特にinbound(インバウンド)は日本でここ数年の流行り言葉、バズワードになっている感じがします。英語圏では1980年代から使用頻度があがっていますが、昔から存在している言葉です。
基本的な意味は「入ってくる、到着する」で、内側に向かってくるようなもの全般に対して使うことができる言葉です。特にinbound(インバウンド)は観光に限定した言葉ではありません。
反対の意味はoutbound(アウトバウンド)で出ていくものに対して使えます。車線の「上り、下り」みたいな概念にも使えるので詳しくまとめてみました。
この記事の目次!
inbound(インバウンド)の意味と使い方
inboundは中に向かってくるようなものに対して使います。「入ってくる、到着する」の意味です。品詞としては形容詞です。
観光限定の言葉ではありませんがinbound tourist(インバウンドツーリスト)といえば、日本視点では外国から日本に向かって入ってくる外国人観光客を指します。
inboundの単語自体がかなりビジネス用語で、カナダ人のスティーブは「意味はわかるけど、日常生活で今まで使ったことがあまりない部類の単語」だといっていました。
inbound lane(インバウンド・レーン)は市内に入ってくる車線なので上り車線です。inbound flightなら帰国する便、自国に帰ってくる飛行機のフライトです。
まだ日常で使う可能性があるとすればこのあたりの言葉ですが、普通は「あっちの車線を使おう」「帰りの飛行機に乗ろう」などであり、わざわざinboundで表現するかといえば微妙なところです。状況によっては使うかもしれません。
A car accident happened on an inbound lane of the highway.
自動車事故は高速道路のインバウンドレーン(上り線)で起こった。
An inbound missile was shot down by the military.
向かってくるミサイルは軍によって撃ち落とされた。
ミサイルの場合は国に向かって飛んでくるようなものです。
Brazil is hoping to attract inbound investors.
ブラジルは外国人投資家を惹きつけることを期待している。
inbound investorだと海外から国内に投資をしてくれるような投資家を指して使われます。
たまたま見かけた山手線車内での都営浅草線の遅延の案内で「inbound line(上り線)」と後で紹介する「outbound line(下り線)」表記がありました。停電(blackout)のため上下線ともに遅延(delay)が出ているという案内です。
inbound tourist(インバウンドツーリスト)
最近はinbound tourist(インバウンドツーリスト)や、inbound tourism(インバウンドツーリズム)といった言葉をカタカナでもよく耳にするようになりました。
touristは「観光客」であり、tourismは「観光事業、観光客の総称、観光」になるので、結局は意味することは同じです。
inboundとつけずに単に「tourist(旅行者)」といってしまうと日本人で大阪から北海道に旅行するような国内旅行者も含まれてきます。またtourismだけだと日本向けの観光事情も含まれてきます。
inboundをつけることで「海外から日本に向かってくる観光客、海外から入ってくる観光客、外国人向けの観光事業」と明確にしています。
The recently frequent natural disasters have been hurting Japan’s inbound tourism.
最近の頻発する自然災害が日本の外国人向けの観光事業に被害を与えている。
Nigeria is working hard to increase inbound tourism.
ナイジェリアは外国人観光客を増やすために必死に取り組んでいる。
inbound marketing(インバウンドマーケティング)
インバウンドとの組み合わせでいえば「インバウンドマーケティング」もビジネス用語としては広く知られる概念になっています。
従来の大規模なCM、宣伝広告などをお金を使って発信するのとは違い、ブログやSNSを使って役に立つ良質なコンテンツを提供して、お客さん側から逆に商品に気づいてもらうような手法です。
このブログも一種のインバウンド・マーケティングです。今、このページを読んでいる人は「inbound」の言葉の意味や使い方を知りたくて検索してたどり着いている人が多いと思います。
このブログの内容はアプリ『ざっくり英語ニュース!StudyNow』に書かれたことを編集して公開しているので、たまたま「inbound」という英語の意味について調べている人に対して「アプリでニュース英語勉強しませんか? 外国人観光客との接客英会話にも役立ちますよ」と興味を持ってもらいおすすめするような手法です。
Depending on the type of business, inbound marketing isn’t always the best strategy.
ビジネスの種類によっては、インバウンド・マーケティングは常に最善の戦略ではない。
There are several blogs full of great inbound marketing advice.
いくつかのブログはすごいインバウンド・マーケティングのアドバイスで溢れている。
新しい手法としてここ数年ですごく注目されていた手法ですが、相手に気づいてもらうのに時間がかかったりするので、業者や会社の規模によっては合わないケースもあるのかもしれません。
outbound(アウトバウンド)の意味と使い方
反対のoutboundも言葉としてあります。これは文字通り外に向かっていく何かに対して使うことができます。
「外(out)」と「内(in)」は当たり前ですが、どこに基準を置くかで変わる相対的なものです。
outbound laneだと中心・市内から外に向かって出ていく車線なので「下り車線」となります。
A car accident happened in an outbound lane of the highway.
自動車事故は高速道路の下り線で起こった。
Japan wants to discourage outbound tourism by highlighting many wonderful locations inside the country.
日本は海外旅行者に対して、国内の多くの素敵な場所を目立たせることで思いとどまらせようとしている。
日本の新聞やメディアが話していればinboundは国内に入ってくるもの、outboundは出ていくものを指しますが、国が変われば指している内容も異なります。
-bound(バウンド)の意味
そもそも-boundは「~の方向に、~に向かって」の意味で、この表現は電車や飛行機のアナウンスで「bound for 〇〇」でよく耳にします。
北に向かうものならば「north-bound」になり、東京に向かうものならば「Tokyo-bound」や「bound for Tokyo」の形で見られます。
The north-bound lane will be closed due to construction.
北に向かうレーンは工事のため閉鎖されるだろう。
A Chicago-bound flight was delayed because of the mistake.
シカゴ行きのフライトはミスのため遅れた。
This train is bound for Tokyo.
この電車は東京行きです。
このboundの使い方は別の記事にまとめているのでご覧ください。何かにはまっていて抜け出せない状況も表せます。