hazard(ハザード)は自動車のハザードランプのようにカタカナでも使われている言葉で「危険」を意味する言葉です。その形容詞がhazardousで「危険な」となります。
基本的にはそれぞれ「danger(デンジャー)」と「dangerous(デンジャラス)」に近い意味です。しかし、ニュアンスの違いはあるのでネイティブスピーカーに使い方の違いを確認しています。
例文にまとめているので、意味の違いを比べてみる時の参考にしてください。入れ替えても間違いにはならないぐらいに似た単語だといえます。
この記事の目次!
hazard(ハザード)の意味と使い方
hazardが名詞なので「危険」となります。これは言い換えると同じ名詞である「danger(デンジャー)」に相当する言葉です。
より細かく「fire hazard(火災の危険)」「health hazard(健康上の危険)」などを表すこともあります。上の写真は「mercury(水銀)」の危険性です。
hazard【hǽzərd】
This chemical is a health hazard.
この化学物質は健康上の危険だ。
The construction site was full of hazards.
その建設現場は危険であふれていた。
The damaged bridge posed a hazard to motorists.
その損傷した橋は自動車運転者に危険をもたらした。
特に日本では生物学的な危険を意味する「biological hazard」略して「biohazard」は、ウイルスによるゾンビ化をテーマにした人気ゲームのタイトルになっているので知名度が高い言葉です。
traffic hazardは交通に関連する危険のことです。
The cow sleeping on the side of the road was a traffic hazard.
道路脇で眠っている牛は交通の危険だった。
The icy weather created traffic hazards all over the city.
凍るほど冷たい天候が市の至るところに交通障害を生み出した。
pose a hazard(危険をもたらす)の組み合わせもよくあります。
hazard a guess
hazardは動詞でも使えますが、ほぼ「hazard a guess」で「当てずっぽうを言う、推量をする、推測する」の意味でしか見かけません。
本人は何か根拠があって推測しているけれど、たぶん間違っている可能性もそれなりにあるような感じです。
文字通りの意味でいえば「危険にさらす」の意味であり、推測を危険にさらすといった表現です。
I will hazard a guess and say it’s won’t rain today.
あてずっぽうで言うけれど、今日は雨は降らないだろう。
He hazarded a guess about who would win the contest.
彼はコンテストの勝者が誰かの検討を付けた。
hazardousの意味と使い方
hazardousが「危険な、有害な、危険を伴う」を意味する形容詞なので、dangerous(デンジャラス)にあたる言葉です。読み方はハザダスぐらいです。
hazardous【hǽzərdəs】
He drank a hazardous chemical.
彼は危険な化学物質を飲んだ。
She gets extra money for working in a hazardous environment.
彼女は危険な環境で働くことで追加のお金を手にしている。
Raccoons are hazardous aliens in Japan.
アライグマは日本では危険な外来種だ。
カタカナのハザード(車・ゴルフ)
自動車などのhazard lightsの意味で、省略してハザードということは英語でも可能です。
When my car broke down I put on the hazards.
車が故障したとき、ハザードを出した。
またゴルフの池のような障害物を指すこともできます。ゴルフ用語でhazardといえばバンカー、池、小川などすべてを含むことができます。
My ball rolled into a hazard.
ボールがハザードに転がっていった。
hazardとdangerの違い
「危険」と考えた場合には基本的には同じ意味ですが、言葉としてはhazardのほうがフォーマルな点が大きな違いです。
またhazardは危険の中でも特定の種類の、既知の危険、身体的な危険に使われる傾向があり、dangerはより不明な感じのはっきりしない謎めいた危険に使われます。
置き換えても間違いや極端に変にはなりませんが、より良い自然な言葉の選択はあります。日本語だと「有害」と「危険」の差に近い感じはあります。
○ This area is full of hazards.
○ This area is full of dangers.
このエリアは危険にあふれている。
上の例文はどちらでも間違いではありませんが、少しイメージさせる危険に差があります。
hazardだとたぶんガラスの破片、火など身体的な危険を感じさせます。dangerだとたぶん、隠れている予測できないようなもの、泥棒、動物、モンスターなどを感じさせます。
ただし、言葉の雰囲気であって実際に何かはわかりません。
「hazardとdangerの違い」で検索した時に上位に表示される他のサイトにhazardは「偶発的な危険で特に予測可能だが避けられないもの」「人間による操作ミスなども含め、人の力の及ばないことで生じる危険」と説明されていました。この説明がどこから来たものなのかはわかりません。
そこには「禁酒運転は危険だ」「喫煙は危険だ」といった意味のhazardを使った例文が書かれていました。
読んでいて思ったのは「飲酒運転や喫煙による危険って偶発的な危険に分類されるの?」「偶発的で予測可能ってなに?」「人間による操作ミスが人の力の及ばないもの? 人間が引き起こしているのに?」「喫煙や飲酒運転、操作ミスが予測可能だけど避けられない危険?」といった疑問です。
日本語の段階から書いてある説明と例文の内容が一致していなくてあまり納得できなかったです。
hazardousとdangerousの違い
形容詞になっても上に書いた名詞の違いがそのまま当てはまります。hazardousのほうがフォーマルで、すでに危険とわかっているものに使われます。
以下のようにdangerousと置き換えても間違いではありませんが、その危険の性質によって言葉を選んでもいいと思います。
◎ The factory is full of many hazardous materials.
○ The factory is full of many dangerous materials.
その工場は多くの危険な素材でいっぱいだ。
この工場の例文の場合はhazardousが良いです。まずhazardousのほうがプロフェッショナルな感じがします。また工場内の材料の危険は、そもそも危険だとわかっている既知の危険になるのでhazardousがベターです。
しかし、以下の例文ではdangerousのほうがいい言葉です。
△ The jungle is full of many hazardous animals.
◎ The jungle is full of many dangerous animals.
そのジャングルは多くの危険な動物でいっぱいだ。
この場合は動物の危険性はどう危険なのか、本当に襲ってくるかどうかも予測できないようなものなのでdangerousがベターです。
危険かどうか予測しにくい未知の危険にhazardousを使うとちょっと違和感がでますが、やはり間違いとまでは言い切れません。
○ This is a dangerous part of town.
○ This is a hazardous part of town.
ここは町の危険な部分だ。
どちらでもかまいませんが「dangerous」だと少し漠然としていて、おそらく強盗などの犯罪を起こすような人々、あるいは野生動物の危険などを感じさせます
hazardousだとより身体的、化学的に危険な感じがします。例えば毒ガスが出ている、建物が倒壊するなどです。これも言葉から受けるイメージにすぎないのではっきりとはわかりません。
hazmat
「hazardous material」の略で、「有害物、危険物」という意味です。
Workers must study the hazmat manual regularly.
労働者は定期的に危険物を勉強しなければならない。
Everyone cleaning up the chemical spill wore hazmat suits.
化学物質の流出を片付ける全員が防護服を着た。
perilの意味と使い方
perilも危険を意味する言葉ですが、あまり日常会話では使われない言葉で、非常に文学的な言葉だといえます。
以下の例文のような、映画やファンタジー系の話で見かけることもあるかもしれません。
Enter the wizard’s castle at your own peril.
魔法使いの城に入ると危険だ。
Peril awaits behind that door.
ドアの向こうに危険が待ち受けている。