tripにはもちろん「旅行する」の意味もありますが、カタカナでもたまに聞きますが「ぶっ飛んでいる、ラリっている」といった薬物などに関する表現として用いられます。
あくまでスラングであって、特にノンネイティブが使えば文脈もあわせて誤解されることはないと思いますが、誰かの役に立つかもしれないので一通り意味などを記載しておきます。
いくつか名詞、動詞で使い方が異なるのでご紹介します。ドラッグ的な意味でのトリップと、普通の意味でのトリップがあります。
この記事の目次!
旅行としてのtrip(トリップ)
trip(トリップ)はもちろん「旅行」としての意味があります。
business trip(出張)、field trip(遠足・校外学習)、school trip(修学旅行)のような言葉の組み合わせもあります。
Have a nice trip.
よい旅を。
Make sure you pack a lot of clothes for your trip.
旅行に向けて服をいっぱいもったか確認してね。
I took three staff members on the business trip.
私は3人の従業員を出張に連れて行った。
「旅行に行く」といいたい場合には「take a trip」か「go on a trip」が一般的な表現です。
She will go on a trip next month.
She will take a trip next month.
彼女は来月に旅行に行くだろう。
移動
名詞のtripは旅行の意味のほかにも「移動」といった意味で使うことができます。
I took a trip to Italy.
私はイタリアに旅行した。
I took a trip to the convenience store.
私はコンビニに行った。
この場合のtripはニュアンスとして「労力、手間」がかかるある地点から、ある地点への移動のことです。
「save someone a trip」はよくある表現で「誰かの手間のかかる移動を助ける」で以下のように使えます。
She gave me a can of coffee and saved me a trip to the vending machine.
彼女は私に缶コーヒーをくれて、自販機まで行く手間をはぶいてくれた。
スラングとしてのtrip
tripにはカタカナでもまれに聞かれますが、ドラッグなどで「飛ぶ、ぶっ飛んでいる、ハイになる」のような意味もあります。
名詞で使うと「ぶっ飛んでいるとき、ラリっている時間」などの意味があります。幻覚作用が効いている状態です。
He bumped his head during an acid trip.
ひどいトリップのときに彼は頭をぶつけた。
He took too many drugs and had a bad trip.
彼はドラッグをやりすぎて、ひどいトリップを味わった。
特に動詞でそのままtripを「旅行する」の意味で使うと、ドラッグなどでぶっ飛ぶの意味だと解釈される可能性が高いです。
He tripped on shrooms through the entire concert.
彼はコンサート中ずっとマジックマッシュでぶっ飛んでいた。
When she finished tripping she had a bad headache.
彼女のトリップが終わった時に、彼女はひどい頭痛がした。
She is tripping.
(クスリをやっているという意味で)
I tripped to France.
(フランスまでずっとドラッグをやっていたかのように聞こえる)
I was tripping across America.
(アメリカ中でドラッグをやっていたかのように聞こえる)
もちろん日本人がいえば間違えているんだろうとわかると思いますが、シンプルに「旅行する」を表現したいならば他の表現が無難です。
先に紹介した「go on a trip」や「take a trip」の形にするか、travelやgoを使う方法があります。
I went to France.
I traveled to France.
(誤解されない表現)
She is traveling.
彼女は旅行中だ。
She is taking a trip.
彼女は旅行中だ。
最後の例文は90%で旅行中に解釈されるけど10%ぐらいはクスリをやっていると受け止められる可能性はあります。
trippy(形容詞)
クスリでぶっ飛んでいるような何か、そのような体験、またクスリで飛んでいるときのような奇妙な何かを指すことができます。
That movie was very trippy. I couldn’t understand what was happening.
あの映画かなりぶっ飛んでた。何が起こったのかわからなかったよ。
It’s trippy to think about how big the universe is.
宇宙がどれぐらいでかいかって考えるのはぶっ飛んでる。
よろめく、つまずく
tripは動詞で「つまずく、よろめく」などの意味もあります。
slip(スリップ)が後ろ向きに尻もちをつくような形で滑って転ぶのに対して、tripは何かにひっかかったりで前のめりにつまずく形です。
サッカーの試合などを英語で聞いていると登場する言葉です。
I tripped on a rock and hurt my ankle.
石でつまずいて足首を痛めた。
Messi got a yellow card for tripping his opponent.
メッシは相手選手をつまずかせてイエローカードをもらった。
これらがどのような意味で使われているのかは、だいたい文脈で判断できるそうです。
あまり役にたたないLSDとドラッグの表現
スティーブの説明を聞きこの原稿を書きながら感じましたが本当に無駄な知識です。
せっかく説明してくれたので書きましたが、これを覚える時間を別の表現の学習にまわしたほうが生産的だとは思いますが、ご判断はおまかせします。
興味のない人は読み飛ばしたほうが懸命でしょう。
LSDは英語ではacidとも表現されます。日本語では「麻薬・薬物」と一緒にされますが、LSDは幻覚剤、コカインは興奮剤なので種類が違います。
普通の人は使わないと思いますが、種類が違うと表現も少し変わるという話です。
まず基本的なところですが「high」を使うとクスリをやっているといった意味になります。
He is high.
彼は(クスリで)ハイだ。
He is tall.
彼は背が高い。
カタカナの「今日はすごくハイだね」とも意味が違うので使う場合は気をつけてください。
highはあらゆる薬物に使えます。
He is high on marijuana.
He is high on cocaine.
He is high on acid.
(あらゆる薬物にhighは使える)
acid
基本的にはacidはLSDの言い換えで幻覚剤を指しますが、文脈によっては薬物全般を指すことができます。
どうでもいい話ですがtripは幻覚剤を使っている人に対して使うのであって、コカインのような興奮剤には使いません。
He is tripping on acid.
彼はLSDでトリップしている。
He is tripping on cocaine.
(*この表現は変)
以下は「彼は20代の時に薬物をやっていた」を意味する例文です。この例文のacidは広い意味での「薬物」を指しています
He took acid in his 20s.
(*あらゆる薬物を指すことが可能)
He did acid in his 20s.
(*あらゆる薬物を指すことが可能)
しかし下の例文のようにdrop + acidになるとLSDのみを指します。
He dropped acid in his 20s.
(*この場合はLSDをやっていた)
要するに「drop」はLSDなどの幻覚剤に対して用いる動詞なので興奮剤やマリファナには使えません。
He took cocaine.
He did cocaine.
× He dropped cocaine.
(*落としたの意味になってしまう)
まとめるとacidは薬物全般と幻覚剤のみを指すケースがあり、dropが使われると幻覚剤だと思って間違いありません。これらの知識を覚えてもTOEIC対策にはあまりならないと思います。
stimulant / depressant
ドラッグの分類としても使われる言葉です。麻薬といっても覚醒剤は文字通り、人間を興奮・覚醒させるタイプのもので、コカイン、スピード、LSDなどが分類されるのは「stimulant」です。アッパー系と呼ばれたりします。
反対に人を落ち着かせる抑制剤、ダウナー系と呼ばれるのが「depressant」で、モルヒネ、ヘロイン、大麻、アルコールもこちらに分類されます。