dealそのものは「売る、取引する」みたいな意味ですが、動詞で使った場合にwithやinを伴うかどうかで少し意味が異なってきます。
整理してみると、dealの使い方がいろいろな意味があるため思ったより複雑だったので順番にご紹介していきます。今回取り上げるのは動詞での使い方が中心です。
dealの過去形・過去分詞はdealt【délt】なので例文によってはdealt withのような形で登場します。ネイティブスピーカーに例文を作ってもらいながら整理しました。
名詞のdealやbig dealについては『big deal / great dealの意味と使い方』をご覧ください。
またcope withとの違いについては『cope withとdeal withの違い』に移動してまとめています。
この記事の目次!
dealの意味と使い方
dealをそのまま単純に使った場合は、取引する、販売する、売買するなので「sell」と同じような意味になりますが、商品によってdealできるものとできないものがあります。
He deals cars.
彼は車を売っている。
He deals Apple products.
彼はアップル製品を売っている。
He deals clothes.
(この表現は少し変です)
では何がdealできて何ができないのかといえば、dealer(ディーラー)という言葉が存在する職業・業種かどうかがひとつの目安になります。
dealerが何かという話になりますが、基本的にTOYOTAのディーラーならば、TOYOTAの社員ではないけどTOYOTAから車を買って、それを他の人に売る仕事です。TOYOTAの社員や従業員ではなく独立した第三者として仕入れや販売を行う人のことを指すと考えられます。
車やアップル製品などはメーカーから仕入れて自分で売る人をdealer(ディーラー)と呼ぶのは一般的ですが「服のディーラー」などあまり一般的な表現ではないので少しおかしいといえます。
こういったdealerのような言葉が存在する職業ではdeal 〇〇と直接の表現をしても問題ありません。
配る、与える
他にもdealをトランプなどを配ることに対して、そのままの形で使われます。これも有名な意味です。
He dealt the cards for a game of poker.
彼はポーカーのためにカードを配った。
He deals Yu-Gi-Oh cards.
彼は遊戯王のカードを配る(売る?)
上のような遊戯王のようなカードゲームだと、販売しているディーラー的な存在か、遊ぶために配ったのかよくわかりませんが、おそらくは配ったと判断される可能性が高いです。
報償や罰などを加える
またdealには「報償や罰などを加える」といった意味も存在しています。たまに登場した時に知らないと混乱する意味です。
He deals damage to his opponents.
彼は敵対者にダメージを与えている。
She dealt him a strong blow to the face.
彼女は彼の顔面に強烈な一撃をお見舞いした。
deal inの意味と使い方
deal単体では販売する商品に制限がありましたが、deal inの形になればどのような商品でも「販売する」の意味で使うことが可能です。
He deals in cars.
He deals in Apple products.
He deals in clothes.
上の例文はすべて「〇〇を販売している」といった意味になります。
deal withの意味と使い方
deal withで「取り組む、解決する、対応する、取引する」といった幅広い意味で使えます。これも順番に例文を交えてご紹介します。
全体的には「対応する、取り扱う、処理する」みたいな意味ですべてかろうじて解釈できますが、細かく分類してみました。
取り組む / 戦う
後ろに困難なこと、問題などをおいて「取り組む、解決しようとする、コントロールしようとする」などの意味です。solveやfightの意味が近いです。
Obama is trying to deal with ISIS in the Middle East.
オバマは中東におけるイスラム国問題の解決を試みている。
How can I deal with these mosquitoes in my house?
家の中の蚊とどう戦おうか?
He is dealing with a cold now.
彼は今、風邪になっている(対処しようとしている)
He is dealing with cancer.
彼はガンと闘っている。
このように病気などに対しても使うことが可能です。
トランプ大統領も使っています。北朝鮮に対して「取り組む、対処する」といった意味でしょう。
Our country has been unsuccessfully dealing with North Korea for 25 years, giving billions of dollars & getting nothing. Policy didn't work!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年10月9日
関係する・取り扱う・処理する
interact with(関係する)に近い表現で、何かしらの関わり合いを持っているなどの意味です。
This company deals with thousands of customers every day.
この会社は毎日、数千もの顧客を取り扱っている。
上の例文は少し具体性にかける表現で何をやっているのか曖昧な部分が残る表現です。
A salesperson must deal with customers everyday.
営業マンは毎日顧客と関わらなくてはいけない。
I don’t like dealing with the engineering department of my company.
私は自社の技術部と関わりるのが好きではない。
単純にabout(~について)に近い意味にもなります。下の例文は「経済に関連したスピーチ」だと考えることができます。
Trump’s speech dealt with the economy.
トランプは経済についてスピーチした。
make a deal withの意味
make a deal withで「契約を交わす」の意味になります。ビジネス用語としてよく見かける表現です。
I have to make a deal with Toyota to save my company.
私は会社を救うためにトヨタと契約しなければならない。
ここでdeal withを使うと少し曖昧な表現になってしまいます。
I have to deal with Toyota to save my company.
(*契約する、協力するのか? それとも戦うといった意味か?)
もともとが処理する、対応するみたいな意味なので解釈の幅があります。
Mafia boss: Deal with him.
(マフィアのボスのセリフ)
マフィアのボスが上のセリフを言った場合は「彼を処理しろ(殺せ)」とも「彼と交渉しろ」とも受け止めることが可能です。