abroad / foreign

abroad / overseas / foreign / internationalの違い

どれも「海外に、外国に」といった意味ですが、特にabroad / overseasは品詞が副詞になるので文法上の扱いに注意が必要になる言葉です。

近い意味のinternationalやforeignについても使い方をご紹介しています。特にforeignなどはここ数年で扱いに変化が見られ、やや避けられる傾向があります。

今回の記事もネイティブスピーカーであるオーストラリア人のカールと、カナダ人のスティーブにヒアリングを行いました。

abroad(アブロード)の意味と使い方

abroadは副詞で「外国に」「外国で」の意味になる点が大きな特徴で、日本人がやりがちな間違いが「to」などをつけてしまうことです。発音は【əbrɔ́ːd】です。

例文

I went abroad.

私は外国に行った。

例文

He went abroad on business.

彼はビジネスで外国に行った。

例文

I used to live abroad.

かつて外国に住んでいた。

以下のようなtoやinを使った形は日本人がやりがちなよくある間違いです。

正しくない文章

× I went to abroad.

× He went to abroad on business.

× I used to live in abroad.

「Go home(帰れ!)」などと一緒で「Go to home」としない点などが共通しています。思わずI go to abroad.のように言いたくなりますが、単語そのものにtoやinの意味が含まれています。

また形容詞で「外国の」の意味もないので「外国の友達」をabroad friendなどと言うこともできません。

正しくない文章

× There are many abroad companies operating in Japan.

(間違い)

正しくない文章

× I keep my money in an abroad bank.

(間違い)

文字通り「外国」は自分の国以外のすべての国を指せる広範囲の言葉ですが、例えばカナダ人にしてみるとアメリカのことを「abroad」とは普通の感覚ではいわないそうです。

カナダ、アメリカ、メキシコあたりは地理的以外にも経済も文化も近すぎるので、外国のとは言わずに、普通に「アメリカの〇〇」「メキシコの」と表現することが圧倒的に多いです。

overseasの意味と使い方

overseasもabroadと同じように副詞の使い方があるため「海外に、海外で」の意味となります。前置詞の「in」「to」などをつけてしまいそうですが必要ありません。

例文

I’m overseas.

私は海外にいる。

例文

He went overseas on business.

ビジネスで海外に行った。

例文

I used to live overseas.

かつて海外に住んでいた。

これもinやtoをつけてしまいそうになりますが必要ありません。

正しくない文章

× He went to overseas on business.

× I used to live in overseas.

海外の(形容詞)

しかしoverseasには形容詞で「海外の」という意味もあるので以下のような使い方が可能です。

例文

There are many overseas companies operating in Japan.

日本で活動している多くの海外企業がある。

例文

〇 I keep my money in an overseas bank.

◎ I keep my money in an offshore bank.

海外の銀行にお金を貯めている。

abroadは上の例文のような使い方ができません。海外の銀行口座でいえば金融用語のoffshore(オフショア)が広く使われています。

abroadとoverseasの違い

overseasは文字通り海を越えた場所であって、カナダやメキシコから陸続きのアメリカに行くことを「abroad(外国へ)」と表現できても、海は越えていないので「overseas(海外へ)」とはいいません。

「overseas」は文字通り「海を越える」という意味です。日本は島国なので海を越えると、ほぼ外国になるのでアメリカ、カナダなどとは状況が違います。

いちおう確認してみましたが東京の人が沖縄に行くことも文字の上では「overseas」で表現できるみたいです。

日本語でも同じ感覚だと思いますが沖縄に行ったことを「海外に行った」あるいは瀬戸内海を越えたことを「海を越えた」と表現することはできるかもしれませんが、そういう一休さんのようなことをやる必要があるのかは疑問です。

基本的には海を越えた外国につかうものであって日本語で沖縄を「海外」と言わないのと同じ感覚になります。理屈としてはあっているけれど誤解を招くので言わないのが無難です。

internationalとforeignの違い

難しく考える必要はないので形容詞として「international(国際的な)」「foreign(外国の)」でも別にいいような気がしますが、少し掘り下げてみます。どちらも「domestic(国内の)」の反対にあたる言葉です。

読み方は発音記号と音声を参考にしてください。カタカナでの読み方はフォーリンとインターナショナルぐらいでしょうか。

foreign【fɔ́(ː)rən】
international【ìntərnǽʃənl】

2つの言葉はほぼ同じ意味で使われるケースもありますが、明らかにニュアンスや意味が異なった使い方をされる場合もあります。

例文

international flight

国際線(2カ国以上に渡るフライト)

例文

foreign flight

他国・外国の航空会社のフライト

例文

international golf competition

2カ国以上の選手たちが参加する国際的なゴルフコンペ

例文

foreign golf competition

他国で開催されたゴルフコンペ

上のような違いが明確にあるため、以下の例文はそれぞれ指しているものが異なります。

例文

I took an international flight to Australia.

私はオーストラリアへの国際線のフライトに乗った。

例文

I didn’t take a foreign flight.

私は外国の航空会社のフライトに乗らなかった。

オーストラリアへの国際線のフライトは、国内の航空会社であるJALやANAである可能性はもちろんあります。

例文

There was an international golf competition between Japan and Scotland.

日本とスコットランドの国際的なゴルフコンペがあった。

例文

He took part in many foreign golf competitions.

彼はたくさんの外国のゴルフ大会に参加した。

foreign golf competitionだとアメリカやイギリスなどで開催された地元のこじんまりした大会の可能性はあります。

internationalが「2つの国の間で」や「多くの国々」として使われるのに対して、foreignは特定の外国1カ国を指す使い方が可能になります。

例文

I like international wines.

私はさまざまな他国のワインが好きだ。

例文

My favorite foreign wine is Merlot.

私の好きな外国のワインはメルローだ。

Merlot(メルロー)はフランスの代表的な赤ワインですが、この場合のforeignはフランスを念頭に置いた外国を指しています。

やや避けられるforeign

オーストラリア人のカールが空港などでは最近は「foreign」の言葉が避けられていると指摘していました。空港に行く方はわかると思いますが「visitors」や「all other passports」などの表現が使われています。

foreignは「その国に所属していない」を意味するのでやや排他的に受け止められるケースがあります。同じ意味になるケースではinternationalが無難だと思います。

例文

I have a few foreign friends.

=I have a few international friends.

外国人の友達が数人いる。

例文

I went to a foreign food festival.

=I went to an international food festival.

外国のフードフェスに行った。

日本語の「外国の」にとらわれてしまいがちですが、「international」でも同じ意味を伝えれるわけだから言葉を選んでもいいのではないかといった意見です。

また複数国ではなく、アメリカ人の友達(American friend)のような言い方も状況によっては可能なので、あえて広い意味の漠然とした「外国の」を使う必要がないケースもあります。

これはforeignerという言葉の選び方にも通じる部分がありますが、時代・政治的な配慮を受けやすいので、ここ数年で言葉の扱いが変化している単語になっています。

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