このページでは似ているけどまったく違う2種類、2系統の単語をご紹介しています。
1つは補助金・助成金の意味の「subsidy」と、それが動詞になった「subsidize(助成金を払う)」です。
もう1つは落ち着く、弱まるという意味の動詞の「subside」と、それが名詞になった沈下、沈むことの「subsidence」です。
これらは似ていますが語源が違う言葉なのであまり関係がないことを事前にご理解ください。
subsidy(助成金)
subsidyは「助成金、補助金」の意味です。現金以外でも、広い意味ではクーポン券での支援や減額措置などもsubsidyに含まれてきます。次の項目で説明していますが、現金での支援のみを指す「grant」とは、この点において違います。
The government wants to stop giving subsidies to art schools.
政府はアートスクールに助成金を払うことをやめたいと思っている。
His charity receives over $20,000 in subsidies a year.
彼のチャリティーは補助金を年2万ドル以上受け取っている。
subsidize(助成金を払う)
名詞の「subsidy」が動詞になったものが「subsidize」です。補助金、助成金を支払うという意味です。
Japan subsidizes its rice farmers.
日本は米農家に助成金を払っている。
The company will use some of its profits to subsidize insurance for its workers.
会社は利益の一部を従業員のための保険への補助金を払うために使うだろう。
grantとsubsidyの違い
どちらも「支援金、補助金」のような意味があって、置き換えて使われるケースもあります。
一般的にgrantは「補助金交付」「支援金」のような、なにかの支援のために政府などが出すお金です。
They received a research grant.
彼らは研究の支援金を受け取った。
The government is giving out grants for social causes.
政府は社会的大義のために支援金をくばっている。
一方のsubsidyは「お金」の形で支援する場合もありますが、例えばクーポンなども含まれてきます。
「GO TO TRAVEL」などのクーポン券などは現金をもらっているわけではありませんが、subsidyと呼ぶことができます。
Low-income families can get a subsidy in the form of a reduced mortgage.
低所得の家庭は、住宅ローン減税という形で、支援金を受けられる。
ただしsubsidyは現金の直接の支払いも指せるので、その場合はgrantと同じ意味になります。
The government is giving out subsidies for social causes.
政府は社会的大義のために支援金をくばっている。
grantからsubsidyへの置き換えは常に成立しますが、クーポンや減額措置だったりするとsubsidyからgrantへの置き換えが成立しなくなります。
subside(落ち着く、弱まる)
subsideは動詞で「落ち着く、弱まる」となります。
subsidyはアングロノルマン語の「助け、援助」という意味のsubsidieという言葉が語源となっています。
一方でsubsideとsubsidenceは共にラテン語で「しゃがむ、沈む」といった意味のsubsidereが語源となっているので、言葉としてはぜんぜん関係がないことになります。
If you take this medicine the pain will subside.
もしこの薬を飲めばその痛みは弱まるだろう。
The floods subsided two days later.
その洪水は2日後に落ち着いた。
subsidence
動詞のsubsideが名詞になったものが「沈下」で、沈むことです。
Ground subsidence occurs during earthquakes.
地盤沈下は地震の間に起こる。
Ground subsidence caused the sandy shore to sink into the ocean, while mudslides and the tsunami destroyed facilities.
地盤沈下は砂浜の海への水没を引き起こし、同時に土砂崩れやその津波は設備を破壊した。