enter(エンター)は動詞で「~に入る」といった使い方ができます。建物に物理的に入る意味から、学校やクラブなどに「在籍する、加入する」といった意味でも使うことができます。
entry(エントリー)とentrance(エントランス)はどちらも名詞で「入口、玄関」と「入るという行為、入ること」を意味します。けっこう近い言葉であり、違いについても整理しています。
この記事の目次!
動詞のenter(エンター)の使い方
enterは動詞で何かの中に入ることで「~に入る」を意味します。まずわかりやすい使い方が建物などに物理的に入るような以下の例文の使い方です。
She entered the bank and started shouting at the staff.
彼女は銀行に入り、従業員に叫び始めた。
I closed the window, but cold air still entered the room.
窓を閉めたが、それでも冷たい空気が部屋に入った。
加わる、参加する
joinと同じで「加わる、参加する」の意味でも使うことができます。身体が物理的に入るというよりも、そこに籍を置いたり所属する意味です。
I entered a contest to win a car.
車を勝ち取るためのコンテストに参加した。
The USA didn’t enter World War II until 1941.
アメリカは1941年まで第二次世界大戦には加わらなかった。
学校に入学する場合はenterで問題ありません。
He entered Harvard in 1999.
彼は1999年にハーバードに入った。
しかし「会社に入社する」という場合に「enter」を使うのは支離滅裂なわけではありませんが、ベストな言葉の選択かといえばそうではなく「start working」や「join」を使うほうが適切で自然な言葉遣いだといえます。
△ When he left college he entered Sony.
When he left college he started working with Sony.
When he left college he joined Sony.
大学を離れた後で、彼はソニーに入った。
入力する、インプットする
またinputとも同じで「入力する、インプットする」の意味もあります。コンピュータでデータを確定するときのキーは「エンター(リターン)キー」です。
She entered the wrong password.
彼女は間違ったパスワードを入力した。
You need to enter your PIN when using an ATM.
ATMを使うときには暗証番号を入力する必要があるよ。
突入する
時間的に何かが「突入する」といった意味でも使えます。
We are entering the second week of the Olympics.
オリンピックの2週目に突入している/入っている。
The prisoner is entering day-three of his hunger strike.
その囚人は3日目のハンガーストライキに入っている。
ハンガーストライキはハングリー、つまり食べないことによって何かを主張する抗議活動です。
これらはenterをそのままgo intoで置き換えることが可能です。
We are going into the second week of the Olympics.
(上と同じ意味です)
名詞のentry(エントリー)の使い方
entry(エントリー)は参加される何か、もしくは参加する何かのことで「参加(者)、出品(作品)、登録」などを意味します。
She was the last entry to the contest.
彼女はそのコンテストへの最後の参加者だった。
The diary has several entries about the war.
その日誌には戦争に関する項目がいくつかある。
entryは「入るという行為」「入ること」を指します。どこに入るか、何に入るかによってふさわしい言葉を選んでください。
Entry to the country was prohibited.
その国への入国は禁止されていた。
She was denied entry to the club.
彼女はその部への入部を拒否された。
またentryには「入り口、玄関」の意味もあります。この意味では次に紹介する「entrance(エントランス)」が使われやすいです。
The building had three entries.
その建物には3つの入り口があった。
entrance(エントランス)の使い方
「入り口、玄関」といった意味ではカタカナではentrance(エントランス)がよく使われます。入ることができる場所のことで「入り口、玄関」です。
あとでもう一度紹介しますが、entryも同じ意味で使えます。
The hotel’s entrance was decorated beautifully.
そのホテルのエントランスは美しくデコレーションされていた。
The entrance was blocked by protestors.
抗議者によって入り口が封鎖された。
建物の入り口としてのエントランスはわりとカタカナの感覚に近いのでわかりやすいです。
しかしentranceには「入ること、入る行為」という意味もあります。
Entrance to the country was prohibited.
その国への入国は禁止されていた。
Pro-wrestlers have special theme music during their entrances.
プロレスラーは入場の際に特別なテーマ音楽がある。
entrance(エントランス)とentry(エントリー)の違い
entrance(エントランス)は「建物の入り口・玄関」と「入る行為、入ること」の意味があります。
一方で「entry(エントリー)」にも「建物の入り口・玄関」と「入る行為、入ること」さらに「参加(者)、出品(作品)、登録」の意味があります。
これらの重複する意味においては2つは置き換えても成立します。
The guard stood at the entry to the tunnel.
The guard stood at the entrance to the tunnel.
警備員はトンネルへの入り口に立った。
Entry to the country was prohibited.
Entrance to the country was prohibited.
その国への入国は禁止されていた。
She was denied entry to the club.
She was denied entrance to the club.
彼女はその部への入部を拒否された。
His entry was blocked by protestors.
His entrance was blocked by protestors.
彼が入ることは抗議者によってブロックされた。
Pro-wrestlers have special theme music during their entries.
Pro-wrestlers have special theme music during their entrances.
プロレスラーは入場の際に特別なテーマ音楽がある。
しかし、entryにだけ「参加(者)、出品(作品)、登録」の意味があるため、少し言葉遣いによっては混乱する要素になります。
The building had three entry points.
The building had three entrance points.
△ The building had three entries.
The building had three entrances.
その建物には入口が3箇所あった。
上の例文で△がついているものだけ、その建物がコンテストなどの会場になっており、そこに3人の参加者がいたようにも解釈できる幅があります。他は明らかに入り口・玄関の話をしているのがわかりますが、1つだけちょっと漠然としている感じがします。このような混乱を招くケースでは言葉を選んでもいいと思います。