「close」「close up」「close down」にどのような意味の差が出るのか? については特に決まりもない感覚的なことなので基本的には同じ意味だと考えても問題ないと思います。
これは日本語の「お店を閉める」「お店を閉店する」「クローズする」が何を意味するのか、少し幅があるのと同じで曖昧な要素が残ります。このページでは動詞の「close」の違いを中心にまとめています。
「親しい」の意味での「close(クロウス)」との違いについては『close(閉じる)/ close(クロース、親しい)/ closed(クローズド)の違い』にまとまっているのであわせてご覧ください。
この記事の目次!
close up / close down / closeの使い方の違い
動詞での「閉める」の意味で「close」「close up」「close down」を使った場合にどのような差が出て、何を意味するのか? については曖昧です。
基本的には同じ意味であり、upがあるから何を表す、downがあるから何を表す、という明確な境界がありません。
例えば以下の例文はすべて成立します。
I closed the door.
I closed up the door.
I closed down the door.
ドアを閉めた。
この例文にどんな差を感じるか? はネイティブスピーカーでも10人に聞けば十人十色の答えになるかもしれません。対象がドアのようなシンプルな物体ならば余計に解釈に幅が生まれます。
カナダ人のスティーブは「close up」なら天井についているようなドアを閉めた、あるいは鍵をかけたといった感じもするといった意見でした。「close down」ならば地下へのドアを閉じたみたいな感覚です。これは「up(上方向)」「down(下方向)」が反映されている感じです。
しかし、これもいち意見にすぎず、結局は具体的に何を意味するのかはよくわからないことになります。以下は「お店」を例に考えてみました。
close(動詞)の使い方
動詞のclose【klóuz】を単独で「閉める」といった場合に、それがお店だった場合には「営業時間」の案内などを指していると解釈してもいいと思います。
それは特に習慣を表す現在形ならば営業時間と思ってもいいんじゃないでしょうか。
We close at 10:00pm.
午後10時に閉店する。
時間の表記をともなえば、営業時間が終わったから閉めたと判断できます。しかし以下の表現はより曖昧です。
We closed the shop.
店を閉めた。
この場合「店を閉めた」としか言っていません。これが単に1日の営業の終了なのか、商売を畳んだのかは文脈や状況で判断するしかありません。
もう少し文脈を作って「お金がないため」「チェーン店のクリスピークリームドーナッツが出来たため」と書けば「長らくのご愛顧ありがとうございました」のような閉店を感じさせます。
We closed because there is no money.
私たちは店を閉めた。なぜならお金がないからだ。
We closed our donut shop when Krispy Kreme opened next door.
隣にクリスピークリームができて、私たちはドーナツ店を閉めた。
close upの意味と使い方
close upになっても曖昧なのは変わらず、何を意味するかは文脈によります。意見を聞いてみるとネイティブにとっては特定の1日、ある時間の閉店を感じさせる言葉ではあるようです。
We closed up at 10:00pm.
午後10時に閉店した。
この場合は借り切りパーティーがあるため閉店のような一時的な閉鎖のような感覚にはなるそうです。
それでもclose upだけだと「1日だけ店を閉めた、定休日にした、臨時休業した」とも「永遠に店を閉めた、店をたたんだ」とも読め、両方の解釈が可能です。
We closed the shop.
We closed up the shop.
この場合はupをともなう下段の例文のほうが、より「永遠に店を閉めた、商売をやめてしまった」として使われることが多いです。
北米の英語は特にやたらupがつくので、そんなに意味があるような感じでもありません。
close downの意味と使い方
close downになると「永遠に閉店した」「商売を畳んだ」のようなニュアンスが色濃くなります。
We closed down because there is no money.
私たちは店を閉めた。なぜならお金がないからだ。
We closed down our donut shop when Krispy Kreme opened next door.
隣にクリスピークリームができて、私たちはドーナツ店を閉めた。
しかしこれも「文脈による」といった感じで、上の2つはおそらく永遠に店を閉めて廃業したと受け止められる可能性が高くなります。
close one’s doorsの使い方
close one’s doorsは扉を閉めるイメージそのままですが、ビジネスを一時的に、あるいは永遠にやめることで「閉店する、商売を畳む」の意味です。close downが近い意味です。
The historic department store will be closing its doors for good on Friday.
歴史ある百貨店が金曜日には永遠に閉店するだろう。
金曜日には店じまいしてしまうという意味です。for goodは「永遠に、永久に」を意味します。
The museum is closing its doors to the public during the renovations.
博物館は改築期間中は一般の人々には閉まっている。
一般の人々はその期間、博物館には入れないという意味です。
close downとclose one’s doorsの違い
close downは閉める人と閉められる側が違っても成立しますが、close one’s doorsはそれが異なると変です。
The museum is closing down the gift shop because it wasn’t making money.
博物館は儲からないのでお土産屋さんを閉めている。
The government closed down the casino.
政府はカジノを閉店させた。
「museum」と「gift shop」あるいは「government」と「casino」のように異なっても成立します。
しかしclose one’s doorsの場合は、間違いとまでは言い切れませんが変です。
▲ The museum is closing the gift shop’s doors because it wasn’t making money.
(変な表現です)
▲ The government closed the doors of the casino.
(変な表現です)
基本的には主語があって、その「its doors / my doors / their doors」のような形になることが多いです。ドアを閉めるのは自分たちのドアだけであって、他人のドアを閉めるような表現にはあまりなりません。