「ついに、最後には、結局、とうとう」などを表す表現はいくつかありますが、それぞれの違いについてはネイティブスピーカーにヒアリングを行いました。
取り上げる言葉は「finally」「eventually」「in the end」「at last」「lastly」の5つの類義語です。この中ではeventuallyのみ時間の経過に焦点があたっているため他の4つとは性質が異なるという意見です。
また特にfinallyやat lastなどはポジティブな意味が強いので話の流れを見て使う必要があります。いくつかあまりよくない組み合わせの例文も用意しているので、使い方の参考にしてください。
この記事の目次!
finallyの意味と使い方
「finally」はその行為を終えるのに長い時間がかかった、もしくは成功/達成するまでにある程度の努力や挑戦が必要だったことをほのめかしています。
finallyは基本的に良いこと、待ち望んでいたようなことに対して使います。日本語では「とうとう、ついに、ようやく、最終的に」などの意味です。
発音は【fáinəli】です。上のアイコンをタップすると音声が聴けます。
After years of studying she finally became a doctor.
何年も勉強したあと、彼女はついに医者になった。
I finally arrived in New Zealand.
私はとうとうニュージーランドに到着した。
My Pokemon egg finally hatched!
ポケモンのたまごがとうとう孵化した!
I can finally eat dinner.
いよいよ夕食が食べられる。
下のeventuallyとの違いで触れていますが、finallyは文字通り「final(ファイナル)」から来ているのでまだ続きがあるような物事の途中で使うと変です。
at lastの意味と使い方
「at last」は人々がその行為が起こるのを待っていたこと、待ち遠しく思っていたことをほのめかしています。
意味としてはfinallyにかなり近く置き換え可能なケースも多いですが、やや「待っていた」といったニュアンスが強くなっています。
日本語では同じく「ついに、とうとう、いよいよ」あたりが近くなります。
You’ve arrived at last! What took you so long?
やっと到着したね! どうしてそんなに長い時間かかったの?
At last they’re released a new album!
ついに彼らは新しいアルバムをリリースしたよ!
登山をしていて「ついに山の頂上にたどり着いた!」といった場合は、待っていたというよりも努力や挑戦の結果なので「finally」のほうがベターだといえます。
しかし、山の頂上を待ち望んでいたと感じることもあると思うので、限りなく意味としては近い言葉です。
in the endの意味と使い方
「in the end」はその状況を終えるのに多くの可能性や変化があったことをほのめかしています。
in the endそのものはニュートラルな表現なので、in the endだからといって悪い結果になったことを表しているわけではありません。ただし、悪い結果に対して使われることも多いです。
日本語では「最終的に、最後には、結局は」あたりが近いニュアンスです。
The companies negotiated for days, but in the end decided that the plan wasn’t a good idea.
会社は何日もかけて協議したが、結局その計画は良いアイデアではないとの判断を下した。
I looked through many wallpaper catalogs and I decided on pink for the kitchen in the end.
私は多くの壁紙のカタログに目を通して、最後には台所をピンクに決めた。
In the end he died from cancer.
結局は、彼はガンで亡くなった。
In the end she lost her job.
結局は、彼女は失業してしまった。
lastlyの意味と使い方
「lastly」は単に一連の物事の最後を意味します。「最後に」と考えてもいいと思います。特にニュアンスを含まない、順番の話になります。
発音は【lǽstli】です。
Our dinner included steak, salad, soup, cake, and lastly a cup of coffee.
私たちのディナーにはステーキ、サラダ、スープ、ケーキがあり、最後にコーヒーが付いていた。
I’m going to finish my speech soon, but lastly I want to say thank you to all the people who helped me.
