「偶然の一致」を意味する言葉ですが派生語も多いので使い方をまとめてみました。
「偶然に~する」といった日常会話レベルの表現は『「偶然に」「たまたま~する」を英語でどう表現するか?』の記事にまとめています。
coincidenceは偶然の一致という現象を意味する名詞であり、日常会話でも使える言葉ですが、科学系のニュースなどにも登場する単語です。
coincideなど使い方が日本人にはわかりにくい部分もあるので例文と共にまとめてみました。
coincidence(偶然の一致)
coincidenceは「偶然の一致」という事象・現象を意味する名詞です。発音は【kouínsidəns】です。読み方は少し難しいです。根本の意味は「何かが同時に起こること」です。
My wife buying an expensive car and winning the lottery was just a coincidence.
妻が高級車を買ったことと、宝くじに当たったことは、単なる偶然だった。
It’s just a coincidence that we are wearing the same color tie.
私達が同じ色のネクタイをしているのは単なる偶然だ。
It was a coincidence that I met her on the street.
道で彼女にあったのは偶然の出来事だった。
やや書き言葉、文章のような使い方になります。しかし、道でばったり出くわしたり、何かがたまたま一緒だった時の驚きの表現として以下のように使われます。
What a coincidence!
なんて偶然の一致だ!
このような驚きの表現はある程度、決まり文句のように日常でも見られます。
coincide with
coincideは動詞で「一致する、同じである、同時に起こる」といった意味になります。
これには「たまたま同時に起こる」と「狙って同時に起こす」の両方の意味を含みます。含むというよりも「何かが同時におこる」といった事実を表現しているだけで、その理由や過程を問いません。
ただし、傾向としては偶然おこることに対してよく用いられます。withを使って同時に起こるもう片方を表します。
The festival coincides with the full moon.
そのお祭りは満月と同時に行う。
My trip to Italy coincides with their general election.
私のイタリア旅行は総選挙と重なっている。
I want my wedding to coincide with the eclipse.
結婚式を日食と同時にあげたい。
先に紹介した名詞のcoincidenceも「同時に起こる」だけの意味しかなく「偶然に同時に起こる」と「意図して同時に起こる」の2つに使えますが、圧倒的に「偶然に起こる」の意味で使われるケースが多いです。
動詞のcoincide withのほうがまだ上のお祭りや結婚式の例文のように、人の意志によって「意図的に同時に起こす」の意味で用いられるケースが見られます。それでも全体的に偶然に使われることが多いです。
correspond toにも似たような意味があります。
by coincidence /coincidentally
これらは文法上の扱いが変わりますが「偶然に」という意味です。これも同じく「偶然に一致する」と「同時に発生する」の意味があります。
名詞として一致、合致もよく使われます。こちらは圧倒的に偶然おこったことを描写する際によく使われます。
I met her on the street by coincidence.
(*上と同じ意味です)
My wife bought an expensive car and won the lottery by coincidence.
妻が高級車を買った。そして偶然にも宝くじが当たった。
=My wife bought an expensive car and coincidentally won the lottery.
この宝くじの例文など「同時に発生する」という意味合いで解釈しても問題なさそうです。
We both wore the same color tie by coincidence.
=We both coincidentally wore the same color tie.
我々は偶然に同じ色のネクタイをつけていた。
文法上の扱いが変わりますが、名詞で表すのと同じ内容を作ることができます。
偶然を意味する表現が英語には多いので以下の記事も参考にしてください。