似たような単語が並びますが、shortage, shortfallは「short」の派生した形の名詞で意味が異なります。
そもそもshortには「短い」と「不足」の異なる意味があるので、その元の意味によって名詞も異なっていきます。
違いがよくわからないlackについても取り上げながら類義語を整理しながら使い方の違いや例文をまとめてみました。
shortage
shortageは「不足、欠乏」の意味で、こちらもshortだけでも同じ意味を表せます。shortageは物が足りない状態で、さまざまな名詞と組み合わさって「food shortage(食料不足)」や「programmer shortage(プログラマ不足)」といった言葉でニュースに登場しました。
There is a shortage of good jobs for young people today.
昨今は、若者向けのいい仕事が不足している。
The country is seeking help for their food shortage.
その国は食料不足への支援を探している。
I have a shortage of money.
お金が足りない。
There is a drink shortage for the party.
パーティーの飲み物が不足している。
もし単純にshortageに対しての対義語を出すならば「abundance(多量、大量、多数)」でしょうか。
There is an abundance of good jobs for young people today.
昨今は、若者向けのいい仕事が大量にある。
The country is seeking other countries which need help because they have an abundance of food.
その国は支援が必要な国を探している。なぜなら食料が大量にあるからだ。
short
これらは単純に「short」でも置き換えが可能なので、シンプルにshortで表現してもいいと思います。
Can I borrow some money? I’m a little short now.
少しお金を貸してくれない? いま、少し足りないんだ。
We’re short on drinks for the party. I’ll get some more.
パーティーの飲み物が不足している。もっと手に入れてくる。
もし不足している具体的な金額や量などがわからない場合には以下のようにshort onの形も使えます。
I can’t buy the pizza. I’m two dollars short.
ピザが買えない。2ドル足りないよ。
I can’t buy the pizza. I’m short on money.
ピザが買えない。お金が足りないよ。
The president asked for a way to save the company but everyone was short on ideas.
社長は会社を救う方法をたずねたが、みんなアイデアに不足していた。
より一般的ではなくなりますが反対の「long on」も言葉としては存在しています。
The movie was long on sex scenes but short on plot.
その映画はセックスシーンは長すぎたが、プロットが足りなかった。
shortageとlackの違い
基本的に大きな違いはなく同じように使える、どちらを使っても間違いではないケースが多いです。以下のケースなどどちらでもOKです。
There is a shortage of pencils in the school.
その学校では鉛筆が不足している。
There is a lack of pencils in the school.
その学校では鉛筆が不足している。
しかし自然な表現を求めた場合に使われやすい言葉は存在しています。
shortageは物などの商品、金銭的な価値に置き換えられる物体などの不足に対して使われることが多いです。
There are a shortage of trees in the city.
街では木々が不足している。
The government is complaining about a shortage of funds.
政府は資金不足について不満をいっている。
上の例文であってもlackに置き換えても間違いではありません。lackは広くあらゆる物事に対して使われる言葉です。
したがって以下のように「ユーモア・睡眠・幸せ」などが足りていないことにはlackが使われます。
There is a lack of humor in the meetings.
会議にユーモアが欠けている。
There is a shortage of humor in the meetings.
(一般的ではない表現)
There is a lack of happiness in that family.
あの家族には幸せが欠けている。
There is a shortage of happiness in that family.
(一般的ではない表現)
He is suffering from a lack of sleep.
彼は睡眠不足に苦しんでいる。
He is suffering from a shortage of sleep.
(一般的ではない表現)
上の例文の場合はどれも意味が広くとれる「lack」を使うのが一般的です。あまりshortageは使いませんが、だからといって使っても間違いというほどではありません。世の中には使う人もわりといると思います。
shortfall
shortfallは同じ不足でも「目標からの不足・予測からの不足」など、何かの予想に対して足りていないことを指します。
The company reported a 20 percent shortfall in the last quarter.
その会社は最後の四半期に20%の不足を報告した。
Farmers reported a 30 percent shortfall in crops this year.
今年、農家は収穫高で30%の不足を報告した。
このように30%などの具体的な数字はshortfallにつくものであって、shortageに使うことがあまりありません。
対義語は「surplus」です。
The company reported a 20 percent surplus in the last quarter.
その会社は最後の四半期に20%の超過を報告した。
Farmers reported a 30 percent surplus in crops this year.
今年、農家は収穫高で30%の超過を報告した。
超過、余剰なので必ずしも良いことだとは限りません。
shortness
こちらは長くないこと、短いことを意味するので「短さ」と考えてもいいと思います。単純に考えて何かが短いことで、時間や長さに対して使うことができます。
特に人間に使った場合は身長に対して使われます。
He is very short.
彼はとても背が低い。
I finished the job in a short time.
私は短い時間で仕事を終えた。
His shortness is amazing.
彼の背の低さは驚きだ。
I am surprised by the shortness of the time it took to finish the job.
私は仕事を終えるのにかかった時間の短さに驚いている。
お釣りをごまかすshortchangeという言葉もあるので以下の記事で詳しくご紹介しています。
dearth
「lack」と同じで「不足、欠乏」を意味します。名詞です。
dearthはちょっと文学的な雰囲気のある言葉で、lackと比べるとかなり一般的ではなくなります。
There is a dearth of talented athletes in this city.
この都市には有能なアスリートが不足している。
America is dealing with a dearth of coronavirus testing kits.
アメリカはコロナウイルスの検査キットの不足に対処している。