結論から書くと「スケルトン」は英単語としては存在しますが、カタカナでいう中身が見えるようなものは指しません。
透明、半透明を伝える表現もいくつかあるので順番に例文を交えながら取り上げていきたいと思います。
日本語では透明であることはたまに比喩的に純粋などの意味でも使われるので、英語でもどこまで使えるか確認してみました。
この記事の目次!
transparent(透明な)意味
transparentは「透明な」を意味する形容詞ですが、この「transparent」はガラスのように物体の向こうが透けて見えるという意味での「透明」です。
発音は【trænspǽrənt】なので読み方はトゥランスペアラントぐらいでしょうか。
日常で使う言葉としては名詞の透明度・透明を意味する「transparence / transparency」よりも高いです。
This folder is transparent.
このフォルダは透明だ。
They are transparent and shiny like a diamond.
それらは透明でダイヤモンドのように輝いている。
I got a transparent smartphone cover.
透明のスマホカバーを手に入れた。
transparentを人に使う
人間に対して「transparent(透明な)」を使ったときのニュアンスが、けっこう微妙な感じがして難しいです。
His personality is transparent.
彼の性格は透明だ。
上の例文の表現は何度もネイティブと意味を確認しましたが、この表現は日本の「彼はピュアだ、純粋だ」の意味になりません。これでは彼の性格は筒抜けで、隠そうとしていることが見えてしまう、といった少しネガティブな意味にもなります。
この表現自体に良い悪いはありませんが日本語でいえば「本心が見える、本音が透けて見える」といったニュアンスが近いです。
Her smile is transparent.
彼女の笑顔は透明だ。
上の場合は本当は彼女は悲しいのに、笑って元気な素振りを見せた場合に使ったりします。彼女は隠そうとしているけど、透明なので本心が見えてしまう、といった意味です。
The company’s accounting is transparent.
その会社の会計は透明だ。
ただし人以外に使うと、文脈によっては良い意味にもとれます。上の例文では「この会社の会計は透明だ」となり、隠し事がない、何も隠していないといった「透明な会計」のように日本語と同じ解釈でも大丈夫です。
文脈によって少し捉え方が変わってしまうので、特に人の行為に対して使うときは注意が必要です。
正直だ、誠実だ、といったことを表現するには「honest」などわかりやすい言葉を使ったほうが無難ではないでしょうか。
translucent(半透明な)の意味
「半透明」の意味で、そのまま半透明なものを表すのに使います。これも形容詞での登場が多く、名詞の「translucence(半透明)」で使われることは、日常ではさほど多くありません。
発音は【trænslúːsənt】なので読み方はカタカナでは「トゥランスルーセント」ぐらいです。
This folder is translucent.
このフォルダは半透明だ。
上の表現はクリアファイルのようなものをイメージしてもらえれば近いと思います。
いわゆる日本人の感覚で使う「スケルトン」はこのtranslucentが近いと思います。ちょっと前にスケルトンのデザインが流行りました。
このようなiMacの商品を描写すると「the use of translucent and brightly colored plastics(半透明で明るい色のついたプラスティックを使用)」といった表現がされています。
invisible(目に見えない)
invisibleは姿、形が見えないものに使います。反対の意味のvisibleは目に見える、可視の意味です。
古い映画の『透明人間』はThe Invisible Manです。日本語にすると先に紹介したtransparentもあわせて、両方とも「透明」になってしまいますが種類が違います。
She said we couldn’t see the ghost because it was invisible.
彼女は私たちは幽霊を見ることができない、なぜなら不可視のものだからだと言った。
UV light is invisible to the human eye.
紫外線は人間の目には見えない。
すでに紹介したtransparentは向こうが透けて見えるものです。
Students have to carry transparent bags to school.
生徒たちは学校へ(中が見える)透明のバッグを持っていかなければならない。
skeleton(スケルトン)の意味
英語でのskeleton(スケルトン)は透明の意味ではなく「骨格、骨組み」のことを指しています。
There is a skeleton hanging in my biology class.
生物のクラスには骨格がつるされている。
The human skeleton is made up of 206 bones.
人間の骨格は206の骨からできている。
カタカナでは「透明」のような意味で使われるときがありますが透明の意味はありません。建築系では骨組みのような意味では使われている感じがしますね。
たぶん日本語の「透ける」と「スケルトン」のスケルがたまたま同じだったので、それにひっぱられて「透明」といった意味で使われるようになった予感がします…。
I have a skeleton bag.
(意味が伝わらないと思います)
もしそれが中身が見えているようなカタカナのスケルトンであるならば以下のような表現が可能です。see-through(シースルー)はカタカナにもなっていますが英語でも同じ意味で使えます。
I have a see-through bag.
I have a transparent bag.
私は透明のバッグを持っている。
先に紹介した透明を意味する「transparent」でも伝わります。また上に書いたように正確には半透明のものも多いのでその場合はtranslucentです。
恐竜の骨、化石など
しかし、日常会話であまりskeletonを使うわけではないので、もし恐竜の化石の骨組みなどを指すならば以下のようにbone(骨)などを使った表現が自然です。
There are many dinosaur bones at the museum.
博物館に多くの恐竜の骨がある。
There are many dinosaur fossils at the museum.
博物館に多くの恐竜の化石がある。
あえて言葉の選択としてskeletonを選ぶ必要性もないといった感じです。
exo-skeleton(外骨格)
exo-skeletonとは「外骨格」のことで、昆虫などの皮膚の外側にある堅い骨格の部分です。生物が持つ鎧(よろい)のようなものです。
exo-skeleton(グーグル画像検索)
古くは車田正美の聖闘士星矢に登場する聖衣(クロス)も、exo-skeletonだといえます。人間のこのようなスーツは後付けですが、昆虫などは元から備わっています。
skeletal
skeletalはskeleton(骨格、骸骨)に関連する言葉で、形容詞で「骨格の、骸骨の」を意味します。
He has a rare skeletal disease.
彼はまれな骨格の病気がある。
The skeletal system of a snake is simpler than a human’s.
ヘビの骨格の仕組みは人間のものよりも単純です。
They found the skeletal remains of a bear while hiking.
彼らはハイキング中に熊の白骨化した死骸を見つけた。