welcome(ウェルカム)はカタカナでも広く使われているように「ようこそ!」といった、welcome!だけで歓迎の挨拶としても英語も使うことができます。
英語でも基本的には同じ「歓迎」に関連する意味ですが、動詞、名詞、形容詞のすべてで使うことができるのが特徴です。また歓迎するのは人間だけでなくアイデアや意見なども含まれます。
決まり文句になっている表現も多くありますが、ここでは英語としてのwelcome(ウェルカム)の使い方をネイティブスピーカーに書いてもらい使い方をまとめています。
似た意味のgreeting(グリーティング)については『greet / greeting(グリーティング)の意味と使い方』にまとめているのであわせてご覧ください。
この記事の目次!
歓迎の挨拶としての使い方
カタカナのウェルカムでよく知られているとおりですが「ようこそ!歓迎します!」といった挨拶の表現です。品詞としては「感嘆詞(exclamation)」に分類できます。
おそらくこの使い方が最もよく見かけます。welcome to 場所・番組名などで「〇〇にようこそ」といった意味になります。この挨拶として使う場合は文法どうこうよりも、名前などが違うだけで決まった形で登場することが多いです。
Welcome to my new store!
私の新しいお店にようこそ!
Welcome to our university!
私たちの大学へようこそ!
Welcome to Sunnydale.
サニーデールへようこそ。
Welcome to the show. I’ll be your host this evening.
ショーにようこそ。私が今晩のホストです。
Greetings! Welcome to my new restaurant.
こんにちは! 私の新しいレストランにようこそ。
Welcome on board.
ご乗車ありがとうございます。
最後の例文の「Welcome on board」のようにわりと決まった形で使われる言葉があるのでご紹介します。
Welcome home / Welcome back
Welcome homeは「おかえりなさい」にあたる言葉ですが、ここでのhomeは自宅だけではなくホームグラウンドやホームタウンのhomeであり、自分にとっての故郷やいるべき場所に帰ってきた相手に対して使う歓迎の言葉です。
Welcome home.
おかえりなさい。
自宅に帰ってきた子供にお母さんがかける言葉としては少し大げさな感じもします。長らく離れて暮らしていたといった事情があれば自然な英語ですが、一緒に暮らして毎日会っているならば少し重いかなぐらいです。
もちろん、そういう人も世の中にはいると思います。「welcome to home」としてしまいがちですが、これは間違いです。副詞のhomeは以下の記事をご覧ください。
Welcome backも訳としては「おかえりなさい」となり、どこかに戻って来た人に対して使う歓迎の言葉です。
これも日本語の「おかえりなさい」より少し重い感じもある表現で、長く離れていた人やテレビ番組など少しフォーマルな場面で使われやすい言葉です。
だからといってコンビニでの買い物から帰ってきた友達に言ってはダメとはいえないので使う人もいるのかもしれません。日本語の「おかえりなさい」とあらゆる場面で完全に雰囲気が一致するかといえばそうでもないというレベルです。
welcomeの動詞での使い方
動詞では人々を「出迎える」「歓迎する」です。この意味の場合にはwelcomeの後には人間を指す「customer(お客さん)」や「guest(ゲスト)」などが来ます。
動詞で使った場合には過去形・過去分詞は「welcomed」と規則変化します。come-came-comeの活用にはなりません。
The staff welcomed customers on their opening day.
スタッフは初日に客を出迎えた。
His job is to welcome guests to the hotel.
彼の仕事はホテルにくる客を出迎えることです。
The principal held a ceremony to welcome new entrants to the school.
校長は学校への新入生を歓迎するための式典を開いた。
以下は実際のニュースからの抜粋で「大阪城の1億人目の入場者」と「札幌の雪まつり」の話題です。
When an office worker and his wife went through the gate, they were welcomed by the staff announcing, “Congratulations to the 100 millionth guest.”
会社員と妻が入場ゲートを通ったときに「1億人おめでとうございます」と言う職員らに歓迎された。
Organizers expect to welcome about 2 million visitors to witness the 190 works on display before the event closes on February 11.
主催者はこのイベントが2月11日に終わるまでに、展示されている190作品を見る約200万人の訪問客を迎え入れることを期待している。
物事を歓迎する
アイデアや意見、質問など物事に対して喜んで受け入れることで動詞で「歓迎する」にもなります。
We welcome any questions or comments you may have.
