カタカナで「キャリア」といった場合には、英語で職歴・職業を意味するcareerか、もしくは携帯電話のキャリアを変更したのように使うcarrierのどちらかの可能性が高いです。
これ以外にも発音としては宅配業者のcourierや、韓国のKoreaあたりも似ているといえます。ここでは「キャリア」という単語の意味について解説しています。
音声ファイルも用意しているので発音を聞き比べてみてください。
携帯のキャリア(carrier)
「携帯のキャリアによってサービスが異なります」「携帯のキャリアを変えた」のような使い方はビジネス用語ではあるものの英語でも可能で、ソフトバンクやドコモのような携帯電話事業者を指しています。
このcarrierは運ぶようなもの、人全般に使えるので、戦闘機を運ぶ空母から猫用のかごまで幅広く指せます。carry(運ぶ)にerがついた形です。
携帯のキャリアの場合には何を運んでいるのか? といえば、普通に考えると「データの運び役、データを運ぶもの」の意味だと思います。より意味をはっきりさせるには「mobile carrier(携帯電話のキャリア)」ということもできます。
I chose SoftBank as my mobile carrier.
私はソフトバンクを携帯のキャリアに選んだ。
I bought a carrier for my cat when we travel.
旅行中に猫を運ぶかごを買った。
The US military got a new aircraft carrier.
アメリカ軍は新しい 航空母艦・空母を手に入れた。
She was the first carrier of the disease in her area.
彼女はこの地域でその病気の初の保菌者だった。
He was the carrier of the ball.
彼はボールの運び役だった。
このように病気・菌を運んでしまう人や、ボールを運ぶような役割をするスポーツ競技でも使うことができます。
ただし宅配業者のような人は次に紹介するcourierがあったりするので、そちらを使ったほうが自然かもしれません。
courier(宅配業者)
少し発音も意味も似た感じの言葉にcourierがあります。発音は【kúriər】で、ヤマトや佐川などの宅配業者を意味する言葉です。
Yamato is a courier.
ヤマトは宅配業者だ。
Kiki runs her own courier service with a black cat.
キキは黒猫と一緒に宅配サービスを運営している。
仕事・職歴のキャリア(career)
いわゆるカタカナのキャリア、経歴としての意味ももちろんあります。発音は【kəríər】で、真ん中にアクセントがあります。
He has had a long career in the entertainment business.
彼はエンターテイメントビジネスで長いキャリアを持っている。
Ichiro has over 4,000 career hits.
イチローはキャリアの中で4000本を超えるヒットを持っている。
仕事の意味でのキャリア
careerはカタカナのキャリアで、人生の中のわりと大きなパートを占めるような仕事に使います。「経歴」として知られますが「職業・仕事」としての意味もあります。
My students have trouble choosing a career.
私の生徒達は仕事を選ぶのに苦労している。
In my 20-year-career at this company I was never late.
20年におけるこの会社での仕事で、私は一度も遅刻したことがなかった。
I quit my career after ten years.
10年で仕事を辞めた。
I got a career.
仕事を手に入れた(おそらく長期の)
He has two careers. He is an accountant and a lawyer.
彼には2つの仕事がある。会計士と弁護士だ。
この場合はjobやworkが類義語になりますが、置き換えることができない場合があります。
「仕事」の意味でcareerを使うには基本的にはある程度の期間、長さが必要です。
▲ I quit my career after only two days.
(短すぎ。2日をキャリアとはいわない)
▲ I have to go to my career today.
(変な表現です)
× Cleaning a microwave is a tough career.
(電子レンジの掃除のような日常的な作業をキャリアとは呼ばない)
キャリアを積む/キャリアを築く
「キャリアを積む」などの表現は英語にそのままなりにくい言葉です。キャリアや信頼関係、人間関係などを日本語では「積む」「積み上げる」と言いますが英語にはこの考え方がありません。
ただし「build(築く)」はキャリアに対しても使うことができます。
He built a good career.
彼は良いキャリアを築いた。
日本語と同じですが「良いキャリアを築いた」は非常に漠然とした言葉で、具体的にどのような状況を指しているのか? といわれるとそれぞれ異なります。英語でも上の例文ははっきりしない感じがします。
「career development(キャリアの発展)」や「career building(キャリアを築くこと)」という言葉は英語にも確かに存在します。
これらの言葉の定義は少し人によって受け止め方が変わりそうで、転職をして経験を増やすのか、1つの職場で経験を増やすのか、はっきりしない感じがします。
例えば「キャリアを積む」をもっと柔軟に考えるならばexperience(経験)やpractice(訓練する)でも同じような状況を伝えることができるかもしれません。
You need to gain more experience.
あなたはもっと経験を積んだほうがいい。
You need to practice.
あなたは訓練が必要だ。
似た発音のKorea
他に似た発音の単語をあげるならKorea(韓国/朝鮮)があります。発音は【kəríə】です。
I went to Korea on vacation last year.
昨年、休暇で韓国にいった。
Korea hosted the last Olympic Games.
韓国はこの前のオリンピックをホストした。
発音の違い
それぞれかなり似た発音なので音声ファイルを置いておきます。確認用に使ってください。
carrier【kǽriər】運ぶもの、運ぶ人
courier【kúriər】宅配業者
career【kəríər】職歴・仕事
Korea【kəríə】韓国・朝鮮
無理やりですが全部を使って1つの文章を作ってもらいました。機械音ですが読み上げます。
The courier from Korea was the carrier of the career contracts.
韓国出身の宅配人が、職の契約書の配達業者だった。