sign / signature / autographの違い

オートグラフ
 

公開日: 最終更新日:2023.08.29

和製英語としてもたびたび取り上げられる「サイン」ですが、日本語の「サインください」は、有名人から記念にもらうサインも、宅急便の伝票に書く署名も「サイン」になってしまっているので少し英語と使い方が違います。

よく和製英語だと指摘を受けますが、ネイティブに確認してみると意外とそのまま使えることもわかりました。

signatureとautographは共に自筆での署名などを表しますが少し使い方や意味が異なります。

動詞と名詞のsignも含めて使い方などを一通りまとめてみました。

autographの意味と使い方

autograph(オートグラフ)

有名人、芸能人に記念にもらうサインは英語では「autograph(オートグラフ)」と呼ぶのが一般的です。発音は【ɔ́ːtəgræ̀f】です。

名詞で「(有名人の)サイン・直筆の署名」と動詞で「(有名人が)自筆で署名する」の意味があります。

基本的にautographは歌手や俳優、セレブなど有名人・芸能人に対してのみ使う言葉であって、普通の一般人には使いません。

例文

May I have your autograph?

Can I have your autograph?

サインをもらえますか?

例文

Johnny Depp gave me his autograph on my movie ticket.

ジョニー・デップは映画のチケットに名前を書いてくれた。

例文

I have President Obama’s autograph.

私はオバマ大統領のサインを持っている。

以下は動詞での使い方です。

例文

Can you autograph my baseball?

私の野球のボールにサインをしてもらえますか?

例文

President Obama autographed my copy of his book.

オバマ大統領は私の持っている彼の本にサインをした。

例文

I got Johnny Depp to autograph my movie ticket.

ジョニー・デップに映画のチケットに名前を書いてもらった。

基本的には有名人にしか使いません。時々、宅配業者などが「I just need your autograph here.」とジョークで言ってくることはあるかもしれません。

また有名人であっても記念品としてする自筆のことであって、契約書などにサインをする場合には使いません。

例文

✕ Tom Cruise autographed the contract.

(ビジネスシーンでは使わない表現)

signatureの意味と使い方

signature

一般的な理解としてsignature(シグニチャー)は名詞で「署名」のことです。伝票やクレジットカードを使った時に書く、あの署名、直筆の意味です。発音は【sígnətʃər】です。

記念にもらう有名人などの署名にもsignatureは使えます。ただ先に紹介したautographのほうが「有名人のサイン」を強調した単語です。

例文

Can I have your signature?

サインをもらえますか?

(有名人・一般人ともに)

例文

I have President Obama’s signature.

私はオバマ大統領の署名・サインを持っている。

例文

The deliveryman asked for my signature on a slip of paper.

宅配業者が伝票に私の署名を求めた。

例文

Johnny Depp gave me his signature on my movie ticket.

ジョニー・デップは映画のチケットに名前を書いてくれた。

ただし、signatureは動詞では使うことができません。

例文

Can you signature my baseball?

(動詞では使えない)

特徴的な

signatureには他にも「特徴、特徴的な性質、特徴的な」といった意味があります。

例文

He scored with one of his signature slam dunks.

彼は特徴的な技の一つのスラムダンクで得点を決めた。

例文

The movie has many of the comedian’s signature gags.

その映画にはお笑い芸人の特徴的なギャグがたくさんある。

スポーツ用品やギターなどでも有名人の名前を冠した、普通の製品と違った特徴的なデザインや機能を備えたsignature modelといった商品があります。

以前にアメリカの各州の代表的な料理を紹介した記事がありました。この記事の見出しなどは『The United States’ signature food of each state(アメリカ各州の特徴的な食べ物)』となっていました。

John Hancock

signitureと同じで、サインや署名のことです。

例文

Can I have your John Hancock?

署名をもらっても良いですか?

例文

We all put our John Hancocks on the contract.

私たちは皆契約に署名をした。

ジョン・ハンコックはアメリカの独立宣言で一番最初に署名をした人物です。他の署名よりも明らかに大きくて見やすく達筆であったことから、署名の代名詞として使われるようになりました。ジョン・ヘンリー(John Henry)も同様の意味で使われます。

sign(サイン)の使い方

英単語としてのsignは動詞で「署名をする」と、名詞で「看板、標識、表示、兆し、記号」などの意味があります。

特に使い方を間違えると和製英語っぽくなってしまう点には注意が必要です。名詞では「署名」の意味がありません。

signの名詞での使い方

sign

名詞でのsignは「看板・標識」「兆し」「記号」であって、「ジョニー・デップのサインを持っている」の「直筆の署名」の意味がありません。

例文

There are many signs in Times Square.

