外国人

外国人をforeignerと呼ぶのは本当に失礼なのか?

外国人に対して「foreigner(フォーリナー)」と表現することに対しては、肯定派と否定派に意見がわかれ、失礼かどうかについてはよく議論がされています。

否定される理由として外国人のほかにも「よそ者」といった意味があるので、否定的、差別的、排他的に受け止められる可能性があるというものです。

肯定派は別に気にしないといったものや、外国人であることは歴然とした事実であるといったことです。空港などでもforeignerやforeign peopleの表記があります。

今回もあらためて英語表現も含めてイギリス人のダンとカナダ人のスティーブに意見を聞いて確認してみました。

結論からいえば2人の感想としてはダンもスティーブもまったく気にならないし、それは同様に「ガイジン」と呼ばれることも気にならないそうです。

類義語のforeign peopleについても先にスティーブに確認してみましたがforeignerと同じ意味で受ける語感や感覚にも差はないそうです。

foreign people

外国から来た人

本来の言葉を考えるとforeignerは外国から来た人の意味です。

He is a foreigner.
(彼は外国から来た人だ=外国人だ)

「よそもの」のニュンアンスがあると説明されることがありますが、外国から来た人に使うのであってカリフォルニアに住んでいる人がニューヨークから来た人を「foreigner」と呼ぶことはありません。

明確に「国」単位での違いを意味する言葉だといえるので、コミュニティ内での疎外感を表現するような「よそもの」とも少しニュアンスが異なります。

「このへんの人じゃないんだ」と言う場合には以下の様な表現があります。

He’s not from around here.
(彼はここの出身ではない)

もしくは出身地を具体的にいう方法が考えられます。カナダ人だ、イギリス人だ、ロンドン出身だといった表現のほうが圧倒的に日常会話では多く、あえて漠然とした「foreigner」を使う理由もあまりありません。

He is from New York.
(彼はニューヨーク出身だ)

日本在住30年で出身国より滞在期間が長く、日本国籍などを取得している人が外見からいつまでたっても「foreigner(外国から来た人)」と呼ばれることに寂しさを感じるなどのケースは確かにあるかもしれません。

しかし3泊4日で日本観光にきたツーリストは言葉の意味として明確に「foreigner」なので、これに不満を言う英語ネイティブがどこまでいるのかは未確認です。

ちょっとした疑問ですが「ガイジン、foreignerと呼ばれるのが心の底から嫌だと思っている外国人」「フォーリナーとか言いやがって!失礼なやつだ!と思う外国人」が、我々の妄想の産物のような気も少しするんですよね。

失礼にあたりそうな感覚はわかりますが、実際にいわれると「日本人はよくその言い方をするよね。悪意はないのはわかるよ」といったさらっとした感じじゃないのかなと想像します…。

スティーブもダンもこんな感じが近いような気がします。

outsider

outsiderは部外者といった意味がありますが、これは秘密のグループや閉じられた組織に対して、外側にいる人を指します。

He is an outsider.
(彼は部外者だ)

カリフォルニアや日本は最初から多くの人に開かれた、誰でも来れる場所なので、カリフォルニアの人がニューヨークから来た人にoutsiderとはいいません。

差別的なforeigner

スティーブに確認したところforeignerが人種差別的な観点から少し差別的に使われるケースは確かにあるようです。

例えば白人のカナダ人がアメリカに行って英語を話していても「foreigner」と呼ばれることはあまりありません。

しかし、アメリカの市民権を持っている白人ではないメキシコ出身の人、ヒスパニック系アメリカ人が、キツめのメキシコのアクセントで話した場合にはより「foreigner」と呼ばれることが多くなるといったケースです。

明確にカナダ人のほうが「外国人」なのでforeignerですが、後者のヒスパニック系のほうが「foreigner」扱いされてしまうのは人種的差別な問題を含んでいるといえます。

彼の意見を要約すると「foreigner」という言葉そのものに差別や否定的なニュアンスはないけども、この言葉が事実として否定的な文脈で用いられることが多く、変な色が染みついてしまった感じはあるそうです。

「あいつはフォーリナーだからバカなことをやった」とか「お前はフォーリナーだから何もわかってない」みたいな否定的な使い方をされるので、普通の文脈でもこのイメージが思い浮かんでしまう人もいるといった意見です。

例えばblack peopleといった言葉も同様で、自然に使われていた言葉だったのですが、否定的、差別的な文脈で用いられることが多くなり、それがイメージとして言葉に染み付いてしまった側面があるようです。

今では人によっては気にしないけど、人によっては不快に感じる、似たような問題を抱えた言葉です。

日本語でも「ガイジン」が差別的だという意見で「外国人」に置き換わりましたが、当事者達が「gaijin pot」みたいなサイトを作っていたりもします。

外国人という発想は純日本的

外国人という分類の根底にあるのは「日本人とそれ以外」のような大雑把な分け方のように感じます。

もっと古い時代、まだ街中に外国人がいるのが珍しかった時代に「日本人ではない人」といった意味で用いられてきたように思います。

しかし、ひとたび海外に出たり、インターネットをしたり、英語を勉強していれば「外国人」がかなり大雑把なグループすぎて、話が成立しにくいことに気が付きます。

アジア人もいればアラブ人もいるし、英語圏にしてもイギリス、カナダ、アメリカ、オーストラリア、それぞれに街があり地域があります。

込み入った話や相手と深く関わろうとするほど「外国人(foreigner)」という言葉が漠然としすぎて文脈にそぐわない、適切ではない単語のように思えることが多くなりました。

ちょっと語弊がありますが、会話の中で「foreigner」を使わないといけないのは、語彙不足や言い回しのバリエーションが少ない、経験不足といった単なる英語力の問題のような気もします。

また面と向かって話している相手にいうと、相手の出身国、人間そのものへの敬意に欠ける言葉のようにも感じます。

foreignerについて、ここでは使って良い悪いの結論は出ませんが、こういう論争がある言葉なので、少し注意して使いたいですね。

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