英単語としてのdunkの意味を考える場合には、一般動詞としてのdunkと、バスケットボール用語としてのダンクシュート・ダンクショットについてわけて考えてみます。
ダンクといえばバスケットボールの用語が真っ先に思い浮かびますが、ダンキンドーナツ(Dunkin’ Donuts)のように普通の言葉としても見かけないわけではありません。
またダンクシュートやダンクショットが和製英語になっているので、これもあわせて取り上げてみます。
dunk(液体に浸す)
dunkには「液体につける」といった意味があり、よくパンなどを牛乳につけて食べる動作などに使われます。
活用は規則変化なのでdunk-dunked-dunkedとそのままです。
有名な「Dunkin’ Donuts(ダンキン・ドーナツ)」も名前がお客さんがドーナツをコーヒーなどに浸してから食べることを示唆しています。おそらく、そのあたりが店名の由来だと思います。
I like to dunk my cookies in milk when I eat them.
私は食べるときにクッキーを牛乳に浸すのが好きだ。
He dunked his head in cold water to cool down.
彼はクールダウンするために頭を冷たい水に浸した。
バスケ用語のダンク(スラムダンク)
dunkはバスケットボール用語として最も有名です。ボールを手から離さずに、そのままリングの中に叩きつける行為です。
Shaquille O’Neal was known for his huge slam dunks.
=Shaquille O’Neal was known for his huge dunks.
シャキール・オニールは大きなダンクで知られていた。
He has a basketball net that lights up when someone slam dunks.
彼は誰かがスラムダンクをしたときにライトがつくバスケットのネットを持っている。
ダンクシュートは和製英語で、「シュート」とは撃つこと、発射を意味するため、ボールを持ったままゴールに叩き込むダンクはむしろ「シュート」をしていません。
He dunked the ball.
彼はボールをダンクした。
He shot the ball.
彼はボールを発射した・放った。
このどちらかの使い方なので、ダンクシュートは英語としてはちょっと変です。”dunk shoot”や”dunk shot”で検索しても日本のサイトしかほぼ検索にひっかからない状況です。
ダンクとスラムダンクの違い
日本のバスケ用語の状況はわかりませんが、英語では「slam dunk」と「dunk」に区別がなく、どちらも同じ意味です。ダンクの中でも強烈なものがスラムダンクというわけではありません。
slam dunkが省略されてdunkになったという話です。slamには「強く叩きつける」といった意味があります。
He slammed the book on the table.
彼は本をテーブルに叩きつけた。
She slammed the door when she left.
彼女は離れるとき、ドアを叩きつけた。
スラム街のスラムは「slum」なので字が違います。
slam dunkはまれに「確実に成功すること」あるいは「完璧」の意味で比喩として用いられます。
You should apply for that job. It would be a slam dunk for you.
あの仕事に応募するべきだよ。確実に成功するよ。
Your presentation was a slam dunk.
あなたのプレゼンはスラムダンクだったよ。
漫画『スラムダンク』とジョーダンのコラボ
日本をはじめアジアでも人気が根強い井上雄彦さんの漫画『SLAM DUNK』とNIKEのバスケットボールシューズ「エア・ジョーダン(Air Jordan)」と「ジョーダン・スーパーフライ(Jordan Super Fly)」が何年か前にコラボしていました。
(プロモーション動画もありますが音声が鳴ります)
10.18 2014https://t.co/vMix3VYILs
— Nike Japan (@nikejapan) 2014年10月16日
これをニュースで配信したのでご紹介します。
NIKE has announced a collaboration between their Jordan line of Michael Jordan themed shoes with the masterpiece that started the basketball craze of the 90s, Slam Dunk.
NIKEは90年代にバスケットボールブームを巻き起こした名作『スラムダンク』と、マイケル・ジョーダンをモチーフにしたJORDANのコラボレーションを発表した。
Instead of the usual number 23 printed on Jordans, these feature the the jersey number 10 belonging to the main character Hanamichi Sakuragi.
通常のエアジョーダンに入っている数字「23」の代わりに、主人公である桜木花道の背番号「10」が印字されているなどのデザインが特徴。
They will be released worldwide in two versions: Air Jordan Retro 6 Slam Dunk and Jordan Super Fly 3 Slam Dunk.
全世界で発売されるのは「エアジョーダン6 レトロ・スラムダンク」と「ジョーダン スーパーフライ 3 スラムダンク」の2種類。
NIKEが好きな人には当たり前の話かもしれませんが、スポーツブランド「NIKE」の中に、バスケットボールプレイヤーのマイケル・ジョーダンをテーマにした「Jordan(ジョーダン)」というカテゴリがあります。
その中に今回、商品になった「Air Jordanシリーズ」や「Jordan Super Flyシリーズ」といったシューズがあるという構造ですね。知らないで読むと少し混乱するかもしれません。
エア・ジョーダンのようにNIKEというブランドの中のカテゴリで、何作も出ているものをシリーズと表現するかどうかといった問題もあります。
シューズには湘北高校のチームカラーである赤を基調に、作中の名場面がプリントされています。作者の井上雄彦さんもTwitterでコメントを出しています。
30年後にこういう靴が出るんだよと当時の自分に言っても信じないだろう。ついに、このコレクションが実現しました。バスケとの出会いに感謝。ありがとう #JORDAN X #SLAMDUNK #ジョーダン X #スラムダンク pic.twitter.com/8vT9ZBQKBQ
— 井上雄彦 Inoue Takehiko (@inouetake) 2014年10月16日
ニュース文に登場する「jersey number」は背番号の意味です。別の表現ではuniform numberでも通じます。
これは日本語でいう「ジャージを着て集合しろ」のジャージです。ジャージー編みによって伸縮性を持たせた布を使ったスポーツウェアを指しますが英語では「Tracksuit」といいます。ブルース・リーが着ていたやつです。
関連項目としてNIKEの「Just do it.」に関する英語のエピソードがあるのでご覧ください。