temptは動詞で「そそのかす、その気にさせる、誘惑する」などあまり日本語にするとイメージのよくない訳になりますが、英語ではそこまで悪い言葉でもありません。
名詞のtemptationにもいえますが、ベースにあるのは食欲や性欲のような人間の本能に訴えかけるような魅力あるもの、衝動的にさせるようなものに対して使われる言葉です。
ここでは類義語のattractとの違いも含めてtemptに関連する用語の使い方を整理しています。
temptationの意味
「temptation」が名詞で「誘惑、衝動」のような訳になります。動詞のtemptにもいえますが、ベースにある感覚は「desire(願望、欲望)」を感じるようなものです。
何かをすごく欲しい! 何かをやりたい! と思う、食欲や性欲のような本能的な強い感情を指しています。読み方はテンプテイションが近くなります。
temptation【temptéiʃən】
He was on a diet but he couldn’t resist the temptation to have a burger.
彼はダイエット中だったが、ハンバーガーを食べたい衝動を我慢できなかった。
The temptation of living in Tokyo is making many people leave rural areas.
東京に住みたいという衝動・誘惑が、多くの人々を地方から離れさせている。
temptingの意味
temptingが形容詞で「心をそそる、魅力的な、誘惑する」の意味です。
She made a tempting cake.
彼女は魅力的なケーキを作った。
見た感じすごくおいしそうで、食べたくなるような欲望を感じるケーキの意味です。
temptの意味
temptは動詞なので、人々に「desire」を起こさせるような行為全般を指します。
日本語の辞書では「そそのかす」「誘惑する」「その気にさせる」などの訳語が出ています。英語の辞書でも悪いイメージで書かれている場合もありますが、実際のところは日本語でイメージするほどそんなに悪い言葉としては使われていないといった意見もあります。
文脈次第になりますが人間の欲望・本能に働きかけるような動きを指しています。
tempt【témpt】
The company offered a lot money to tempt him out of retirement.
その会社は巨額のお金を、彼が引退を撤回するよう促すためにオファーした。
be tempted toもよく見られ「~する気にさせられる、~したくなる」のような意味です。
I was tempted to leave the movie, but I stayed until the end.
私はその映画から離れたくなったが、最後までとどまった。
temptとattractの違い
attractも「魅惑する、魅了する、引き付ける」のような意味があるため、temptと意味は似ています。
違いをネイティブスピーカーに聞いてみると、temptは「その気にさせる」「誘惑する」のようにそのあとに何かの行動があることを強く感じさせます。
一方のattractは「惹きつける」に焦点があたっています。
That cake is tempting me.
That cake is attracting me.
あのケーキは魅力的だ。
temptingだと「食べたくなる」という動作があって、そこに対して心をそそる、魅力的なケーキだといえます。attractingだと惹きつけるような魅力があるといった意味です。惹きつけることに焦点があるか、惹きつけた後の動作まで焦点があたっているかの差です。
結局はケーキだとおいしそうで食べたくなるという似たような結論になるので意味は近いです。
He is tempting me.
He is attracting me.
彼は私を誘惑・魅了している。
これも考え方としては同じで「tempt」だと誘惑、そそのかすだと考えて、その後の行動が見え隠れします。つまり彼は私に何かをしてほしいと思って誘惑していることになります。
「attract」だと惹きつけていることであり、そこから先に何かやってほしいことはあるかもしれませんが、特に何も触れていないことになります。