多くの場合「very」は「とても、非常に」といった意味で何かを強調する使い方がされます。例えば「very small(とても小さい)」や「very fast(非常にはやい)」といった使い方です。
これ以外にも「this very hotel」「On that very day」のようにhotelやdayといった名詞を修飾する形があります。「とてもホテル、非常に日」では訳が成立しません。
これも強調の意味でいくつかのパターンに分類できるので例文付きでまとめました。まずは基本的なveryの使い方から復習していきます。
very(とても)の使い方
このveryの使い方はよく知られており、hot(熱い)big(大きい)beautiful(美しい)good(良い)のような言葉の前について「とても」と強調します。
品詞としては「副詞のvery」となりますが、英語を勉強している人なら中学生レベルでも出会う表現です。
This is hot.
This is very hot.
これは「とても」熱い。
She is beautiful.
She is very beautiful.
彼女は「とても」美しい。
It’s good.
It’s very good.
「とても」いいね。
veryをつけられない場合
少し論争のある分野なので簡単にご紹介しておきます。
日本語に置き換えても感覚的にわかりますが、veryは程度を表しているので、単語によってはveryを付けられないとするケースがあります。
わかりやすい例でいえば「perfect(完璧な/パーフェクトな)」です。perfectそのものが最上級の意味合いを含んでいるので「very perfect(かなり完璧)」のような表現を認めないとする考えです。
His work is very perfect.
(論争のある表現)
「ちょっと完璧」「少しだけ完璧」「かなり完璧」のような段階を認めない言葉が他にもいくつかあります。impossible(不可能な)やfree(自由な)、dead(死んでいる)などです。
ちょっと死んでいる、かなり死んでいる状態などありえないので、したがってveryをつけるなという話です。こういうのをNon-gradable(段階的なものがない / 比較変化形がない)といったりするそうです。
ただしネイティブスピーカーによっては、この意見にあまり賛同していない人もいて「いや、perfectにveryをつけてもいいんじゃないの」といった意見もありました。
以前にイギリス人のダンが「hilarious(面白い、愉快な)」はfunnyの最上級的な概念なので「very」はつけないといった意見をいっていましたが、オーストラリア人のカール、カナダ人のスティーブ、アメリカ人のダイアンの3人が「いや普通にvery hilariousでもいいんじゃないの」といった意見になりました。
ネイティブスピーカーであってもけっこう国や個人によって意見が食い違う要素です。
名詞を修飾するvery
本題としては「very hotel」「very day」のように名詞に対してveryを用いる使い方です。形容詞としてのveryの使い方であり、慣れないと不思議な感じがします。
この使い方を分類すると3つぐらいに分けられそうなので、それぞれに例文を用意してみました。
結局はどの使い方をしてもやっぱり「強調」になるので、無視をしても基本的な意味は通ります。
ぴったりの、きっかりの(exact)
まず1つ目は「まさに、まさしく」「ぴったりの、きっかりの」といった意味合いで、英語で言い換えるとexactの意味になります。
「this very 〇〇」のような形でよく登場します。
At this very moment someone is climbing Mt. Everest.
まさにこの瞬間、誰かがエベレストに登っている。
George Washington stayed at this very hotel.
ジョージ・ワシントンがまさにこのホテルに泊まった。
On that very day, we got married.
まさにあの日に、私たちは結婚した。
The building once stood on this very spot here.
その建物はかつて、まさにこの地点に建っていた。
単に(mere)
「mere(単に)」のような意味にもなります。他のものがまじっていないといった解釈で「only」にも近い意味です。
The very thought of a ghost makes me terrified.
おばけについて単に考えることで、怖くなる。
The very sight of him made people laugh.
彼が目に留まっただけで人々が笑った。
彼が現れただけで笑いが起こったり、おばけについて考えただけで怖くなったりするなど、ほかに何もやっていないのに、「ただそれだけで」といった強調です。
かなり、とても
「かなり、とても」と考えても意味が通る場合もあります。あえて品詞を意識せずとも普通に読んでしまいそうです。
The character dies at the very beginning of the movie.
そのキャラは映画のかなり初期に死ぬ。
There was a toy at the very bottom of the bag of cereal.
シリアルの袋のかなり底におもちゃがあった。