英語と日本語で「デート」という言葉の感覚や使い方が少し違うように感じたのでまとめてみました。
日本語のデートは、彼女・彼氏の関係でない状態で遊園地にいったり、食事をしたり、お互いに楽しむような段階を指すことが多いです。
また彼氏・彼女の関係になってから映画を見にいったりすることも「デート」です。何か「イベント」としてのニュアンスが色濃いです。
このあたり英単語としての「date」を掘り下げてみたいと思います。根本的なところで英語圏と日本語で考え方がずれているように思うので、それは後半にまとめています。
この記事の目次!
英語のdate(デート)意味
英語でも日本語のような感覚、イベントとしてのデートは使えます。遊園地に行ったり、映画に行ったり、観覧車にのってみたり単発のイベントとしてのデートです。
We have a date at an amusement park.
私たちは遊園地でデートをする。
We will go on a date to an amusement park.
私たちは遊園地にデートをしに行くだろう。
How was your date?
デートはどうだった?
Ask the girl on a date.
あの子をデートに誘えよ。
He told a salacious story about his date last night.
彼は昨夜のデートのわいせつな話を語った。
日本語でも英語でも、この「イベント」としてのデートに行くのは彼女・彼氏のカップルでないケースもあれば、成立したカップルのケースもあるし、片思いでかろうじて誘ったような関係も考えられます。
blind date(ブラインドデート)
日本ではあまり馴染みがありませんが、第三者の紹介者を通して、初対面の人同士が行うデートを指します。
日本の合コン・コンパに近いですが、基本的には1対1で、第三者は引き合わせたらいなくなります。デートするもの同士も当日まで誰が来るのかわかりません。
今、どれほど行われているのかは不明ですが、テレビドラマや映画などで見かけることがあるかもしれません。
日本のお見合いも雰囲気は随分と違いますが、やっていることは似ている部分も多いですね。
付き合っている
イベントとしてのデート以外にも動詞で「付き合っている(彼氏・彼女の関係)」の意味でもdateがよく使われます。
Don was dating a supermodel.
ドンはスーパーモデルと付き合っていた。
この場合の二人の関係は明らかに彼氏・彼女ですが、イベントとしてのデートの場合は単に友達同士か、彼氏・彼女の前段階なのかはっきりしません。
この2つは明らかに違うと私は思ったのですが、スティーブはつながってることだし、一緒だろうと言っています。
「イベントとしてのデート」と「付き合っていること」って概念としてつながってますか?
go out with
英語ではdateよりもむしろ「go out with」をよく使うそうです。交際する、付き合うの意味で使われるのがgo out withです。
I’m going out with a supermodel.
= I am dating a supermodel.
私はスーパーモデルと交際している。
I asked a girl in my science class if she would go out with me.
私は科学のクラスの女の子に付き合ってくれるか頼んだ。
ただし単発のイベントにも使えないこともなさそうな感じで微妙なところです。
I will go out with a supermodel tonight.
= I will have a date with a supermodel.
今夜、スーパーモデルとデートをするだろう。
デート相手
「デートの相手」としての人間を指してdateも使われています。以下のようにデートの相手、パーティーなどに同行する相手としての使い方があります。
My date left the party early because she was sick.
私のデート(人)はパーティを早く離れた。なぜなら彼女は病気だったからだ。
My wife was my date to the award ceremony.
賞のセレモニーでは妻が私のデート(人)だった。
英語のデート(date)の意味
カナダ人のスティーブと「デート」という表現について英語と日本語の差がどこにあるのか話し合ってみました。
整理してわかったのはなんとなく英語のdateが表現できるものは2つの軸で考えることができます。
【時間の軸】
①単発のイベント:遊園地に行く、映画に行くようなこと
②継続的な関係:恋人同士である関係のこと
【恋愛性の軸】
③恋愛的な感情を含む
④恋愛的な感情を含まない
英語との大きな違いは、日本語ではこれらはわりと明確な境界線があって、すぱっと割り切れます。しかし英語ではこれらは陸続きでつながっているシームレスなものであると考えているような感じがあります。
したがって以下のように日本語(カタカナ)には存在しない使い方もできます。
I have a date with a customer.
