で、差があるとしてもかなり小さな差だという話です。
カナダ人のスティーブは「leave the door open」を使うそうですが、それは短いからであって、どちらでもかまわないといった程度でした。
オーストラリア人のカールも同様に会話の中で使われてもその違和感に気づかない程度だと思うとは言っていましたが、調べてもらったらケンブリッジの辞書では「leave the door open 」が正しいとされていたので、こちらを使うのが無難だと言っています。特にテスト関係などではです。
ネットで検索すると教えてGooにアメリカに36年在住する方の意見がありました。
“leave the door opened”は正しいのでしょうか?(教えてGOO)
この方の意見を踏まえて話し合っていたのですが、それでもどちらでも大きな問題ないといった意見です。誰かによって開けられたものではあるか、もともと開いていたものであるかといった差が明確に感じられない程度です。
以下、似たような状況でopenedとopenを使い分けるケースですが、かなり特殊な状況で日常会話レベルではないので、特に気にしなくてもよいレベルです。
例えば大自然に昔から存在している穴、常に開いている穴があったとします。
その穴をふさがずに開けたままにしておくならば「leave the hole open.」を選ぶとスティーブが言っています。
理由はopenedは誰かによって開けられた状態であるので、その開けられた人や状況が明確でない(閉まっている状態が不明確だったり存在しないもの)ならば、それはopenedを使うと変ではないかといった話でした。
What time do you open?とWhat time are you open?
What time do you open?
これが意味するのは動詞で使われているので一般的に「開店する」と解釈され、訳としては「何時に店を開けるの?」として受け止められます。
What time are you open?
こちらは質問として曖昧になる要素があります。上と同じように「何時に店を開けるの?」と質問しているようにも受け止めることができます。
もしくは質問としては「あなたはいつ空いている?」とも解釈可能で、お茶でもしようと誘ってくれている可能性も考えられます。
以下、いくつか関連の表現などをご紹介します。
24-7
トウェンティーフォーセブンと発音して、24時間と7日(一週間)を表し、転じて「いつでも」といった意味でよく使われます。
The restaurant is open 24-7.
そのレストランは24時間営業だ。
I’m ready for an earthquake 24-7.
私はいつも地震に備えている。
My mom yells at me 24-7.
うちの母親はいつも私に怒っている。
お店の場合は実際に定休日や閉めている時間がない営業時間を指すものだと判断できますが、地震への備えや母親が怒っているのは比喩的な表現になります。
leave the door open for/to
どちらも同じ意味で感覚的にわかると思いますが「ドアが開かれている」ことで、可能性を残しておく、入り込む可能性、余地があることを意味します。
The ending of the movie left the door open for a sequel.
その映画は続編への可能性を残した。
We still have two days until the deadline. That leaves the door open for last-minute changes.
我々には締切までまだ2日ある。これは土壇場での変更の可能性がある。
オープンな性格
日本語の「彼はオープンな性格だ」とニュアンスとしては非常に近いです。隠すことがない、正直といった流れです。
この場合のオープンはhonest(正直、隠し事がない)といったニュアンスが近いそうです。
He is very open with me.
= He is very honest with me.
彼は私にとてもオープンだ。
関連項目として日本のチラシなどで見かける「New Open」は正しくは「Newly Open」とすべきだという記事があります。
またまれに「open up」とupがつく表現もありますが、これは北米の英語に見られるあまり意味のないupです。