matterの意味と使い方

matterの意味と使い方
 

公開日: 最終更新日:2022.10.1

matter(マター)はまず名詞で使うか、動詞で使うかといった問題があります。名詞では「状況、事態」「考慮すべきこと、事柄、問題」や「物体、物質」といった意味でも使われます。

動詞で使うと「重要である」といった使い方があります。熟語・決まり文句としてもよく使われ「no matter what」「It doesn’t matter」あるいは「Black Lives Matter」のような社会問題にも見られる単語です。

いろんな使い方があるmatterをネイティブスピーカーにヒアリングをしながら例文にまとめています。

matterの名詞での意味と使い方

matterの名詞での意味と使い方

まず大きな意味として名詞で「状況、事態」を意味します。次に紹介する「問題」の意味とも非常に近いです。

例文

I discussed the matter with my boss.

私は上司とその状況について議論した。

例文

A president has to deal with many matters.

大統領は多くの状況に対処しなければならない。

not help matters

辞書には「状況が悪くなっている」の意味しか掲載がありませんが、文字通り「事態の助けにならない」と考えてもいいと思います。ここでのmatterは最初に登場した「状況、事態」の意味です。

確認してみると「事態の助けにならない」ことは、無駄に時間を浪費したり、自然と悪いことがさらに悪くなっていくので暗に「状況が悪くなっている」と匂わせています。

例文

Complaining doesn’t help matters.

泣き言は事態の解決にならない。

例文

Stop trying to blame people for your problems, it’s not helping matters.

自分自身の問題で他人に文句を言おうとするのはやめろ。それは事態の解決にならない。

泣き言をいっても疲れるだけで、他人の文句を言っても恨みを買う可能性もあるので「事態を悪化させる」と考えても間違いではないと思います。

What’s the matter?

What's the matter?

また同じく名詞で「problem(問題)」の意味もあり、日常会話でよく聞かれる「What’s the matter?(どうしたの?)」のmatterは常にこの意味で使われています。

matterは名詞で「考慮すべきこと、事柄、問題」ぐらいの意味なので、直訳すると「問題はなに?」の意味です。

例文

A:You look sad. What’s the matter?

B:I lost my smartphone.

A:悲しそうだね。どうしたの?

B:スマホをなくしちゃった。

以下のように「考慮すべきこと、事柄、問題」として使うことができます。最初に紹介した「状況、事態」の意味とも近いです。

例文

We have to address several matters before starting the plan.

我々は計画を始める前にいくつかの問題に対処しないといけない。

例文

I don’t know what’s the matter with him.

私は彼に何の問題があるのか知らない。

mind-over-matter

直訳すると「問題を超えるマインド・心」です。

困難・問題などを気力で乗り越えることなので「精神力」と考えてもいいと思います。もっといえば「根性」ぐらいに訳せるかもしれません。

例文

Walking on hot coals is said to be the most popular test of mind-over-matter.

熱い炭の上を歩くのは、最も人気の精神力のテストだといわれている。

例文

I don’t know if the medicine is really helping him or if it’s just mind-over-matter.

その薬が彼を本当に助けているのか、単なる精神力なのかは、わからない。

物体、物質

物体・物質

精神的なものや観念的な物事ではなく、物理的な物事を表す「物体、物質」も表せます。特にそれが何かがはっきりと分からない場合に使われます。こちらも名詞です。

例文

A strange organic matter was found on the meteor.

奇妙な有機物質がその隕石で見つかった。

例文

Scientists are on the verge of discovering dark matter.

科学者たちは暗黒物質を発見する間際にいる。

科学者たちは今にも暗黒物質(ダークマター)を発見しそうだという意味です。

重要である(動詞)

動詞でmatterを使うと「重要である」を意味します。

例文

Money is what matters to him the most.

金は彼にとってもっとも重要なものだ。

例文

My family matters to me most.

家族は私にとって最も重要だ。

形容詞のimportantなどを使っても同じような意味の文章は作れます。

例文

Money is what is important to him the most.

Money is the most important thing to him.

My family is most important to me.

(上の例文と似たような意味)

It doesn’t matter

この動詞の「重要である」はよくnot + matterの否定文で「重要ではない」の意味で用いられます。

例文

It doesn’t matter how old you are.

君の年齢は重要ではない。

例文

It doesn’t matter how many scandals Donald Trump has. His supporters love him.

いくつのスキャンダルをドナルド・トランプが持っているかは重要ではない。彼の支持者は彼を愛しているんだ。

主語をit以外にするときは少し注意が必要です。

例文

He doesn’t matter.

