get / become / turn intoはどれも日本語にしてしまうと「~になる」といった意味では同じですが、扱いが少し違います。
ニュースでは「ドナルド・トランプが第45代アメリカ大統領になった」としてbecomeが用いられましたが、他の言葉でも使えるか順番に見ていきましょう。
「〇〇になる」といっても職業や地位に就くこと、あるいは姿かたちが変わること、など意味が異なってきます。
今回は名詞を中心に扱っていますが形容詞のケースは『「~になる」のgo / get / become / turnに違いはあるのか?』に新しくまとめています。合わせてご覧ください。
become / turn into / getの違い
まず基本的な違いとして「〇〇になる」とした場合に後ろに置くことができる言葉の品詞が違います。
get + [形容詞]
become + [形容詞 / 名詞]
turn into + [名詞]
以下は「彼女は怒った」ですが、最後のturn intoだけ使えません。
◯ She got angry.
◯ She became angry.
× She turned into angry.
姿・外見が変わるturn into
特に名詞を後ろに置く際の「turn into」だけちょっと扱いが大きく変わります。
He got fat.
He became fat.
彼は太った。
He turned into fat.
彼は脂肪になった。
下の文章は魔法でラードの塊などになったならば問題ありませんが、普通は使わない表現です。
もう1つわかりやすい例として「お姫様になる」があります。
She became a princess.
彼女はお姫様になった。
She turned into a princess.
彼女はお姫様に変身した。
下の文章は魔法などでシンデレラのように変身したことを意味します。
turn into は「変わった、変身した」と考えると近いと思います。
トランプ大統領の例
ニュースでこの表現が登場したのはトランプ大統領の就任式のときでした。
トランプ氏は「アメリカ大統領になった」わけですが、これは単純に職を手に入れただけであって、トランプ氏そのものが肉体的、精神的に変化したわけではありません。
今回のようにトランプ氏が大統領という職を手に入れたことを意味するのは以下の文章です。
Donald Trump became the president.
× Donald Trump turned into the president.
(この表現は間違いです)
もしトランプ氏が魔法でオバマ大統領に変わってしまう、変身してしまったならば以下のような表現は共に可能です。
◯ Donald Trump turned into the president.
◯ Donald Trump became the president.
(*トランプは大統領に変身した)
turn intoの使い方
turn intoは「性格など精神的に変わること」「形・外見などが変化すること」を表すことができます。
After becoming the CEO, she turned into a workaholic.
CEOになった後で、彼女は仕事中毒になってしまった/変わってしまった。
When I went to university I turned into a hard-working student.
大学に行ったとき私は勉強熱心な学生に変わった。
When water gets very cold it turns into ice.
水はかなり冷たくなる時に、氷へと変わる。
My wine turned into vinegar because I left it open too long.
私のワインはあまりにも長い間、開けたままにしていたのでビネガーに変わった。
becomeは「性格など精神的に変わること」「形・外見などが変化すること」または「職業などの地位に就くこと」などを表せます。
becomeは両方使えるので、無難だとはいえます。
日本語にすると「~になる」で同じですが、その本質として意味する部分が異なります。