「escort(エスコート)」は動詞で使った場合は私たちがイメージする手を引いて「女性をエスコートする」「マダムをエスコートした」のような使い方になりますが、名詞では意味が大きく変わる言葉だといえます。
名詞で文脈なしで「escort(エスコート)」で人を指した場合には、有料で性的なサービスを提供する人を指すことが多いです。ここでは「escort(エスコート)」の意味と使い方を、それぞれ動詞と名詞で整理しています。
escort(エスコート)の動詞での意味
まずescortを動詞で使うと「同伴する」で主に男性が女性を護衛するようなイメージの言葉です。よく女性の手をひいてレッドカーペットの上を歩く様子などが授賞式や式典で見られます。
ほかにも日常会話の範囲内でも、警備員や店員が付き添って、迷ったりしないように案内するような行為を指しても使われています。
Let me escort you to your car.
車までエスコートさせてください。
The usher escorted us to our seats.
案内係が私たちを座席までエスコートした。
Police escorted the idol through the crowd.
警察がそのアイドルを人込みの中でエスコートした。
I hate it when salespeople escort me out of the store.
販売員が店の外までエスコートしてくるのが嫌いだ。
You’re fired! Security will escort you out of the building.
お前はクビだ! 警備員が建物の外までお前を案内する。
場合によってはお店で商品を買うと、店の外まで先導してくれたり、案内してくれるようなことも指します。
escortの名詞での意味
escortを名詞で人を指して使うと、有料で客と一緒に時間を過ごす人です。「有料で客と一緒に時間を過ごす」は食事をしたり映画をみたり、パーティーへの同席もあるかもしれませんが、そこには性行為も暗黙として含まれるような相手を指します。一種の売春婦の婉曲表現のような性質を持ち合わせています。
広い意味で「同伴者」と考えることができます。
He hired an escort to the event.
彼はイベントにエスコートを雇った。
She is a top escort.
彼女はトップのエスコートだ。
「call girl」や「hooker」は、直接的な性行為だけの相手を指すような関係ですが、escortはもう少し範囲が広く、直接的な表現を避けた含みがある表現だといえます。とはいえ、みんな何をやるのかはわかっている感じです。
グーグルの画像検索で英語の「escort」とカタカナの「エスコート」を調べてもらえると分かりますが、明らかに表示されるものが違います。特に英語版のグーグルで「escort」は表示に制限をかけていなければ露骨に性的なイメージが表示されます。
しかし、もちろん文脈がはっきりしていれば普通の「同伴者」の意味にとれます。
Olivia’s father can’t come to the ceremony, but her grandfather will serve as her escort to the stage.
オリビアの父親は式典に来れないが、彼女の祖父がステージへのエスコートを務めるだろう。
police escort / military escort
またescortは特定の言葉をともなった場合は、性的な意味はなくなります。police escortは警察の護衛のような意味合いです。
The pop star had a police escort.
そのポップスターは警察のエスコート(護衛)があった。
ほかにもmilitary escort(軍隊のエスコート)なども同じような位置づけで、性的な意味はありません。