彼(の存在)は重要ではない。

もう少し文脈が必要になりますが、上の例文だと「彼の存在、彼そのものが重要ではない」の意味になります。「彼が何かを重要だとは思っていない」ではありません。

Black Lives Matter

Black Lives Matter

Black Lives Matter(ブラックライブズマター)は「黒人の命は大切だ」を意味する黒人差別に反対する社会運動のスローガンです。白人の警察官による黒人への不当な逮捕、発砲などで黒人の命が軽んじられていることへの抗議です。

言葉の構造としては「life(命、生命)」の複数形が「lives」であり、そこに動詞の「matter(重要である)」が組み合わさっています。

発端となったのが2014年のアメリカ合衆国ミズーリ州ファーガソンで起こったマイケル・ブラウン殺害事件です。職務質問された丸腰の少年が白人警官に射殺された事件です。この事件がきっかけで暴動に発展しています。

そこから事件だけではなく、さまざまなターニングポイントとなる白人警官による黒人差別的な事案があって暴動などにつながっています。

no matter whatの意味と使い方

no matter whatは決まり文句、熟語と考えてもよさそうですが、日本語ではよく「たとえ何があろうとも、どんな~しても」といった意訳があてられます。

理屈で考えるなら、このmatterは「問題・課題」であると考えて、what以下のことは「問題ではない」「何も問題ではない」といった意味です。このwhatは関係副詞なのかなといった感じはします。

例文

I’ll get there no matter what.

私は目的を達成する。どんなことも問題ではない。

= たとえ何があっても、私は目的を達成する。

例文

I will go to the party no matter what my wife says.

私はパーティーに行く。妻が言うことは問題ではない。

= どれだけ妻が言っても、私はパーティーに行く。

例文

I will go to the party no matter what happens.

私はパーティーに行く。何が起こっても。

= 何があっても、私はパーティーに行く。

スティーブに言わせると最初の例文である「no matter what」で終わっている最もシンプルな形が基本であり、あとはバリエーションだという話です。

「no matter what」で終われるなら終わればいいし、必要であれば「my wife says」「happens」を付け加えて細かく描写します。

no matter how / no matter where

言い表したい内容にあわせてwhatをほかの疑問詞に変更することができますが、これもバリエーションだという意見です。

例文

I’ll get to the concert no matter where it is.

私はコンサートに行く。どこでやるかは問題ではない。

= たとえどこであっても、私はコンサートに行く。

例文

I will finish it tonight no matter how long it takes.

今夜、それを終わらせる。どれだけ時間がかかるかは問題ではない。

= たとえ何時間かかっても、今夜にそれを終わらせる。

例文

No matter how you feel, you have to go to school.

あなたがどう感じるかは問題ではない。学校には行かないといけない。

= たとえあなたがどう感じようとも、学校には行かないといけない。

「no matter what」は決まり文句であり、これ単独で返事として成立したりしますが、ほかのは文章を続けないと少し変だという意見でした。

例文

I’ll get to the concert no matter where.

(こういう使い方が変だという意見)

しかしno matter whereで切る人もいるかもしれません。

all that matters

「重要なたった一つのこと」を表し「〜だけが大事である」という意味です。

例文

All that matters is you’re safe.

重要なことは君が無事だということだけなんだ。

おそらく他の人が自動車事故に遭い、車はひどいダメージを受けているけれども君は無事だったといった状況です。

例文

In sports, trying your best is all that matters.

スポーツでは、ベストを尽くすことだけが大事だ。

in a matter of

「ほんの~で、約~のうちに、~足らずで」といった意味で、少なさを強調する際に用いられる表現です。

例文

He finished the job in a matter of hours.

彼はその仕事を数時間で終わらせた。

例文

The fight was over in a matter of seconds.

その戦いは数秒で終わった。

このmatterは「事柄、件、問題」みたいに考えて、「数時間の問題だった」「数秒の事柄だった」といった直訳で考えても意味は通ります。

またin a matter ofの後ろには「hours」「seconds」「years」のように幅のある期間が入り、あまり「3 days」や「1 year」のような期間が固定された具体的な数字が入らない傾向があります。

take matters into one’s own hands

「自ら事にあたる」「自分で対処しようとする」の意味で、通常は他人がやってくれるであろうことを自分でやることです。その理由は待つのが嫌だったり、その担当者を信用しなかったりいろいろです。

例文

The police didn’t help him find his stolen car, so he took matters into his own hands and hired a private detective.

警察は彼の盗まれた車を見つけるのを手伝わなかったので、彼は自分で対処しようと私立探偵を雇った。

例文

The government was slow to make a law about carbon emissions, so factories took matters into their own hands and started regulating themselves.

政府は炭素放出への法律を作るのが遅いので、工場は自分たちでなんとかしようと、それらを制限し始めた。

この表現は正確には「自ら事にあたる」「自分でなんとかしようとする」であって、行動に着手しはじめた段階です。

自分がやることで、その問題が解決されたかどうかは不明です。上の例文でいえば、財布が見つかったかどうか、炭素排出が減ったかどうかまではわかりません。



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