アプリ内の映画を扱ったニュースの中で「gritty(砂のような、砂利の入ったような、ザラザラする)」や、その比較級である「grittier」が2回ほど登場しました。
映画の内容の説明として「gritty」とはどういう意味だ? となったので、ネイティブスピーカーに確認したことをまとめておきます。
この記事の目次!
ニュースでの登場事例
1回目はネットフリックスで話題になった『赤毛のアン』がリリースされるときに見出しで登場しています。
New “grittier” Anne of Green Gables series debuts
新しい「より現実的な」な赤毛のアンのシリーズがデビュー
2回目はジャッキー・チェンが復讐に燃える父親を描いた映画『The Foreigner』を取り上げたときに見出しで登場しています。
Jackie Chan takes gritty turn in The Foreigner
ジャッキー・チェンが『ザ・フォリナー』でざらついた感じの役柄に転身
これの日本語訳が辞書にぴったりくるものがなく、見出しの意味としては、より現実的な、空想的でないといった感じになります。
grittyの意味
形容詞のgrittyは「砂のような、砂利の入ったような、ザラザラする」または「勇気のある、気骨のある、意志の強い」の意味があり、比較級がgrittierになります。
混じりっ気のないピュアなもの、空想的でロマンティックなものではなく、砂が入ったような良いも悪いも含めて現実に近いものになったことを意味します。
It’s a gritty crime drama.
それは現実的な犯罪ドラマだ。
例えば昔の007のシリーズの主人公、スパイであるジェームズ・ボンドはダメージを受けない超人的な人物に描かれています。
これはアニメのルパン三世なども同じで、ピストルで撃ち合ってもルパンはコミカルによけて弾に当たりません。
これが最近のシリーズではジェームズ・ボンドが怪我をしてダメージをおうようになったり、より現実的な描写になっています。こういうのがgrittier(比較級)になったといえます。
007 movies have become grittier recently.
007の映画は最近は現実的になっている。
ネットフリックス版の赤毛のアンでいえば、監督の意向として、過去の多く作成された赤毛のアンのように古き良き時代を美化したような作品ではなく、私たちはドキュメンタリーレベルのリアリズムを求めていると語っています。
「私たちはドキュメンタリーレベルのリアリズムを求めています。まるであなたがその時代に満ちてそこに住み、1890年代のプリンスエドワード島の生活の息吹を感じるかのようにするためにです」
こういった悪い部分、現実的な部分も含めて、砂がまじったようなざらついた感じのリアルさを「gritty」で表現しています。
またジャッキー・チェンでいえば、コミカルで人を殺さないジャッキーではなく、復讐に燃える父親という意味でよりざらついた感じのリアルなキャラクターを演じています。
そのほかのgritの使い方
名詞のgritで「砂粒、固い粒」または話し言葉で「根性、気概、堅い意志」などを意味します。
Some grit got into the machine and it’s not working properly.
砂がマシンの中に入って、ちゃんと動かない。
I cleaned some grit out of her hair.
私は彼女の髪の毛から砂を払った。
また勇気、根性みたいな使われ方もします。
It takes grit to enter the boxing ring.
ボクシングのリングにあがるのは勇気がいる。
古い西部劇でジョン・ウェイン主演の映画『True Grit』が有名で、2010年にはスピルバーグによりリメイクされています。
訳すと「真の勇気」といった意味になります。