いまさらな感じもありますがあらためて「ride(ライド)」とはどんな使い方があるのかを整理してみました。基本的には「乗る」です。
自分が運転するタイプの「乗る」と乗客としての「乗る」の両方に使うことができます。また送り迎えなどの人を乗せていく行為を指して名詞でも使えます。
遊園地の乗り物の「ライド」も含めて、ネイティブスピーカーの側から見た基本単語のrideの意味をご紹介します。
この記事の目次!
rideの動詞での使い方
まず何かの上に座ってどこかに行くために操縦することで、動詞で「乗る」を意味します。以下の例文だと自分が運転していることになります。
活用は過去形が「rode」、過去分詞が「ridden」となります。
I learned to ride a bicycle when I was six.
私は6歳のときに自転車の乗り方を学んだ。
She enjoys riding horses.
彼女は乗馬を楽しむ。
(乗客として)乗る
乗り物に乗客として座ることで、動詞で「(乗客として)乗る」です。この場合は運転していません。
Most people in this city ride the bus to work.
この市のほとんどの人々はバスに乗って通勤する。
Yusaku Maezawa will ride a rocket to the moon.
前澤友作は月までロケットに乗っていくだろう。
この「自分で運転する」と「乗客として乗る」の差は以下のride onとrideの違いで補足説明しています。
(比喩としての)乗る
英語でもいくつか日本語と同じように「乗る」が比喩的に使われています。日本語と違いwave(波)に乗るとは言わず「くちこみに乗る」「好調に乗る」など直接、何かに対して乗ります。
The Yankees might ride their winning streak into the post season.
ヤンキースは好調の波にのってポストシーズンに行くかもしれない。
They are riding the popularity of the movie.
彼らは映画の人気に乗っている。
ride onとrideの違い
基本的には「ride on」と「ride」は同じような意味なのでどちらでもかまわないという認識です。
しかし感覚的に、乗って自分で操作するタイプの乗り物には「ride」がより良い言葉の選択です。「ride on」はやや乗客として乗っている感じもします。
乗る対象によって少し言葉を選んでもいいかもしれません。
◎ He rode a motorcycle across the USA.
〇 He rode on a motorcycle across the USA.
彼はアメリカ中をバイクで(自分で運転して)走った。
◎ The kids rode their bikes to the park.
〇 The kids rode on their bikes to the park.
子供たちは公園まで自転車で(自分で運転して)行った。
上のようなbike(自転車)、motorcycle(オートバイ)、horse(馬)などは自分が乗って運転・操作するタイプなのでこの場合はそのまま「ride」が良いだろうといった意見です。「ride on」でもかまいません。
以下のようなケースは、どちらも差があまり感じられないといった意見でした。「ride on」が絶対に乗客として乗ることを意味するわけでもありません。
〇 I don’t like riding on buses.
〇 I don’t like riding buses.
私はバスに乗るのが嫌いだ。
car(自動車)やbus(バス)に対してrideを選択することは「乗客として乗る(自分で運転していない)」ことになります。自分で運転する場合はdriveを使っているはずです。
また「on」を使うと文章を入れ替えることができます。
The kids rode their bikes to the park.
= The kids rode to the park on their bikes.
子供たちは公園まで自転車に乗って行った。
Most people in this city ride the bus to work.
= Most people in this city ride to work on the bus.
この市のほとんどの人々はバスに乗って通勤する。
名詞でのride / 乗車、ドライブ
名詞では「乗車、ドライブ」など、乗ることによって行われる移動を表します。
The store is about a five-minute ride on a bike.
その店は自転車で約5分です。
その店まで自転車に乗っていくと5分かかるという意味です。
The bus ride was very bumpy.
そのバスの乗車はとてもガタガタ揺れた。
乗せる人、乗せるもの
同じく名詞で乗り物でどこかに連れていってくれる誰かや何かのことも表せます。
I don’t have a ride to the party.
パーティーまで送ってくれる人がいない。
I have to go. My ride will be here in five minutes.
行かなきゃ。迎えが5分以内にここに来るんだ。
スラングで「車」を意味します。
Wow, nice ride!
わお、素敵な車!
give 人 a ride
give 人 a rideの形で「人を乗り物に乗せてあげる」といった意味になります。特に文脈がない日常会話の場合は自動車だと判断される可能性が高いです。
I gave my wife a ride to the supermarket.
= I drove my wife to the supermarket.
私は妻をスーパーまで乗せていった。
Can you give me a ride to the airport?
空港まで乗せていってくれますか?
joyride
joyrideは特にあてのない楽しみだけのドライブを指します。よく盗んだ車に使われます。
Someone stole my bike and took it for a joyride.
誰かがバイクを盗んで乗りまわした。
My parents yelled at me for joyriding in the family car.
両親は家族の車を乗りまわしたことで私に怒った。
遊園地のライド
遊園地にあるジェットコースターのような乗って動くアトラクションのことで「ライド」の意味もあります。こちらも名詞です。あまり歩くタイプのお化け屋敷みたいなものはライドとはいわないです。
We went on all the rides at Disneyland.
私たちはディズニーランドですべてのライドに乗った。
I wanted to go on that ride, but it was closed for maintenance.
あのライドに乗りたかったが、メンテナンスのために閉鎖されていた。
乗り物そのものに「ライド」がつくと「ride the rides」になってちょっと変に聞こえるので、たいていgo onが使われます。ライドが連発する場合は以下のように言い換えたりできます。
Let’s ride Space Mountain.
Let’s go on Space Mountain.
スペースマウンテンに乗ろう。
Let’s go on the Harry Potter ride.
ハリー・ポッターのライドに乗ろう。
ハリーポッターのライドにライドしようと言ってもまったくかまわないんですが、不格好な感じもするので言い換えられています。
rider(ライダー)
カタカナではライダーといえばバイクのようなものを指します。確かに英語でも感覚的には速い乗り物をイメージするそうです。
しかし電車の乗客やタクシーの乗客に対して「rider」といっても間違いではありません。
There are many riders on the train in the morning.
朝の電車には多くの乗客がいる。
There are many riders on this ship.
この船には多くの乗客がいる。
上のような例文は間違いではありません。しかし、何も考えずにいえば「people(人々)」「passenger(乗客)」といったより適切な言葉が使われます。
There are many riders of the Yamanote Line.
There are many passengers on the Yamanote Line.
多くの乗客が山手線にいる。
同じ言葉が続くので置き換えているといった理由があれば話は別ですが、電車や船に乗る大勢の人々をいきなり「rider」で表現する理由があまりありません。