clever(クレバー)とsmart(スマート)はどちらも「頭が良い」といった意味ですが、この言葉の差については人によって意見が違います。
ネイティブスピーカーであっても真逆のことを言っているケースもあるので、なかなか日本人には使いにくい単語なのかもしれません。
ここではネイティブスピーカーであるカナダ人のスティーブに意見を聞いたことをまとめています。使い分けの参考にしてください。
smartという単語そのものの使い方については『smart(スマート)の英語の意味を考える』もあわせてご覧ください。
cleverとsmartの違い
スティーブの経験上ではsmartの方がcleverよりも広く使われているようです。彼自身cleverを使うことはめったになく、使っている人もまれだと話していました。
とはいえcleverを使っても問題はなく変な印象を与えることもないようなので以下のようにどちらの表現も可能です。
You can’t trick her, she is too clever.
= You can’t trick her, she is too smart.
君には彼女をだますことはできないよ、彼女はとっても賢いんだから。
イギリス英語では違う可能性もありますが辞書によると、smartはフォーマルではないカジュアルな言葉と考えられています。
それぞれの使用頻度に関するグーグルの調査では1830年から1990年までの間にはcleverの方がより広く使われていましたが、それ以降はsmartの方がより一般的になっています。これはsmart phone(スマートフォン)の登場も影響しているのかもしれません。
ニュアンスの違いはある?
cleverにはずる賢いようなあまり良くないイメージがあると解説しているサイトを見かけますし、「ずる賢い」という意味を掲載している辞書もあるのでスティーブに尋ねてみましたが、彼の感覚ではcleverに良くないイメージは特にないそうです。
しかしcleverを良くないイメージで感じる人もいるような内容を読んだことがあるし、逆にsmartに悪い印象を持っている人もいるケースも見かけたと言っています。
スティーブ個人的にはcleverとsmartのどちらを使ったとしても、与える印象を変化させてしまうようなことはないため置き換え可能だそうです。
それぞれのニュアンスの違いとしては、smartは「教養がある」という意味での賢さで、cleverは物事を素早く考えたりできるような「頭の回転が速い」といった意味での賢さと考えている人もいると言っています。
しかしこちらもまたネットなどではまったく逆のことを言う人もいるようなのでおそらく地域によって捉えられ方が違うんだろうといった意見でした。
cleverの方が良い場合
一方でsmartには「おしゃれな」や「コンピュータ化された」といった異なる意味もいろいろとあるため、場合によってはcleverを使う方がいいかもしれません。
Iwai reaches out to the people through clever social media videos.
(機知に富んだ、知的なの意味で伝わる)
Iwai reaches out to the people through smart social media videos.
(知的な? おしゃれな? コンピュータ化された?)