shameは「恥」であっていますが本来持っている言葉の感覚としてはけっこう重たく「不名誉」ぐらいの意味合いになります。動詞では「不名誉を感じさせる」といった意味です。
そこから「It’s a shame」「That’s a shame」で「お気の毒に」といった使われ方になったり、「Shame on you(恥を知れ)」といった使い方も広く知られています。
日本語に訳した時の言葉の感じ方と、shameの持っている言葉の感覚がぴったりには合わない感じもします。例文を用意しているのでそれぞれの表現のニュアンスを感じとってください。
ネットなどで意図的にさらしあげる行為については『shaming(シェイミング)の意味』をご覧ください。
この記事の目次!
shameの名詞での意味と使い方
後で紹介している「be a shame」の形ではなくshameを名詞で単純に使った場合は「恥」と訳されることが多いですが、そのまま使うと感覚的に非常に重い言葉で日本語だと「不名誉」ぐらいの扱いです。
My son brought shame to the family when he assassinated the president.
息子が大統領を暗殺して、家族に不名誉をもたらした。
He couldn’t overcome the shame of being a drug addict.
彼はドラッグ中毒者であるという不名誉を克服できなかった。
The scandal brought shame on the company.
そのスキャンダルは会社に不名誉をもたらした。
これぐらいの感覚の言葉なので「恥ずかしい、きまりが悪い、こっぱずかしい」ぐらいならばembarrassmentがベターです。
My son felt embarrassment when his pants ripped.
ズボンが破れて息子は恥ずかしさを感じた。
shameの動詞での意味と使い方
動詞でも名詞と同じような感覚になりますが「不名誉を感じさせる、恥だと思わせる」みたいな感じで、現代ではあまり日常でみられる感覚の言葉ではなくなってきています。
「不名誉を感じさせる」は具体的に何をやったのか? という部分もはっきりしません。個々の状況によって変わると思います。
The media shamed Becky for seeing a married man.
メディアは既婚男性との交際の件でベッキーに不名誉を感じさせた。
Her website shames companies that pollute.
彼女のウェブサイトは汚染をする会社に不名誉を与える。
He was shamed by his family for becoming a musician.
ミュージシャンになることは不名誉だと家族に言われた。
上の例文は金持ちの由緒ある一族で「ミュージシャンになるんだ!」みたいなことをいったら「お前は一族の恥だ!」のような話になった状況です。
It’s a shame / That’s a shameの意味
「It’s a shame」「That’s a shame」はとても残念に思うことを意味します。too badやregrettableと同じような意味になります。
日本語だと「お気の毒に、残念です」といった意味になります。
A:I lost my wallet.
B:That’s a shame.
A:財布をなくした。
B:お気の毒に。
A:The company laid off 100 workers yesterday.
B:It’s a shame, isn’t it.
A:昨日、あの会社が100人解雇したよ。
B:それはお気の毒だね。
too badは少しカジュアルであり、regrettableは逆に「遺憾」のようなフォーマルさがあるので、言葉を状況で選んでいいと思います。
That was a nice hat. It’s a shame that you lost it.
That was a nice hat. It’s too bad you lost it.
あれは素敵な帽子だったよ。君がなくしてしまったのは残念だね。
△ That was a nice hat. It’s regrettable that you lost it.
(ちょっとフォーマルな感じ、大げさな感じがします)
もう1つ例文を書いてみます。
It is regrettable that this is the current situation our company faces.
It is a shame that this is the current situation our company faces.
これが我々の会社が直面している現在の状況であるのは残念です。
この場合もregrettableは状況としてもあっています。shameでも話し言葉なら普通にありえる状況です。
It is too bad that this is the current situation our company faces.
(深刻な状況に対して使うにはカジュアルすぎ)
Shame on youの意味と使い方
相手が恥ずべき行動やマナー違反などをやったときに言う言葉です。「自分がやったこと」あるいは「自分がやらなかったこと」にshameを感じるべきだといった感じです。
ただし、使われている状況がデモの抗議活動のようなすごくシリアスな場面もあれば、コメディ的な使い方、親が子供を怒るような場面など幅広いです。上に登場している紫色の背景に年配の女性が怒っている画像は、スティーブに「最も自分の中でShame on youのイメージに近い画像」で選んでもらいました。
「恥を知れ!」から「みっともないなぁ」「だめじゃないか」「恥ずかしいと思わないの」あたりまでをカバーできます。
これは「Shame!」だけの一言でも使えます。感嘆の表現だといえます。
Shame on you for eating the whole cake.
ケーキを全部食べちゃうなんてみっともないなぁ。
When the mayor spoke, people in the audience shouted, “Shame!”
市長が話したとき、聴衆の中の人々が「恥を知れ!」と叫んだ。
Shame on you for not apologizing to your sister.
妹に謝らないのは恥を知りなさい。
日本語の「恥を知れ」も言い方によってはジョークっぽくも、本当に怒っている感じも出るので、ニュアンスがつかみにくい表現だなという感じがします。
例えば殺人事件の犯人に「Shame on you」というかといえばスティーブはたぶん言わないと思うといった意見で、殺人事件の犯人って不名誉や恥を感じろというレベルではない気がするからだそうです。
Shame on youの根本にあるものを英語で表現するならば相手に対しての「disapprove(不賛成を唱える、不可とする)」の精神だというスティーブの意見です。
put 〜 to shame
直訳すると「~に恥をかかせる」ですが、もう少しポジティブに「~顔負けの」「~も真っ青のすごさだ」といった表現が可能です。
一般に認められている物を引き合いに、それをはるかにしのぐといった意味での表現も可能です。
He is so good at piano he puts professional players to shame.
彼はピアノが得意で、プロも顔負けだ。
The new Star Wars movie puts the previous three to shame.
新しいスター・ウォーズは前3部作をはるかにしのぐよ。