officialはカタカナの「オフィシャルスポンサー」のような使い方があり「公式の」といった意味で用いられます。
これ以外にも名詞でofficialは「関係者、職員」といった意味で使われます。複数形になったofficialsもニュースには頻出の単語で日本語でとらえにくい言葉かもしれません。
ここではofficer(オフィサー)との違いも含めて例文に使い方をまとめています。officeについては『office(オフィス・役職・任期)の意味と使い方』をご覧ください。
official(名詞)の意味
少しややこしいのはofficialが名詞で使われた場合で、意味としては正式な立場にある人を指します。まず「人間」を表す言葉だという前提があります。
その上で「正式な立場」とは国や企業を代表したり、それらに所属したりする関係者の意味が近くなります。
したがって政府ならば「公務員、役人、当局者、関係者」あたりが意味が近くなり、部外者ではないという意味になります。
民間企業やさまざまな団体ならば「職員、関係者」あたりが意味としては近くなります。おそらく文脈でどの団体のオフィシャルなのか書かれていると思います。
An official said schools were closed.
職員は学校は閉まっていると言った。
このように1人の場合は当然のように「an」がつくことになります。
officialは警察でいえば、高い地位の幹部職の人に使われます。
Several police officials were connected to the political scandal.
何人かの警察幹部(職員)は政治的なスキャンダルにかかわっていた。
比較的、団体の地位の高い人々を指して使われることも多いので政府なら「高官」「当局者」といった感じの訳もあいます。
Officials from Nike said the company would be restructuring.
ナイキ社の幹部達は同社を改革していくと語った。
Officials with the Food Safety Commission declared the product safe.
食品安全委員会の幹部は、その商品は安全だと宣言した。
またスポーツなどでの「審判」としてもたまに使われます。
He was thrown out of the game for arguing with the officials.
彼は審判と口論になって試合から退場させられた。
場合によってはstaff(スタッフ・従業員)などと同じ意味になります。
officials(複数形)の意味
officialが1人の関係者を指すので、officialsはそのまま複数人の関係者を指すことになります。
An official was arrested.
職員・関係者が逮捕された。
Many officials were arrested.
多くの職員・関係者が逮捕された。
ニュースでは「officials」が人数がはっきりしないケースや、人数はあまり重要でない場合などに登場します。確認してみると誰を指しているのかけっこう曖昧な言葉です。
日本語でもニュースで「関係者の話によると」といった報道がありますが、この感覚に近くおそらく1人ではないけれど何人かもはっきりしないケースで、しかもそんなに何人が言ったかの数は重要ではないパターンです。
Government officials announced a new project.
政府職員は新しいプロジェクトを発表した。
The government announced a new project.
政府は新しいプロジェクトを発表した。
「The government」だけだと政府全体を指すけれど、「Government officials」だと政府のある一部が発表したといったニュアンスになります。
以下は埼玉県が発表したホームステイプロジェクトのニュースからです。
Officials announced a project to offer homestays for the families of foreign athletes to promote cultural exchange and increase the available lodging.
(埼玉県の)関係者・当局は外国人アスリートの家族のためのホームステイを提供する計画を発表した。文化交流を促進し、利用可能な宿泊所を増やすためにだ。
この場合はおそらく埼玉県行政のある部門が関わっており、そこの人々が発表したという意味です。
またこのような発表は書類でプレスリリースを出したりするのだと思いますが1人の名義で出すのではなく、複数人からなる部門として発表することが多いです。
この場合ニュースは以下のように続きます。
“It would be an opportunity for athletes’ families to experience the lifestyles of Saitama and make friends with local people so they can cheer (at the Games) together,” said prefectural official Yuichi Saito.
「選手家族が埼玉の生活を経験し地元の人々と友人になって、一緒に(試合を)応援できる機会となるだろう」と県職員の斎藤勇一氏は語っている。
この発言をしたのは明確に1人の職員である斎藤勇一氏なので、ここは複数形ではなく「prefectural official Yuichi Saito(県職員の斎藤勇一氏)」となります。
「officials」は正確には「職員達」「関係者達」と訳せますが、日本語のニュースで「職員達は発表しました」と書くと日本語のニュース文体にそぐわないので「当局者」「関係者」あるいは何も書かないケースも多いです。
誰が言ったかが重要ならば固有名詞や社長・知事のようなトップの名前が登場するはずですが、それを書かずに「officials」とすることは誰が言ったかはあまり重要ではなく、公式・関係者であればだれでもいいといった感じになります。
オフィシャルの、公式の、正式の
officialには「公式の、正式の」といった形容詞の意味もあります。
これはカタカナでも使われている「オフィシャルスポンサー」「オフィシャルサイト」といった使い方と同じなので特に問題ないと思います。
This is the official website of McDonald’s Japan.
これはマクドナルドジャパンの公式サイトです。
officerの意味
officerが使われるのは様々なケースがありますが順番に書いていきます。これも明確に1人の人間を指しています。
まず軍人の高い地位の人「将校」として使われます。
He was made an officer in the Navy when he was only 25.
彼はわずか25歳で海軍の将校になった。
またビジネス用語で、「地位の高い会社役員、CEO、CFO」などを指します。
She was named chief executive officer after Mr. Ford died.
彼女はフォード氏が亡くなった後でCEOに指名された。
また「警察官」としても広く使われています。
Police officers were unable to find the man’s bicycle.
警察官は男性の自転車を見つけることができなかった。
officiate(動詞)
officiateは少し特殊な言葉で意味としては「official(公的な職員)のように振る舞う」であり、公的な立場にある人が、公的なことを実行するという意味です。職務を果たすといった訳が辞書にありました。
よく正式な立場の聖職者が儀式などを司宰することに使われます。聖職者のほかにも審判のような立場にも使われます。
I found a priest who could officiate our wedding.
私たちの結婚式を司宰できる司祭を見つけた。
He officiated two Super Bowls.
彼は2回、スーパーボウルを裁いた。
上の例文はアメフトのレフリーをやったという意味です。