お客さんとデートがある。
この場合の意味はミーティング、会うことに近く、特に楽しんでいる感じも恋愛的なものも表面上は含まれていません。
しかし以下のように書くと恋愛的な意味でとられます。
I’m going on a date with a customer.
お客さんとデートをする。
I’m dating a customer.
お客さんと付き合っている。
このように同じ言葉でもちょっとした表現で意味合いが変わってきます。
付き合うとデート
日本語の「付き合う」はいちおう口約束で「付き合いましょう」といった告白・合意があって、彼氏・彼女、お互いを恋人として認めます。別れるときは別れましょうといいます。明確な境界線が存在しています。
スティーブに聞く限り、英語にも当然「恋人の別れ、破局」のような概念はありますが、もっと1回のデートを積み重ねることが、date(付き合っている)につながっているといった考え方です。
あるデート女の子と付き合いたくて、誘ってみようとする以下のような場面・会話があります。
①I barely succeeded in getting a date with her.
私はかろうじて彼女とのデートを取り付けることに成功した。
①はイベントとしてのデートです。断られるかと思ったけどなんとか約束をとりつけ、遊園地で遊び夕食をともにします。
夕食の席でさりげなく彼氏がいるかどうか確認してみました。
②She is not dating anyone at the moment.
彼女は今の現在、だれとも付き合っていない。
②のdateは付き合っているの意味に近くなります。交際している相手はいないの意味です。
夕食が盛り上がっている時に、決意して告白することにしました。
③During dinner I asked if she would date me.
(この表現はおかしい)
今、デート中なわけだからこの③は表現は成立しません。
④During dinner I asked her if she wanted to go on another date some time.
(この表現はOKです)
彼女にもう一回、デートしてくれるかと聞いてみたという感じの表現です。英語のdateはこの繰り返しを続けることだという話です。それを日本語では付き合っているといった感じで表現できます。
結果的には同じ感じだとは思いますが、根本的に考え方が違う感じがします。このあたり非常にややこしいです。
また日本語でも「デート」の定義が人によってばらばらです。異性と遊ぶことは「デート」なのか「単に遊びに行く」なのか人によって異なります。
「デート」と「異性の友人と遊ぶ」は同じですか? 男女で意識の違いが発覚(アメーバニュース)
have a date with death
dateを使った慣用表現がいくつかります。
have a date with deathは映画のセリフのようですが「死とデートをする」となり危険な状態にあることなどを意味します。多少、ポエムな表現であるのは事実です。
If you keep drinking, you’ll have a date with death.
もし酒を飲む続けたら、死ぬことになるだろう。
これ以外にも「have a date with destiny」で人生の中で最も重要な場面に直面するといった意味で使われます。
He was training to win the gold medal for years and now he will have his date with destiny.
彼は何年も金メダル獲得のためにトレーニングをしていた。そして今、彼はその運命の瞬間に出会うだろう。
これ以外にdate withが使われるケースは少ないですが他にも見かけるかもしれません。
日付
最後にもちろん日付としてのdateもありますので簡単にご紹介しておきます。
Please don’t mix up the date of our meeting.
ミーティングの日付を混同しないでください。
A: We should meet to discuss this more.
我々はもっとあって話すべきだ。
B: Okay, let’s set a date.
オーケー。日取りを決めよう。
date back to
ある時に根源や発端があることで「(起源などが)~にさかのぼる」を意味します。
This fashion dates back to the Edo period.
このファッションは江戸時代にさかのぼる。
Their argument dates back to Thursday.
彼らの議論は木曜日にさかのぼる。
議論が木曜日から続いているという意味です。
Use of the word dates back 40 years.
この言葉の使用は40年前にさかのぼる。
date back <時間>になると、さかのぼる時間の長さを表せます。
ただし、このdate back (時間)は感覚的に長い時間に使うので、数日といった場合にはあまり用いられません。
Their argument dates back three days.
(あまり見かけない表現)
間違いではありませんが、基本的には時間の長さを強調するような表現なので、世間一般的に驚くほどの長さでない場合には少し違和感があります。
数日の議論ってそんなに大げさではないので、date backで表現するほどのもんでもない、という意見です。
to date
「今まで」の意味なので「until now」と同じです。
There is no cure for cancer to date.
現在まで、癌の治療法はない。
This was the biggest summer festival to date.
これは今までで最大のサマーフェスティバルだった。