私たちはあなたのあらゆるご質問やご意見を歓迎いたします。
ご質問・ご意見をお待ちしています、といった意味です。
I would welcome any chance to win lots of money.
大金を手に入れるためのどんなチャンスでも歓迎するよ。
welcomeの形容詞での使い方
形容詞では喜んで受け入れられる状態を指し「喜ばしい」といった意味になります。
This is very welcome news!
これはとても喜ばしいニュースだ!
The new rule was a welcome change to the company.
その新しいルールは会社には喜ばしい変更だった。
歓迎される
喜ばしいことは、歓迎していることでもあるので、より「歓迎される」といった意味でも使われます。この点については少し最後に補足があります。
You are welcome to join our club.
私たちのクラブに参加してくれることを歓迎します。
If you want my car, you’re welcome to it.
もし車が欲しいなら歓迎します。
You are welcome(どういたしまして)
代表的な英会話表現でよく「どういたしまして」と訳されることがあります。これも意訳であり「あなたは歓迎されてますよ」といった意味です。
A:Can I borrow a stapler?
ホッチキスを借りてもいいですか?
B:Sure, here you go.
もちろん。はいどうぞ。
A:Thanks.
ありがとう。
B:You’re welcome.
どういたしまして。
このように確かに「どういたしまして」と訳しても意味が通るケースもありますが以下のような例文では成立しません。
You are welcome to try any of our dishes.
どんな料理でもお試しいただけます。
You’re welcome to stay here anytime.
いつでもここにいるのは歓迎です。
何かの行動に対して歓迎しますよ、といった意味なので「どういたしまして」だけでカバーしきれない部分も含まれます。
unwelcome
この形容詞での使い方には「unwelcome」という単語も存在しており、逆の意味で「歓迎されていない、うれしくない」となります。
You are unwelcome here.
= You are not welcome here.
あなたはここでは歓迎されていない。
notとwelcomeを使えば同じような意味になります。
welcomeの名詞での使い方
名詞でも使える言葉で「出迎えること、歓迎」といった意味にもなります。
They gave the visitors a warm welcome.
彼らは訪問者を温かく出迎えた(温かい歓迎を与えられた)
She received a proper welcome from her new coworkers.
彼女は新しい同僚からふさわしい歓迎を受けた。
welcomeとwelcoming
以下、かなり細かい話なので必要のない方は無視してください。
形容詞のwelcomeの使い方を細かく分類すると「welcome(喜ばしい・歓迎される)」と「welcoming(〇〇を歓迎するための)」の意味があります。
例えば「welcome party(歓迎会)」のような言葉は、どちらも意味が通ります。welcome partyは名詞の形容詞的用法だと思います。
「welcoming party」も同じ意味で歓迎会になります。誰かを歓迎するためのパーティーの意味です。
We held a welcome party for him.
= We held a welcoming party for him.
私たちは彼のために歓迎会を開いた。
しかし、あまり一般的でない言葉の組み合わせをすると何を指しているのか解釈に幅が生まれたり、意味が変わったりします。
She gave me a welcome present.
この場合は「彼女は私に喜ぶプレゼントをくれた」の意味です。私が欲しがっていた喜ばしいプレゼントのことです。
She gave me a welcoming present.
welcomingを使った場合には「私を歓迎するためのプレゼント」になるので、彼女は私を歓迎しようと思ってくれたプレゼントです。しかし、私がそれをどう思ったのかは書いていません。実は苦手なものだった可能性はあります。
welcome party / welcoming party
welcome partyは普通は文脈で新入社員・新入生などに対しての「歓迎パーティー」「歓迎会」を指しているのは明らかなケースが多いです。
しかし、解釈としては「party」には集団・グループの意味もあります。RPGゲームの「パーティーを組む」のpartyです。
この「集団」の意味で使われるとまったく指しているものが異なります。
◎ Our company sent a welcoming party to greet the new employee from China.
〇 Our company sent a welcome party to greet the new employee from China.
私たちの会社は中国からの新入社員をもてなすための、歓迎団(歓迎するための一団)を派遣した。
この場合もwelcomingとwelcomeのどちらを使ってもOKですがwelcoming(〇〇を歓迎するための)のほうが意味がはっきりして、より広く使われています。