カタカナにもなっているベテラン(veteran)ですが、英語ではいくつかの異なる意味で使われています。
これは省略形のvetもあわせてですが、大きく分類するとカタカナと同じ「熟練している」のほかに軍隊経験者や獣医を指すケースもあります。
順番に整理してみました。文脈で判断すればそんなに迷う要素ではないのかもしれません。
兵役経験者、軍人、古参兵
英語でveteranと単独で文脈なしでいった場合には、多くの人はおそらくwar veteran(兵役経験者、軍人、古参兵)を思い浮かべます。
My father is a veteran.
うちの父親は兵役経験者だ。
Many veterans don’t get the support they need when they return home.
多くの兵役経験者は故郷に帰った時に必要とするサポートがうけられない。
熟練している
もしカタカナと同じで何かに熟練していることを意味するならば、ある程度は文脈で説明する必要があります。
My father is a veteran black jack player.
うちの父親はベテランのブラックジャックプレイヤーだ。
I’m a veteran at McDonald’s.
私はマクドナルドのベテランだ(長く働いている)
He is a veteran voice actor.
彼はベテランの声優だ。
この「熟練している」の使い方が和製英語と紹介されているケースをいくつか見つけました。
間違えだらけのカタカタ英語。「ベテラン」は海外では使わない?(魚拓:英会話通信)
上に書いたように文脈なしでいった場合には「退役軍人、軍隊経験者」の意味でとられることはあっても、熟練しているの意味は和製英語ではなく、普通に使われています。
省略形のvet
軍人の「war veteran」はよくvetと省略されることがあります。
My father is a vet.
(先の例文と同じ意味)
Many vets don’t get the support they need when they return home.
(先の例文と同じ意味)
しかし、それ以外の熟練者の意味でのベテランはあまり省略されません。
▲My father is a vet black jack player.
(一般的ではない表現)
vet / veterinarian
ややこしいことにveterinarian(獣医)も省略されるとvetになります。これは文脈で判断するしかありません。しかも発音も非常に難しいです。
veterinarian【vètərənέəriən】
My father is a vet.
父親は獣医/軍隊経験者だ。
上のような例文になるとどちらを指して使われているのかはっきりしません。
I took my dog to the vet.
犬を獣医のところに連れて行った。
I saw a homeless vet on the street today.
今日、ホームレスの退役軍人を道で見た。
これぐらいの文章になると、おおよその意味の想像はできます。しかし、もちろん世の中には犬を軍人のところに連れて行くことや、ホームレスの獣医もいるかもしれません。
実際のニュースでは以下のようにもっとはっきりした文脈があります。ニュースでははっきり書かれるので問題なさそうですが…。
Veterinarians and other medical professionals in Japan are working to create disaster response teams to care for pets and livestock in emergencies.
日本の獣医と医療の専門家達が、緊急時のペットや家畜の世話をする災害対策チームの設立に向けて働きかけている。