baitはもともとは釣りなど動物を捕獲するための「餌」を意味する言葉です。発音が少し日本人には読み間違えそうですが【béit】なので「ベイト」が近いです。
これが動詞で人間に対して使われると「からかう、いじめる、意図的に怒らせる」といった使い方が存在しています。
ネイティブスピーカーに作ってもらった使い方の例文を用意しているので参考にしてください。
bait(餌)
baitは動物を捕獲したりおびき寄せたりするための「餌(えさ)」の意味があります。そこから転じて比喩的に誘惑するようなものを指すこともあります。発音の【béit】は音声ファイルを確認してください。
I used worms as bait when I went fishing.
釣りに行った時にはミミズを餌に使った。
He put some bait in a trap to catch the alligator.
彼はワニを捕まえるため、罠に餌を置いた。
The police invited wanted criminals to accept a “contest prize” and hoped they took the bait.
警察は指名手配犯たちに「コンテストの賞」を受け取るように招待した。そして彼らが餌にくいついてくれることを期待した。
trap(罠・トラップ)とイコールではなくて、trapにかかるようにおびき寄せるためのものがbaitだといえます。
動詞ではそのまま「餌を付ける」となります。釣りの餌や罠にしかける食べ物などをつける・設置することです。
I baited the hook with a worm.
釣り針にミミズを餌として仕掛けた。
釣り用語については詳しくありませんが英単語には「噛む」の意味があるbite【báit】もあり、こちらは魚が食いついてきたときなどに「バイト」として使われているので混同しやすい言葉です。
bite【báit】噛みつく
clickbaitとは
「クリックベイト」はネットのスラングでいわゆる「釣り見出し」のような意味になります。ネットのニュース記事などでタイトルが大げさすぎる、あるいは嘘に近いような言葉を並べてユーザーにクリックさせるようなものを指します。
I hate that website, they just post clickbait.
あのサイトが嫌い。彼らはただ釣り見出しの記事を投稿してるだけ。
嘘かどうか微妙なラインもありますが、歪曲した形で扇情的なヘッドラインを作り、ユーザーをミスリードしてクリックさせるようなものを指しています。
からかう・いじめる
主に人間に対して使うと「からかう、いじめる、意図的に怒らせる」のような意味になります。ネット用語の「あおる」も近いと思います。
His friends baited him about his new girlfriend.
彼の友達は新しい彼女のことで彼をからかった。
He likes to bait people on the internet by making racist statements.
彼は差別発言をして、ネットで人々をからかうのが好きだ。
bait + into
intoを使うと、無理やり特定の行為にけしかけるようなことを指します。push intoが近い意味です。
Her friends baited her into shoplifting.
彼女の友達たちが、彼女に万引きをけしかけた。
この場合はbaitが意図的に怒らせるような行為で、それで万引きに仕向けていることになるので「けしかける」ぐらいが意訳になります。
このようなintoの使い方は無理やり何かの行動をさせるときに登場します。
His coworker nagged him into coming to work earlier.
彼の同僚は早出させるように彼にしつこく文句をいった。
baitの「からかう、いじめる」の意味では特に餌や罠から連想される「だましている」という意味合いがなくなります。
万引きの例でいえば「弱虫やろう、万引きでもやってみろよー」と怒らせるようなことであり、特にだましているわけではありません。
forceにも「~を強要する、無理にさせる、強制する」の意味がありますが、こちらは拳銃で脅して「万引きしないと撃ち殺すぞ」というような行為が含まれるため、ニュアンスが違います。
baitははやしたて、からかって、相手を意図的に怒らせるような行為を指しています。