prayは「祈る」という動詞で通常はpray forの形で何かを祈るといった表現がされます。名詞の「祈り・祈りの言葉」はprayerで、これは基本的には人ではなく「祈り」そのものを指して使われることが多いです。
願う、望むといった感じで使われることも多いですが、やはり手を合わせたりといった宗教的な行為・動作に結びついた単語だといえます。
prayとprayerはともに発音に注意が必要で特に日本人には難しい「play」「player」との混同があります。音声も置いているので読み方を比較してみてください。
pray(動詞)の意味
prayは「祈る」を意味する動詞です。過去形・過去分詞はprayedです。
発音は日本人にはよくplay(遊ぶ、プレーする)と混同されやすいので以下の音声ファイルを参考にしてください。典型的なLとRの発音の違いです。
pray【préi】祈る
play【pléi】遊ぶ
pray → playで順に読み上げ
通常はpray for 〇〇の形になり、祈る相手(〜のために祈る)か、かなったら嬉しい願いの内容が入ります。
I prayed for good weather this weekend.
私は今週末の良い天気を祈った。
She said she would pray for me on my journey.
彼女は私のために私の旅行中に祈っているだろうと言った。
pray / wish / hope との違い
何かを望んでいる、願っているといった意味ではwish / hopeとも近い意味になります。
しかしprayは単に人が心の中で望んでいるというよりも、手を合わせたりといった宗教的な行為、儀式や動作に結びついている感じがあります。
この中ではhopeだけ明確に何もアクションをせず心の中で望んでいるのは明確ですが、wishとprayは少なからず特定の動作を連想させます。
以下のように状況を明確に作ってあげると、より言葉の持つ雰囲気がはっきりします。
I went to the church to pray for my sick brother’s recovery.
私は病気の弟の回復を祈るために教会に行った。
I threw a coin in the fountain to wish for my sick brother’s recovery.
私はコインを泉になげて、病気の弟の回復を願った。
I hope for my sick brother’s recovery.
私は病気の弟の回復を望んでいる。
日本語でも「祈る(pray)」と「願う(wish)」は薄っすらと背後に神や超現実的な存在を感じさせる言葉です。「望む・期待する(hope)」はそれがないニュートラルな表現です。
したがって以下のように単純な文章を書くと特定の行為をほのめかす、暗示させるようなニュアンスがあります。
I pray for my dog to come home.
(手を合わせて祈っているような動作をしてるかも)
I wish for my dog to come home.
(コインを投げたりカジュアルな行為をしているかも)
I hope for my dog to come home.
(特定の行為はしていない)
hopeは特定のアクションをしていないのは明らかですが、他の2つについてはprayなら手を合わせたり、膝をついたりなど宗教的な動作を感じさせます。wishはもうちょっとカジュアルな感じがします。
しかし、実際には頭の中で思っただけかもしれないので、あくまでニュアンスとしてほのめかしている感じです。
prayer(名詞)
prayerとは「祈り、祈とう、祈りの言葉」を指します。erがついているので人のように感じますが、祈りそのものを指します。
発音は【prέər】なのでプレアーが近く、player【pléiər】のプレイヤーとは明確に異なります。
prayer【prέər】祈り・祈りの言葉
player【pléiər】選手
At the end of the ceremony, the priest said a prayer.
セレモニーの最後で、司祭は祈りの言葉を言った。
She said a prayer for her sick sister.
彼女は病気の姉のために祈りの言葉を言った。
わずかなチャンス・かすかな望み
そこから「わずかなチャンス、わずかな望み」といった意味で用いられます。否定文で用いられるケースが多いです。
We don’t even have a prayer of winning the lottery.
私たちには宝くじにあたるわずかなチャンスもない。
Does he have a prayer of getting that job?
彼はあの仕事につける小さなチャンスはあるの?
他に「on a wing and a prayer」といった古臭い表現もあり、「辛うじて、やっとのことで、運にすがって」の意味です。
損傷した飛行機が「a wing(片方の羽根)」とわずかなチャンスに頼ることから「辛うじて」の意味になります。
Bon Joviのヒット曲『Livin’ On A Prayer』は「わずかな希望に頼って生きていく」といった意味になります。以下のlive onの記事にまとめています。
Hail Mary(アヴェ・マリア)にもアメフトのスラングで「祈るような、ダメなのがわかっているパス」といった使い方があります。
prayer(祈る人)
prayer(祈る人)という意味は確かに辞書ベースでは存在していますが、使う状況がわからないといった意見でした。
erは職業やライフスタイルに使われるような言葉なので、prayerってそんな人いるのか? という話でした。
例えばレストランにいっぱいお客さんがいて、それを見て「たくさんのeater(食べる人)がいる」と言うことは論理的に間違いではありませんが普通はcustomer(お客さん)などといいます。
これと同じ奇妙さが「prayer(祈る人)」という言葉にもつきまといます。
お寺や教会にいってお経、祈りを唱えている人がいても、それはmonk(修行僧)やpriest(神父)が祈る(pray)という動作をしているだけであり、その人をあえてprayer(祈る人)と呼称するのは変だという話です。
Thoughts and prayers
誰かが亡くなった時の「お悔やみの言葉」としても使われます。
You are in my thoughts/prayers.
Thoughts and prayers
「You are in my prayers.」は残された家族に言う言葉で、あなたは私の祈り・考えにいます、あなたを祈っています、思っていますといった直訳での解釈になります。
しかし、アメリカの銃乱射事件などで政治家が頻繁に「Thoughts and prayers」といった言葉を使うので、軽々しくなっているのではないかといった批判の声も聞かれます。