カタカナでも使われている「トリビア」は英語ではtriviaと書き、同じような意味であまり役に立たないような豆知識を指して使われます。
triviaは名詞ですが他にも英単語として形容詞のtrivialや、動詞のtrivializeも使われることがあります。
基本的にトリビアについてはカタカナと同じ意味だと思って間違いないと思いますが英語としての意味や使い方を例文付きでご紹介します。
trivia(トリビア・名詞)
カタカナでちょっとした豆知識のようなものに対して「トリビア」と使われていますが、「重要ではない知識」を表します。発音は【tríviə】です。
trivia
The book is full of fun trivia about music.
その本は音楽についての楽しいトリビアでいっぱいだ。
その本には必要のない情報がたくさんあるけれども知っておくと面白いといった意味です。
この基本的な使い方以外にも「trivia game」や「trivia night」といった組み合わせが存在しています。
We played a trivia game to pass the time.
私たちは暇をつぶすためにトリビアゲームをした。
トリビアゲームとは「アメリカの35番目の大統領は誰?」といった日常生活では実際には必要ない知識を問うようなゲームです。
私達が作っているクイズアプリ「英語クイズ!アメリカンドリーム」もトリビアクイズといってもいいかもしれません。
This bar has a trivia night on Tuesdays.
このバーは火曜日にトリビアナイトを開催している。
トリビアナイトはトリビアゲームを楽しむようなイベントで勝てばちょっとした飲み物や食事をサービスされたりします。
John is a real trivia buff. He knows the middle name of every president.
ジョンは本当に雑学王だ。彼はすべての大統領のミドルネームを知っている。
buffはオタク、マニアみたいな意味ですがそこまでネガティブなイメージがありません。まさにtrivia buffならば雑学王、雑学好きみたいな感じです。
トリビア以外も使えますが、のめりこみすぎて生活が破綻しているネガティブなイメージではないので使いやすい言葉です。
She’s a history buff.
彼女は歴史マニアだ。
trivial(形容詞)
形容詞では「重要ではない、取るに足らない、つまらない」の意味になります。発音は【tríviəl】です。
The CEO said he refuses to discuss trivial problems like that.
CEOはそのような取るに足らない問題を議論するのは断ると言った。
He kept asking me trivial questions about manga.
彼は私に漫画についてのつまらない質問をしつづけた。
non-trivial
non-trivialはそのまま逆の意味で「ささいでない、つまらなくない」といったtrivialを否定するような意味になります。言い換えると「重要な」になります。
importantと同じ意味になりますが使い方が異なり、あくまで「つまらないものの中で、つまらなくないもの」といった相対的な使い方がされます。
We need to focus only on all the non-trivial matters in this meeting.
我々はこの会議で、すべてささいでないものだけに集中する必要がある。
他にいっぱい必要ない無駄な議題も多くあると思うけれど、その中の重要な問題に集中しようといった意味になります。したがってimportantと同じ意味ではありますが、もう少し周囲の文脈が必要になります。
trivialize(動詞)
何かを重要ではないようにすることで、「軽く見る、軽んじる」といった意味です。日本語では「矮小化する、平凡化する」といった難しい訳があてられることもありますが、要するに軽く扱うの意味です。
She complained that I was trivializing her problems.
彼女は私が彼女の問題を軽んじているという不満を言った。
The company was criticized for trivializing the civil rights movement.
その会社は公民権運動を軽く見たことで批判された。
I don’t mean to trivialize your problem, but it is kind of funny.
あなたの問題を軽んじるつもりはないんだけど、ちょっとおもしろいんだ。
Catholics were angry that the religious aspects of Christmas were being trivialized.
カトリックの人々は、クリスマスの宗教的な面が軽んじられていることに怒っていた。
make light of
軽んじる、軽く扱うについては類似の表現も多いと思います。make light ofもその1つです。
The teacher yelled at the students for making light of disabilities.
障害を軽んじたことで、先生は生徒を怒った。
Don’t make light of this issue. It effects all of us.
この問題を軽視するな。私達全員に影響があるぞ。
トリビアの語源・由来
トリビアの語源や由来そのものがトリビアになっている感じもするので参考程度にお考えください。
あまり英語っぽくないスペルですがラテン語に由来しています。形としてはトリプルなどの3つを意味するtriと、通路など意味するviaの組み合わせになっています。
諸説ありますが古代のローマには三又の交差点が多かったことからありふれた一般的な場所という意味に由来する説があります。
また中世のヨーロッパの大学で7科目あるうちの3つ、文法(grammar)、修辞学(rhetoric)、論理学(logic)は初歩的だったため役に立たない知識といった意味で使われるようになっていきます。
英語圏ではアメリカ生まれのイギリス人作家でエッセイストのLogan Pearsall Smith(ローガン・パーソール・スミス /1865年~1946年)が1902年に出版してヒットした本『Trivia』や続編の『More Trivia』で知られる言葉になりました。
ローガン・パーソール・スミスは1946年に亡くなっていますが、この本では役に立たないような雑学などや人間観測を踏まえたエッセイのような読み物だったそうです。
このあたりから現代の「トリビア」としての使い方が広まっていきます。日本ではタモリが出演した役に立たない知識や雑学を紹介する番組『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』がトリビアという言葉を広めるきっかけになっています。