creepはゆっくり忍び寄るような動作を指し、しばしばツタなどの植物が成長するような様子を表すのに使われます。
日常会話では、そこからくる「気味の悪さ」や「薄気味悪い人」といった使われ方がよくされる単語です。特にcreep outで「気味悪がらせる」といった意味になります。
過去形・過去分詞については少し議論がありますが一般的にはcreptが使われます。活用については最後にまとめています。似た意味のspookyとの違いについて加筆しました。
動詞:忍び寄る
creepはよく動詞で「忍び寄る」「ゆっくり近づく」といった意味で使われます。何かがゆっくり、静かに動くことです。
The thief crept into the room and took the necklace.
泥棒は部屋に忍び入って、ネックレスを奪った。
しばしば、これはツタなどの植物が成長することを描写するときにも使われます。
Ivy crept along the side of the building.
ツタが建物にそって成長した。
名詞:不気味さ、気味の悪い人
この忍び寄るイメージから「不気味さ、気味の悪さ」といった意味で名詞でも使われます。
これはgive [人] the creepsで「気味悪がらせる」といった使い方がよくされます。同じ意味では後で紹介するcreep outでもいけます。
He wanted to leave because the waiter was giving him the creeps.
彼はその場を離れたかった。なぜならウエイターが気味が悪かったからだ。
This place gives me the creeps. Let’s get out of here!
この場所、気味が悪い。ここから出よう!
creepだけで「気味の悪い人」としても使えます。スラングというよりも、そのままの意味かもしれません。
There are a lot of creeps in that bar, you should stay away.
あのバーには気味の悪い連中がいっぱいいる。近づかないほうがいいよ。
I don’t like using online message boards, there are too many creeps.
ネット掲示板を使うのは好きじゃない。いっぱい気持ち悪いやつらがいるから。
creep outの意味
この形になると「ゾッとさせる」といった意味になります。生命の危険を感じるような恐怖ではなく、不快感やちょっとした気味の悪さを指します。
My sister always creeps me out by turning her eyelids inside out.
うちの妹はいつも瞼をひっくりかえして私をぞっとさせる。
I hate snakes. They creep me right out!
蛇が嫌い。気分を気持ち悪くさせる!
creepy(形容詞)の意味
同じく「ぞっとさせるような、気味の悪い」となります。そのまま形容詞として何かの名詞にかかります。
There is a creepy old house in my neighborhood.
近所に気味の悪い古い家がある。
The Sixth Sense is a creepy movie.
『シックス・センス』は気味の悪い映画だ。
少し前にネットで「creepy clown(気味の悪いピエロ)」といったピエロの恰好をしたドッキリ動画が流行りました。
creepの過去形・過去分詞は?
creepの活用については少し議論があるようで、基本的にはcreep – crept – creptです。これが16世紀頃に起源をもつスタイルで圧倒的に数も多いです。
しかし1970年代に入ってからcreepedが急激にみられるようになっています。
Someone creeped into my room and stole my phone.
Someone crept into my room and stole my phone.
誰かが私の部屋にこっそり入ってきて、電話を盗んだ。
口語による崩れではなく、けっこう堅い文章にもcreepedが登場しています。これはcreepだけの問題ではなく、leaped / leptやspelled / speltのように他の言葉でも議論があります。
creeped
crept
ただcreep outのような句動詞になるとほぼcreeped outの形であり、crept outとは言わないと書いています。不思議ですね。
アメリカの辞書である「Merriam-Webster」が記事にまとめていたので参考にしてください。
What’s the Past Tense of ‘Creep’?(Merriam-Webster)
Windowsの校正機能では「crept」を正しい単語として検出しており、creepedが間違いになっています。口語ではどちらでも良さそうですがアカデミックな文章などではcreptが無難かなという感じはしますね。
spookyとcreepyの違い
どちらも「気味の悪い、不気味な」といった意味があります。
creepyは不快な気分になるような気味の悪さであり、spookyは幽霊や超常現象のような気味の悪さに使われます。
ものによっては置き換えても意味が通るケースもあります。
I never go to that spooky house on the corner.
= I never go to that creepy house on the corner.
私は角の気味の悪い家には決して行かない。
上の場合は置き換えても成立します。不気味な家のことです。
It was a spooky coincidence that I saw her on TV.
私が彼女をテレビで見たのは、薄気味悪い偶然だった。
上の例文だとcreepyではなさそうです。
以下のようにちょっと指しているもの、イメージさせるものが違うケースもあります。
He is a spooky guy.
彼は気味の悪い男だ。
spookyを使った上の例文だと幽霊やお化けのような気味の悪さです。
He is a creepy guy.
彼は気味の悪い男だ。
creepyを使った上の例文だと幽霊などの可能性もありますが、変質者・変態みたいな可能性もあります。
I hate creepy insects.
気味の悪い虫が嫌いだ。
I hate spooky insects.
(これは変です)
spooky insectはお化けや幽霊のような超自然的な虫になるので、普通は使わない言葉遣いです。