ベビーシャワー(Baby Shower)はアメリカを中心とした北米のカルチャーで、安定期に入った妊婦を祝うイベントです。
比較的、ベビーシャワーという言葉そのものが新しい用語で、そこまで古くからの伝統行事でもありません。世界中に妊婦を祝う同種のイベントは古くから存在しています。
女性だけが参加して母親の心得や知恵を伝えたり、遊べるうちに遊んでおこうといったパーティー・イベントです。
歴史も浅くゆるいイベント
アメリカ、カナダでは広く一般的に行われており、近年はイギリスの若い世代でも受け入れられているようです。知人のイギリス在住のオーストラリア人とイギリス人のカップルもロンドンでやっていました。
またそこまで堅苦しいイベントでもないので、男性が参加するケースも増えているようですが、基本的には「妊婦と女性のためのイベント」として認知されています。
日本ではどこまで浸透しているのかは不明ですが、アメリカのテレビドラマなどでベビーシャワーのシーンがあり、そういったものから興味を持っていったり知られていくケースがあります。
プレゼントにはおむつで作ったケーキ(Diaper cake)など、赤ちゃんにちなんだプレゼントがされるケースが多いようです。
レジストリー(registry)
ベビーシャワー自体暖かな風習ですが、「レジストリー」の存在も隅におけません。出産に限らず結婚時にもあるものでシステムは同じです。
まず妊婦や新郎新婦がレジストリーをやっている店で好きな所を選択します。大型デパートから始まりチェーン店、個人経営まで、結婚出産に特化していない店も含め多くがやっています。
簡単にいえば妊婦側が「ほしいものリスト」を事前に作っておくような感じでしょうか。
直接店に行き専用のスキャナーを借りて店内を歩きながら商品をスキャンするか、カタログを見ながら紙に記入したりして欲しい物を登録し、貰う側はこれで作業終了です。
今はオンラインも多いですし、日本版のAmazonでも引越した際などに「ほしいものリスト」を公開して、お祝いを指定するケースも見かけるようになりました。
プレゼントを贈りたい側はレジストリーの有無を本人に確認後、オンラインや店内に備え付けてある機械に本人の名前を入力する事で商品のリストを金額、個数、種類別などに見て購入する事が出来ます。
他の誰かが買った物は「済」として表示されるので全リストが閲覧可能です。
もちろんレジストリーにない独自のプレゼントを贈る事も出来ますが、無駄な物を買ったりもらったりしなくて済む、いかにもアメリカらしい非常に合理的なシステムです。
私も出産時に姉がベビーシャワーを企画してくれて、”出産前にこんな盛り上げちゃって、もし何かあったらアメリカ人はどうするのだろう”と内心思いましたが、「とりあえずおめでたい時に祝っておけば良い」と言うこれまたアメリカらしい考え方があるようです。
逆に出産後、回復もままならず新生児とバタバタしてるうちに1日で退院(帝王切開でも2日)させられることを知り、”あぁ、これじゃ日本のように優雅に出産見舞いを受けてる場合じゃないな”と実感した次第です。