タイムズスクエアには多くの看板がある。

例文

Look at that strange sign(= signboard).

あの変な看板を見ろ。

この場合のsignboardもsignと同じ意味と思っても間違いありません。どちらかといえばsignboardという単語そのものが、同じ意味の繰り返し(サイン看板)にも感じられるそうです。

例文

She showed a sign of loving me.

彼女は私を愛しているというサインを見せた。

この場合のサインは「ヒント、兆し、表示」に近い意味なので、カタカナの「愛しているのサイン」などとほぼ同じです。うがった見方をすれば、彼女が「愛してる!」と書かれた看板を見せた可能性もあります。

ツイッターなどで使われる「#」の記号も、英語ではhash(ハッシュ), pound sign(ポンドサイン), number sign(ナンバーサイン)などとも呼ばれます。音楽の「♯(シャープ)」は形が似ていますが微妙に違います。

例文

I’m in room #301.

= I’m in room number 301.

私は301号室にいます。

このように何かの目印になるようなものを指して英語ではsignなので、有名人と会った記念にもらう自筆をサインとはいいません。

したがって以下のように名詞でサイン(sign)を署名の意味で使うと変になります。

例文

I have President Obama sign.

私はオバマ大統領の看板を持っている。

上の例文は間違いではありませんが「オ・バ・マ」と書かれた看板などを持っていることになります。その意味で伝えたいならば間違いではありません。

オバマのサイン

オバマの”サイン”

例文

Can I have your sign?

星座を教えてもらえますか?

また上の例文のように質問すると、獅子座や乙女座などの星座を教えてくださいの意味で解釈される可能性が高いです。「Can I have your name?(お名前なんでしょうか?)」と同じ理屈です。

この意味で名詞でsignをカタカナの「署名・サイン」の意味で使ってしまうと和製英語になってしまいます。

signage(サイネージ)とsignの違い

「看板、標識」の意味ならばsignageとsignの違いは、signageが複数形にならない以外はほぼないそうです。

例文

The company is known for its colorful signage.

= The company is known for its colorful signs.

その会社はカラフルな看板で知られている。

例文

Tokyo is setting up multi-language signage to help tourists.

= Tokyo is setting up multi-language signs to help tourists.

東京は観光客を助けるために多言語の標識を設置している。

英語には名詞に-ageがつくけれども、そんなに意味が変わらない単語がほかにもあります。

mileage / mile
baggage / bag

少しフォーマルになる程度であまり気にしなくてもいいんじゃないかなという意見です。

signの動詞での使い方

名詞で使うと和製英語っぽくなりますが、動詞で使う分には問題ありません。動詞では「署名をする」の意味で、これは有名人にサインを求めるときや、伝票のサインのどちらにも使えます。

例文

Can you sign my baseball?

野球のボールにサインをもらえますか?

例文

Could you sign this please?

ここにサインをもらえますか?

(有名人・一般人ともに)

例文

The deliveryman asked me to sign a slip of paper.

宅配業者が私に伝票に署名するように頼んだ。

有名人、芸能人に対しても「名前を書く」という動作には動詞のsignを使えます。

例文

I got Johnny Depp to sign my movie ticket.

ジョニー・デップに映画のチケットに名前を書いてもらった。

例文

President Obama signed my copy of his book.

オバマ大統領は私が持っている彼の本にサインをした。

出版イベントで著者がサインをしてくれるものがありますが、それはbook signing(本のサイン会)という言葉が存在しています。

signing bonus

「サイン・ボーナス、契約金」の意味で、会社やチームに加わるときに単に与えられる追加のお金のことです。

例文

Because he was only a rookie in the MLB, Shohei Otani got a low signing bonus.

大谷翔平はMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)では単なる新人だったので、低い契約金を得た。

例文

The company decided to offer signing bonuses to get more experienced workers.

その会社はより熟練の従業員を雇うためにサイン・ボーナスを与えることを決めた。

他に関連記事としてサインがほしくなるような有名人を表す表現をまとめた記事があります。

calligrapher

calligrapherは「書道家、達筆家」という意味で、美しい文字を書くことに特化している芸術家のことです。

例文

The writer was also an accomplished calligrapher.

その作家は名人級の書道家でもあった。

例文

He hired a calligrapher to write out his poem beautifully.

彼は詩を美しく書いてもらうために書道家を雇った。

芸術としての書道や書かれた文字そのもののことは「calligraphy」と表します。

例文

The museum has a calligraphy exhibition.

その美術館は書道の展示をしている。

例文

Her calligraphy is very distinct.

彼女の書道は非常に特徴がある。



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