standoff(スタンドオフ)は膠着状態、にらみ合いを表す言葉で、名詞と動詞での使い方があります。言葉の意味としては立つ(stand)と離れるのoffの組み合わせです。
特に映画で拳銃を向けあってお互いににらみ合うシーンは「メキシカン・スタンドオフ」と呼ばれアクション映画のお約束の演出になっています。
物理的な動作として離れて立つことや、離れていることは仲良くなろうとしないことでもあるので「冷淡な、つんとした」といった使い方につながっています。
standoff
standoffとは「離れて立った状態」であり膠着状態(こうちゃく)を意味する言葉です。にらみ合いとしてもいいと思います。以下の例文のように使います。
The Cuban Missile crisis was a standoff between the US and USSR at the height of the Cold War.
キューバのミサイル危機は、アメリカとソ連の冷戦の最高潮における膠着だった。
The two tech companies are having a standoff to determine who own the patent.
その2つのテクノロジー企業はどちらがその特許を所有するかの判断で膠着状態にある。
There was a five-hour standoff between police and armed cult members.
武装したカルトのメンバーと警察で5時間のにらみ合いがあった。
ここでのoffは距離が離れているの意味です。これは「off the coast(沖合)」のような使い方と同じです。
Mexican standoff(メキシカン・スタンドオフ)とは?
映画のシーンなどでお互いに銃を向けあって膠着状態になるのは「Mexican standoff」と呼ばれるお約束、定番のシーンです。
雑学程度の知識ですが、普通のstandoffは膠着しているものの一方が自分の意思で「やめた!」といって立ち去ることができるような状態です。にらみ合いなどは、やめたければやめられます。
Mexican standoffは「自分の意思でやめたくても、やめることができない膠着」です。銃をお互いに突き合わせていると、片方がやめてしまったらその瞬間に相手に撃たれます。
このようにお互いにやめることができない状態を「Mexican standoff」と呼びます。映画ではだいたい誰かが割って入ったりして膠着が崩れるのが定番です。
ただし、これは映画のシーンなどを表す用語で、日常会話ではあまり使いません。
Mexican standoffs can be seen in almost every action movie ever made.
今まで作られたアクション映画のほぼすべてでメキシカン・スタンドオフが見られる。
なぜメキシカンなのかはネットでもさまざまな意見が交わされていますがはっきりした由来はよくわかりませんでした。上のマトリックスのように1対1ではなく複数人での形も見られます。
stand off
動詞ではoffの離れるイメージとの組み合わせで離れて立つことです。「膠着状態をする」といった意味では先に紹介した名詞を使い「have a standoff」のほうが一般的です。
While the fight was happening he just stood off in the corner and watched.
喧嘩が起こっている間、彼はただ角に離れて立って見ていた。
When she’s angry, you’d better stand off.
彼女が怒っているときは、離れていたほうがいい。
standoffish
形容詞でも存在しており「よそよそしい、冷たい感じの、素っ気ない」といった意味です。これも意味としては「離れて立つ」ことは近寄ってこない、仲良くなろうとしないといった関連です。
She was acting standoffish when he talked to her, so he decided not to ask her on a date.
彼が話しかけてきた時に彼女は素っ気なく振舞っていたので、彼は彼女をデートに誘わないことに決めた。
He’s very standoffish and difficult to work with.
彼はとても冷たい感じで、一緒に働くのが難しい。