harassment(ハラスメント)の意味(例文付き)

ハラスメント
 

公開日: 最終更新日:2019.12.8

harassment(ハラスメント)は「迷惑行為、嫌がらせ」を意味しますが、今となってはおそらく英語よりも、カタカナにおいてかなりよく使われるようになった言葉です。

まずセクシャルハラスメント(セクハラ)が広まり、パワーハラスメント(パワハラ)やアカデミックハラスメント(アカハラ)などかなり多くの言葉が作られてきています。

さまざまな言葉が付け加えられて新しい言葉が誕生する反面、カタカナ・日本でしか認知されていないような概念もあります。

まずは英語圏で一般的に認知されているものを紹介してから、日本独自の「マタハラ」「ヌーハラ」などに触れています。

harassment / harass

英語では嫌がらせがどんな内容なのかを定義することなく単にharassment、あるいはharassと言う場合が多いです。例文で確認してください。

harassment【hərǽsmənt】
harass【hərǽs】

harassが動詞で「嫌がらせをする、やいやい言う、攻撃する」で、名詞がharassmentとなり「迷惑行為、嫌がらせ」です。同じ内容を別の品詞で表現することができます。

この言葉そのものは広範囲を指しているため具体的にどのような行為かまではよくわかりません。

He quit because he said he was a victim of harassment at his job.
彼は辞職した。なぜなら自分は職場でハラスメントの被害者だと言ったからだ。

He quit because he said he was harassed at his job.
彼は辞職した。なぜなら自分は職場で嫌がらせ/ハラスメントをされていると言ったからだ。

Recently many actresses are coming forward and telling people about the harassment they experienced.
最近多くの女優が名乗り出て自分たちが経験したハラスメントについて人々に話している。

Recently many actresses are coming forward and telling people about the times they were harassed.
最近多くの女優が名乗り出て自分たちが嫌がらせ/ハラスメントをされた時のことについて人々に話している。

sexual harassment(セクハラ)

英語でわりと一般的になっているハラスメントの種類を取り上げてみます。

まず日本でも同様ですが「セクシャルハラスメント」はもっともよく知られたハラスメントですが性的な嫌がらせのことです。

Sexual harassment is one of the biggest problems facing women in the workplace.
セクハラは職場で女性が直面するもっとも大きな問題の1つだ。

The CEO of Uber had to step down after several accusations of sexual harassment.
ウーバーのCEOはセクハラでいくつかの非難を受けたあとに辞任しなければならなかった。

sexual assault

assaultは法律用語で「暴行」などを指す言葉で、明確に人の身体に触れるような行為を指しています。

sexual harassmentは言葉による性的な発言なども含まれるため範囲が大きく、その中にsexual assaultがある、と言葉の表面の意味から考えると間違いではないと思います。

He was arrested for assaulting a police officer.
彼は警察官に対する暴行で捕まった。

しかし各国の法律用語としては明確にどこまでと区別している可能性はあります。

またカタカナでいう触るという意味での「touch(タッチ)」は文脈なしでいえば「(性的な意味で)触る」と受け止められる可能性があるので注意が必要です。

power harassment(パワハラ)

パワーハラスメントは企業や組織で上司が部下に嫌がらせをすることです。もともとは日本語で作られた言葉ですが、英語でも認知されています。

和製英語といえばそうなるのかもしれませんが、職場で権力をかさに嫌がらせをする行為は世界中に溢れているため、概念としては共有しやすいものです。

Being constantly asked to work longer hours and difficult tasks is a form of power harassment.
より長い時間、困難な作業をするようにと絶えず要求されることはある種のパワハラだ。

He quit the job and accused his ex-boss of power harassment.
彼は仕事を辞め、前の上司をパワハラで訴えた。

現象として世界中で起こっている、英語の組み合わせとしても問題がなくネイティブスピーカーにも意味がわかる、Wikipediaにも英語で日本発祥であるという経緯付きですが項目がある、これらを総合すると広く世界で認知されている言葉だと判断しても差し支えないと思います。

しかし、日本発祥の和製英語であり世界各地の全世代にそのまま通用するかどうかぐらいには気を使ってもいいのではないでしょうか。

workplace harassment

ワークプレイスハラスメントは職場で起こるあらゆるタイプのハラスメントを指します。上に紹介したパワーハラスメントも「workplace harassment」の一種だと考えることができます。

Sexual harassment is one of the most common forms of workplace harassment.
セクハラはワークプレイスハラスメントのもっとも一般的な種類の1つです。

Her company won an award for being completely free of workplace harassment.
彼女の会社はワークプレイスハラスメントがまったくないことで賞を得た。

online harassment

オンラインハラスメントはメールやソーシャルメディアで誰かに嫌がらせをすることです。概念としてはよくわかりますがカタカナで「オンハラ」などは聞いたことがありません。

Facebook said they are taking measures to prevent online harassment.
フェイスブックはオンラインハラスメントを防ぐ手段を講じていると述べた。

After his suicide, it was discovered that he was a victim of online harassment.
彼の自殺のあとで、彼がオンラインハラスメントの被害者だったと分かった。

police harassment

ポリスハラスメントは警察による嫌がらせです。たびたびニュースでも取り上げますがアメリカでは警察官の不祥事や、特に白人警察官のイメージ悪化などが社会問題としてあがっています。

Many in the African-American community are protesting police harassment.
アフリカ系アメリカ人のコミュニティーの多くはポリスハラスメントに抗議している。

The mayor promised to tackle the problem of police harassment in his city.
市長はその都市におけるポリスハラスメントの問題に取り組むことを約束した。

マタニティーハラスメント(マタハラ)

近年カタカナでよく聞かれるようになった言葉です。マタニティーハラスメントは日本における社会的な問題について話すときにだけ使われる言葉です。

maternity harassment(マタニティーハラスメント)はマタハラとも言われますが、妊娠中の、もしくは出産した女性が職場などで妊娠・出産を理由に解雇されたり嫌がらせされたりといった差別を受けることです。

maternityは「妊婦の、母であること」で、harassmentは「迷惑行為、嫌がらせ」を意味し、英語としてはそれぞれ存在する言葉ですが、英語の辞書にはmaternity harassmentの言葉では登場しません。

Despite efforts by the Abe administration, maternity harassment has risen since last year.
安倍政権の努力にもかかわらず、マタニティーハラスメントは昨年から増えている。

Numerous studies have been conducted to try and find ways to stop maternity harassment in Japan.
日本でのマタニティーハラスメントを食い止める方法を試して見つけるために多数の調査が行われた。

ヌードルハラスメント

noodle harassmentとは日本では文化として定着している麺を食べる際の「すする音」が外国人にとっては不快である、という問題です。テレビの情報番組で取り上げられ論争が広がっています。

特に日本蕎麦など、空気も一緒に吸うことで香りが広がり美味しく感じるという理由から音を立ててすすることを良しとする日本文化と、音を立てて食事をすることはマナー違反だと感じる外国文化との論争が繰り広げられています。

さすがにこれがそのまま理解されるとは思いませんが、だからといって英語にした場合にまったく成立しない意味不明な単語でもない感じです。

今後も新しい言葉の組み合わせが登場してくる分野ではないでしょうか。



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