間もなくスピーチを終えます。しかし最後に私を助けてくれたすべての人々に感謝を述べたい。
eventuallyの意味と使い方
eventuallyは何かの過程において「かなりの時間を要した」という意味を含む「時間の経過」に焦点が当たった言葉です。この時間は長い場合が多いです。
日本語としては「いつかは、いずれは、そのうち、ゆくゆくは、最終的に」の意味になります。個人的には「やがては」が近いのかなと思います。
一方で他の4つの言葉は「物事の過程の最後の段階・順序・状態」に来たことにスポットがあたった表現となります。もちろんそこに行くまでに時間がかかっている場合もありますが「last」「final」「end」などの言葉に関連するように「ある物事の段階が最後の状態」だといっているだけです。
この意味ではeventuallyだけは単に長い時間の経過を指しているので必ずしも最終段階とは限らない点で、他の言葉とは種類が違うという意見でした。
発音は少し難しいですが【ivéntʃuəli】です。
以下の例文を比べてみてください。
First, wait at the train station. Eventually, the train will come and pick you up. Finally, get off at the last stop.
はじめに、電車の駅で待ってて。やがて、電車が来てあなたを乗せてくれる。最終的に、最後の駅で降りて。
この場合は待っている時間があって、そうしているうちに電車がやってくるといった時間の経過を表す状況なのでオッケーな表現です。
First, wait at the train station. Finally, the train will come and pick you up. Finally, get off at the last stop.
(finallyが2回出て変な表現です)
このように最後の段階(ファイナル)ではないときにfinallyを使うのは変になります。この意味ではfinallyとeventuallyは違いが出るため置き換えができません。
置き換えができるケース
しかし最後の段階がかなりの時間をかけて起こるケースはよくあります。この場合は置き換えて使うことが可能です。
He battled his disease for many years, but he died in the end.
= He battled his disease for many years, but he died eventually.
彼は何年も病気と闘ったが、とうとう亡くなった。
こういう意味ではeventuallyが持つ「時間の経過」というニュアンスが、物事の最後の順番と合致しています。
eventuallyが使えない場合
eventuallyはかなりの時間を要している場合に使われる表現なので、一連の出来事がとてもはやいスピードで起こるときにはあいません。
○ Mike Tyson immediately hit his opponent with jabs, then right hooks, and lastly knocked him out with an uppercut.
マイク・タイソンはすぐにジャブで敵を殴った、それから右フック、ついにはアッパーカットで彼をノックアウトした。
上の例文はすべてのパンチが連続して素早く起こったと感じさせます。
△ Mike Tyson immediately hit his opponent with jabs, then right hooks, and eventually knocked him out with an uppercut.
(すごい時間がかかっているように感じる)
一方で下の例文だと他のパンチをしたあと、長い時間が経ってからノックアウトとなったように受け止められてしまいます。
もしこのノックアウトがとてもはやいスピードで起こっていた場合にはこの表現はできません。
注意が必要な組み合わせ
どれもよく似た表現ですが、状況によっては注意しなければならない組み合わせがあります。
特に「finally」「at last」はポジティブな意味が強いので使い方を間違えると変な文章ができあがります。
例えば人が亡くなったときです。
In the end, he died.
結局、彼は亡くなった。
これがベストな表現です。最後には亡くなってしまったの意味です。
▲ Finally, he died.
とうとう、彼は亡くなった。
▲ He finally died from cancer.
彼はついに癌で亡くなった。
この表現はときどき使われることもありますが、finallyには何かを達成しようと努力してゴールにたどり着いたニュアンスが含まれるため、何も考えずに使うと危険な表現です。
もし使う場合には声の抑揚や、前後のやり取り/状況がとても重要になってくるので注意する必要があります。
▲ At last, he died.
ついに、彼は亡くなった。
死んでほしいと思うようなあまりにもひどい人物であれば別ですが、その人が死ぬのを待ち望んでいたことになるので普通は使わない表現です。
また以下の言葉ではニュアンスに差が出ます。
Kyoko Fukada finally joined Instagram.
深田恭子がついにインスタグラムをはじめた。
finallyは待ち望んでいたことで楽しいことに聞こえます。
In the end, Kyoko Fukada joined Instagram.
結局は、深田恭子はインスタグラムをはじめた。
ずっと深田恭子は拒否していたけど、事務所に無理やりやらされてかわいそうなどの状況ならばin the endも可能です。
詳細はわかりませんがin the endを使うと、何かそこにいたるまでに紆余曲折があったことを匂わせています。