flatterは動詞で「お世辞を言う」の意味として知られます。確かに日本語の「お世辞」と考えても意味が通るケースもありますが、英語のflatterはもう少し広く「相手を喜ばせようとして言う」みたいこと全般を指します。
これは「you flatter me(お世辞をいってるわね)」みたいな定番の英会話表現としても使われています。少し使い方に注意点があるので例文を記載しています。
flatteryは名詞で「お世辞」の意味で、相手を喜ばせる発言などです。これらの意味と使い方をネイティブスピーカーに確認してまとめています。
この記事の目次!
flatterの意味と使い方
flatterそのものは動詞で「お世辞を言う、こびへつらう」みたいな意味でよく用いられます。発音は【flǽtər】です。
flatter【flǽtər】
He is flattering me because he wants to borrow money.
彼は私にお世辞を言っている。なぜなら彼はお金を借りたいからだ。
ただし英語ではもう少し意味が異なり、英語のflatterは「相手を喜ばせるためにする発言など」といった広い意味で解釈できます。
日本語の「お世辞」は本心では思っていないけれど、相手を褒めるような行為を指し使われがちです。上っ面の賛辞といった使い方がされます。
例えば英語で以下のような文章を「お世辞を言う」で解釈すると意味が通りにくくなります。
She is always flattering her boyfriend.
彼女は彼氏にいつも「お世辞」を言っている。
こう訳すと彼女がまるで嘘をついて恋人のご機嫌をとっているようにも思えます。その可能性はありますが、意味としては「彼氏をいつも喜ばそうとして言葉をなげかけている」ぐらいの感じです。恋人に嘘をついてまでご機嫌をとる必要もなく、おそらく彼女は恋人を喜ばそうと本心で言ってるのだと思います。
She is always flattering her boss.
彼女はいつもボスに「お世辞」を言っている。
この場合は上司にいつも「喜ばせるようなことを言っている」であって、日本語の「お世辞を言っている」「おべんちゃらを言う」に近くなります。たぶん、心から言っている感じではなさそうで機嫌をとっているイメージがします。
しかし、どちらにしろ真相は不明であり、わかるのは「相手を喜ばせようとして何かを言っている」といった意味になります。
complimentとflatterの違い
complimentは「称賛」や「称賛する」の意味です。こちらは相手を喜ばせるというよりも、尊敬や敬意を外に向かって表現する行為です。
She is always complimenting her boyfriend.
彼女はいつも彼氏を称賛している。
She is always complimenting her boss.
彼女はいつもボスを称賛している。
この場合は相手を喜ばせるのではなく、自分の中に対する尊敬の念などを外に表現しているのであって、おそらく心からそう思っているのだと判断することができます。
you flatter meの意味と使い方
you flatter me.は英会話でも定番の表現であり「お世辞でしょ、お世辞はやめてよ、お世辞でもうれしいわ」みたいな訳がされます。しかし、すでに紹介したとおり正確に意味をとるならば「あなたは私を喜ばそうとしてるね(けど、そんなのやめてよ)」ぐらいが近くなります。
「you flatter me.」は表現として、ものすごい直球のお世辞をいわれたときよりも、ちょっとひねったような褒め方、表現として褒めているような行為をされたときに登場します。
A:If I study hard, maybe I can become as good a doctor as you are.
もし必死に勉強したら、あなたのような良い医者になれるかもしれないな。
B:Oh you flatter me. I’m not that good.
私を喜ばせようとしているでしょ。私はそんないい医者じゃないわよ。
こういう使い方が自然だという意見です。ド直球の表現をされた場合には普通に「thank you」あたりが出ます。
A:You’re handsome.
あなたはハンサムですね。
〇B:You flatter me.
◎B:Thank you.
「あなたはハンサムです」のような言い方をされた場合には普通にthank youあたりだろうといった話です。You flatter me.が間違いではなく世の中にはそういう人もいると思います。
より言葉・表現・文章として褒めてくれるようなときに使う傾向があるのが「You flatter me.」です。
flattery(名詞)の意味と使い方
flatteryが名詞で「お世辞、へつらい、おだて」の意味で、ことわざ、格言、決まり文句として見かけます。
flattery【flǽtəri】
Flattery will get you nowhere.
お世辞をいっても何も出てこないよ。
直訳すると「お世辞はあなたをどこにも連れて行かない」みたいな意味です。
Imitation is the sincerest form of flattery.
真似することが最も誠実なお世辞になる。
解釈の幅は少しありますが、有名人のモノマネをすることは相手をよく観察して勉強していることになるので、それは最大の褒めている、尊敬につながるみたいな意味です。
また誰かにクセなどをモノマネされてちょっと小馬鹿にされたような時に、この言葉を皮肉っぽく返したりするそうです。
flatteringの意味と使い方
flatteringはflatterにingがついた形なので現在進行形としても登場しますが、形容詞ではflatteringは「見栄えがする」みたいな意味で使われます。
単純に「良い」と考えても遠くはありませんが、ほめるかのように引き立たせるようなものに使います。
That is an flattering picture of you.
あのあなたの写真は写真写りがいいね。
I like that dress. It’s flattering.
あのドレスは好きだよ。見栄えがする。
Company websites try to use the most flattering picture of their CEOs.
企業のウェブサイトでは最も見栄えがするCEOの写真を使おうとする。
では、実物が悪いのかといえばそんなこともなく、単純に良いといった意味になります。
ただし「見栄え」と考えるのが近く、シンプルな「ゴッホの絵はflatteringだね」みたいな単純な良い・美しいの意味では使いません。
unflatteringの意味と使い方
辞書には「(肖像などが)実際・実物より悪い」とあり、この意味でも確かに使えます。
That is an unflattering picture of you.
あれは実際のあなたより写りが悪い写真だよね。
Tabloids often use unflattering pictures of people involved in scandals.
タブロイド紙はしばしばスキャンダルに巻き込まれた人の写りが悪い写真を使う。
他に「魅力的でない、似合わない」でも掲載があり、これも単純に「悪い」と考えても意味が通ります。
I don’t like that dress. It’s unflattering.
あのドレスは好きではない。魅力的ではない。
この場合など「実際・実物より悪い」という意味があまりなくて「見栄えが悪い」ぐらいで、単純に魅力的でないといっている感じが近いです。
flatの比較級
まったく関係はありませんがflat(平ら)の比較級もflatter(より平ら)になってしまうので同じ「flatter」の形を見かけます。
A cat’s face is flatter than a dog’s face.
猫の顔は犬の顔よりも平らだ。